減量生活二日目、食事もまだ全然制限していないのに、おそらく長期間のルーティンであった酒を止めたことにより副反応だらけの中元です。きちぃ。
はい。そんな中でも、宇宙に思いを馳せる時間は確保し続けている。もっとも、最近は宇宙というより、原子とか音波とか電波とか、ワケワカメの世界なのだが・・・。
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時折知らない文法や単語が出るのだが、多数派じゃないのでまだ読めている。にしても、ぼちぼち終わりが見えてこないかなぁ・・。
ってことで今週もレッツラゴ。
- 5月23日(月) コスモ・リベンジャー
- 5月24日(火) 決着の刻は近い
- 5月25日(水) 決定打
- 5月26日(木) ある才能
- 5月27日(金) ある才能と才能の出会い
- 5月28日(土) すべては科学のために
- 5月29日(日) 繋がりゆくピース
5月23日(月) コスモ・リベンジャー
ホイルと共同研究をしていたゴールド氏は、かつてとある天文学者と論争を繰り広げていたという。その天文学者の名前はマーティン・ライルという。
彼は偶然といえば偶然なのだが、電波は星由来なのか銀河由来なのかで、前者の予想を立てていたが、観測の結果、後者が正しいということを面前で証明されたのだ。
そして銀河由来であることを唱えていたのが、先のゴールド氏なのである。彼からすればとばっちりなのだが、これが禍根を残すこととなった。
恥をかいたライル氏は、今度は定常宇宙モデルに不利な事象を観測し、その復讐を遂げようと誓ったのだという。そしてそれは、地道な努力の果て、叶ったのであった。
なぜかホイル氏も同じ席に召集された開かれた会見で、ライルはそれを突き付けた。初期状態の銀河は遥か彼方にしかない、これは定常宇宙では説明不可だ、と。
大衆の前で恥をかかせる。その仕返しはここに成った。そして不思議な話だが、ライル氏の不健全?な努力により、電波を用いた技術が飛躍的に発展した。
尚、後年ライル氏は、ノーベル物理学賞を受賞している。源泉などどうでもいい、結果さえ出れば。その好例だと思った。
5月24日(火) 決着の刻は近い
ライルの発見は、定常宇宙モデルに大打撃を与えると同時に、ビッグバンモデルに強烈な追い風を吹かせる結果となった。
「聖書が正しかった!」という見出しが登場し、創造の瞬間があったという説が、一般大衆にまで広く周知されるようになっていったのだ。
しかし反対陣営たるホイルが受けた影響は深刻で、子供を含む家族にまで、例えばイジりや電話といった行動が相次いだのだという。
世間が狂乱し始める中、さらに研究は加速した。マーテン・シュミット氏が、ある驚くべきものを観測したのだ。
それは、確かに電波や光を発しているのだが、どう見ても銀河ではなく1つの星に過ぎない何かであった。さして明度が高いわけでもない、平凡な星。
しかし、その光を分析すると、既知のあらゆるパターンに一致しない、謎の光源を持っていた。その正体は、すぐに解けた。赤方偏移である。
にしても、光が赤方偏移を起こすとは、いったいどうすれば説明がつくのか?計算の結果は、なんと時速44000㎞で地球から遠ざかっているというものであった。
さらに、そんな勢いで遠ざかる星の光が届くということは、この星は近辺にある平凡な星などではなく、想像を絶するほど遠くにある、非常に明るい星なのだ。
この発見により、もう間もなく、決着の刻が訪れることとなったのである。
5月25日(水) 決定打
ビッグバンと定常宇宙。これら2つの論争のある種決定打になったのは、クェーサーの分布である。どうやら、地球から遥か彼方にしか、それがなさそうなのだ。
ビッグバンモデルにとってみれば、そんなものは無問題。しかし、定常宇宙モデルにとっては大問題である。宇宙はどこを切り取っても同じであるはずなのだから。
ホイル・ゴールド・ボンディの三人は「クェーサーはたまたま付近で見つかってないだけ、運が悪いようなもの」といって擁護したが、コレの弱弱しさは明白である。
多くの科学者が、時に強い悲しさを抱えつつも、持論をビッグバンモデルへと切り替えていった。
そして、決定打に当たるものは、まだまだ発見が続くのであった。
5月26日(木) ある才能
アーノ・ペンジアス氏は、ナチ政権発足によるユダヤ迫害を逃れて、アメリカに亡命した一人である。
不慣れな土地、懸命に働く父を見て、彼は学業に邁進することを半ば諦めるようになったという。そんな彼が夢中だったのは、物理学であった。
しかし父に相談したところ、その返答は意外であった。「物理学を修得したエンジニアは、これから必ず必要になる」
そして終戦後、この見込みは大当たりとなる。博士号を取得したペンジアスは、そのままベル研究所に就職。仕事と研究を同時にこなす日々を送るようになるのであった。
つづく。
5月27日(金) ある才能と才能の出会い
ロバート・ウィルソン氏もまた、学位を取得したのち、ベル研究所へやってきた研究者の一人であった。
純粋な研究に打ち込むだけでなく、最初期の衛星打ち上げにかかわるなど、エンジニアとしての作業にも従事し、研究所の理念を体現する存在となっていた。
そして彼はペンジアスと協力し、最新のアンテナを用いて、電波天文学の研究を推し進めていくこととなるのであった。
ーつづく。
5月28日(土) すべては科学のために
ペンジアスとウィルソンは、ノイズの発生源を突き止めて、可能であればそれを排除し、さらに高音質なラジオを目指そうと奮闘した。
別の都市からのラジオノイズか?いや、アンテナを向けてもそれは発見できなかった。
では、パーツの歪みか?いや、徹底的にチェックしても無駄であった。
まさか、アンテナに巣を作っているハトの白い排泄物か?ハトを永遠に消してから拭き取ったのに、まだノイズは検出されている。
ーこの謎のノイズは、極めて特異な性質を持っていた。アンテナをどこに向けても検出されるし、昼夜問わず発生しているようなのだ。
一体、この発生源はどこなのか?その正体はなんなのか?ペンジアスとウィルソンの挑戦は、まだまだ続く。
5月29日(日) 繋がりゆくピース
ペンジアスとウィルソンを苛立たせていたノイズの正体。実は、この存在は、ガモフらによって予言されていたものだった。
宇宙創成のときに放出される光は、宇宙が膨張している影響で引き延ばされ、その波長は光ではなく電波として検出される。いわゆるCMBである。
しかし当時の学界からは無視されたのもあり、ペンジアスとウィルソンの頃にはすっかり忘却の彼方へ消え去っていたのだ。
そしてところ変わって同年代、完全に別の研究者が、ガモフらの予言とは無縁のところで、CMBの存在を予言したという。
その情報が二人のところに入った瞬間、すべてのピースが繋がったのだ。このノイズは、宇宙創成の証なのでは?と。
いよいよ、物語も佳境へと突入していくのであった。
ってことで今週はこの辺で。