どうでもいいけど、固定給は人件費タダみたいな考え方が超嫌いな中元です。
今日はいよいよ脳のエネルギーを使い切ったので、クリエイティブな何かを書くのではなく、2021年に読んだ本についてつらつらと雑感とかを書いてみようかなと思う。
―とはいえ、再読を入れていいならめちゃくちゃな数になってしまうので、今回は【すごく勉強になった】本、もといお値段以上のそれに絞って紹介する。
ってことで、なんか読みたいけど、なんも閃かない人は、特に一読いただければ嬉しい。ではいこう。
ヤバい経済学
ぶっちゃけ読んでいなかったことが恥ずかしいくらいの大作である。内容は、世の中のあらゆる裏側を、超真面目なアプローチで覗き込んでいくという感じ。
その一例を、Amazonの紹介ページから引用し、並びたててみよう。
不動産広告の「環境良好」の隠された意味って?
90年代のアメリカで犯罪が激減したのはなぜ?
勉強ができる子の親ってどんな人?
銃とプール、危ないのはどっち?
相撲の力士は八百長なんてしない?
学校の先生はインチキなんてしない?
ヤクの売人がママと住んでいるのはなぜ?
出会い系サイトの自己紹介はウソ?
ウィキペディアは信頼できる?
・・・繰り返すが、なんでそんなことを疑問に思ったのかと思うテーマばかりだが、大学の経済学で使う計算や分析を駆使して、それに切り込んでいるので面白い。
内容の面白さはもちろんだが、読み終わった後に、世の中を見る目がまるっと変わってしまうくらい、好奇心を大変刺激されていることに僕は気づいた。
退屈しない人生や考え方はかくなるものかと、気になる方は是非読んでみてほしい。
―ちなみに、【その思考法】をテーマにした別の洋書も読んだのだが、実は邦訳されたものも発売されていた。(タイトルが違い過ぎて気づかなかった!)
興味がある方は、そちらもどないでしょう。
人間失格
実は高校の読書感想文の課題図書になっていたのだが、憂鬱になり過ぎて途中で投げていた小説。今回改めて、どんな話か気になって読み直した次第である。
―のっけから、大体の人が感じつつもいつしか自然に受け入れていた理不尽が、非常に生々しい言葉で炙り出されており、読みながら心臓の辺りを押さえてしまった。
小さいころから、他者が期待する自分を理解し、演じ、いつしか本当の自分を殺して、もっと偽って、そして・・・。
最後まで読み終わった後、魂が抜けたような気分になったのはずいぶん久しぶりであったのをまだ覚えている。
ボリュームもかなり少ないので、1日で一気に読んでしまった。それくらい、こと人見知りネガティブである僕にとっては、胸に迫ってくるものがある一冊であった。
なぜ、「あんな男」ばかりがリーダーになるのか 傲慢と過信が評価される組織心理
逆説的に「リーダーとは何ぞや」というのが知りたくて手に取った一冊。良くも悪くも、リーダーになるために必要なことが、この本で氷解した。
我ながら数値を出したつもりでも、依頼に応えたつもりでも、そういう話がたまに出ては消える。僕が上になかなか上がれない理由は、一体何なのか。
この本がくれる、明確で辛辣な答え。その理由は、僕がリーダーらしくないから、という話に収束しそうなのである。
僕はカリスマ性を持たない。自信たっぷりに虚勢を張ることもできない。つまり、リーダー像からかけ離れている。ただそれだけが理由の可能性がある。
―同時に、自信だけがあり、カリスマ性があるように見える人は、下手すれば組織を壊すという怖すぎる指摘もそこに書かれていた。
そういった自己演出のプロは、一皮めくればサイコパス性や強い自己愛がそこに隠れているかもしれないからだという。
彼らにとってみれば、自分さえよければどうでもいいし、他者とは自分の利益のために存在するのだから、大切に扱う理由がわからないということらしい。怖ッ。
しかもそれらの根拠は、主観ではなく、あくまでもデータなのだ。巻末には夥しい論文のURLが載っており、言い逃れをすることは、不可能だろう。
ということで、自分が昇進できない理由に納得できない方、あるいは誰かを抜擢する立場にある方は、一度手に取ってみることをオススメする。
ただし、その結果わかることはいずれにせよ怖い話なので、しっかりと心した方がいいけれど、ね。
終わりに。
ということで、実は今も同時進行でいろんな本を読んでいるのだが、軽く積読になりつつあるので、年末年始は読書の虫になる予定である。
ただ、【ヤバい経済学マインド】に感化されたおかげで、読んでほったらかすという状態に我慢ならなくなったのは大きい。
次年度、もし僕が裁量ある立場になれたなら、校舎を実験場として、会社を潰さない程度に色々とやってみたいことがある。
その日を夢に見ながら、でも現実に過度な期待をしないようコントロールしつつ、腰を据えて準備に取り組みたいと思う。
では今日はこの辺で。