連勤が途絶えることに一種の寂しさを覚えるワーカホリック・中元です。
はい。最近、それに詳しい友達の助力も得ながら、事業計画書をこそこそと作成し続けている。
勿論楽しいことには違いないのだが、イチ雇われ人である限り絶対に見えなかった部分もバシバシと露になり、今までどんだけ呑気に仕事をしてきたか、慄然とさえする。
今日はその中でも一つ、薄々わかっていたけどやっぱりそうか、というタイプの話をしてみたいと思う。
それは、個別授業が普及しない、びっくりするほど身も蓋もない理由である。
ってことで、以下本題。
個別授業は儲かる?儲からない?
その身も蓋もない理由とは、利益率が鬼のように悪いからである。要するに、時給換算すると、びっくりするほど割に合わない指導形態なのだ。
今の学校の指導形態が、特別なケアを必要とする生徒以外は集団授業一択状態なのは、赤字になるから人的コストを割けないという面が大きいとさえ思う。
逆に、例えば先生一人で30人以上の生徒を観る状況は、とてつもなくコスパが良い。単純計算だが、個別授業の30倍以上稼げていることになる。
てなわけで、個別授業は、言っちゃあれだがマジで非効率なので、マネタイズ面のバリアによって普及しきれないというのが本当のところなのだ。
先生一人に生徒一人とは、繰り返すが学校の集団授業の30倍高くしないと、本来はペイできない体系なのだ。だが、そんな月謝、払える人がいるわけがない。
個別授業のニーズは日増しに高まっているのだが、無計画でそれ全振りにすると、確実に企業としては赤字を垂れ流すリスクを抱えることになる。
実際、個別授業だけで食っている校舎は極めて少ないし、その財政も健全とは言い難いという話を聞いたことがある。
個別授業をキチンと提供するためには、個別授業以外でお金を稼ぐシステムを入念に設計し、用意しなければならない。
超絶難題だが、目を背けては通れない現実が、まざまざと見えた瞬間であった。
【独り言】利益率が高い塾の商品とは何か?
ところで、メインの商品は利益率が低いのに、全体で見れば黒字という業態を考えると、飲食店が真っ先に浮かぶ。特にファストフードが有名な例である。
ハンバーガーの原価率は40%程度だが、これは商品販売の常識としては、赤字待ったなしの比率なのだという。(利益が出ないということ)
しかし、サイドメニューのポテトやコーラの原価率が著しく低いため、それらの利益でトントンと帳尻を合わせているというのが、その戦略ということなのだ。
これを塾に応用すると、個別授業は利益を生みだす場ではなく、より利益を出すコンテンツへの導線の一つとして提供する方が、ビジネスとして健全ということになる。
では、より利益を出すコンテンツとは何か?簡単な話だが、一対多で実施する授業は全部そうである。例えば集団授業の利益率は、驚くほど高い。
ただし、コロナ禍の心理的な抵抗もあって、従来通り10人も20人も教室に詰め込んで授業をするという形式が、今後バズる未来も別に見えない。
それ以外に考えられることとしては、一度生み出せば長く稼いでくれる授業を作ることがそれに当たる。例えば、映像授業がわかりやすい例だ。
ただしこれも、ストックビジネス。「この人の授業であれば、映像でも受けたい」と思えるくらいのブランドを作らねば、ただ無名の講師が話す動画と化すだけだ。
一対多か、ストック可能なコンテンツか。ここをどう設計して組み込んでいくかが、僕が塾を潰すか否かを分けると思う。
―ちなみに、もし僕が、今担当している部署を丸ごと引き継げたとしても、僕の給料は今の時点からだいぶ下がることが確定している。
それくらい、利益率が低いことのダメージは大きいのだ。無知ゆえに気づけなかったロスが、ここにきてボディーブローの如く効いてくる。
例え守銭奴とか金の亡者と言われようが、そんなアホなコメントには構ってられない。個別授業をしっかり提供するために、他に稼げるコンテンツは必須だと改めて誓った。
まだまだ、勉強だな。
ってことで今日はこの辺で。