精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

【同業者向け】説明の"型"の一つ、【SEE-Iメソッド】がイイ感じに授業で使いやすいのでシェア。

「お酒を飲むのは、普段より1時間早く寝ることが可能な日だけ」というルールを自分に課すことまでは成功している中元です。

 

はい。最近、【型】について研究することが多い。自分の授業の腕を上げたいのはもちろんなのだが、それを学ぶことが創造性に繋がるという意見を聞いたためだ。


例えば、世の中に存在する神話や物語は、煎じ詰めれば7パターン程度にまでまとめることが可能という本もある。

 

しかしだからといって、日本神話はギリシャ神話をパクっているといった暴論にはならない。型が同じであることは、なにも創造性が無いことまでは意味しないのだ。

 

【観察力の鍛え方】にも、「型があることで、まずは伝わることが担保される。そのうえで、著者の感情や体験を乗せる」といった記載があった。

 

講師で言うならば、一定の型(基本)を身に着けて、説明が生徒に伝わることは確実にして、そのうえで「何を」いうかに個性を込める、という感じだろうか。

 

だから【型】の研究を最近改めて深めている・・・という話である。自分の中で言葉にし切れていなかったのが原因だろうけど、導入が長くなった。

 

さて。今日はその中でも、使い勝手が非常に良い部類だと思う【SEE-Iメソッド】というものについて、調べたことをここにまとめてみたいと思う。

 

特に授業を持ち始めたばかりの方には扱い易いのではと思うので、参考にしてみてほしい。では以下、詳述する。

 

 

SEE-Iメソッドとは?


そもそも【SEE-Iメソッド】とは何かという話だが、これはざっくり言うと、有名な研究者が提唱する、説明能力を高めるための心掛けのまとめである。

 

曰く、【State It】【Elaborate】【Examplify】【Illustrate】が気を付けるべき4つのポイントであり、それぞれのイニシャルを取って、【SEE-I】ということである。

 

訳はそれぞれ【説明】【精微化】【具体例】【描写】という感じで、これだけ言われても、少し硬く、なかなか理解が難しい

 

だから、それぞれに解説を加えてみよう。

 

まず【説明】とは端的に、自分が語ろうとしているトピックを語ることと考えている。新聞で言う見出しであり、授業で言う”ねらい”のようなものかと。

 

そして【精微化】とは、それを噛み砕いて、自分の言葉で説明する段階である。具体例を引っ張ってくるというより、わかりやすい言葉に置き換える、という印象だ。

 

その次に来るのが【具体例】の引用である。ちなみにこれは、比喩を用いたそれも勿論含むのだが、使用法・反例もここに含まれるのだという。

 

最後のステップが、僕にとって意外だったのだが、【描写】である。【図示】と言い換えてもいいかもしれない。とにかく、イラストや表で可視化する段階だ。

 

尚、自分による実演や、ジェスチャーでの表現もここに該当するという。「教室にプロジェクターがなくて・・」などと落胆する必要はなさそうである。

 

・・ある種のフローチャートみたいに、このプロセスを踏みながら、説明を作る。そうすれば、高い質の説明は担保される。そのうえで存分に個性を練り込めばいいのだ。

 

ちなみに、【SEE-I】というこの並びにはキチンと意味がある。この順番で説明を行わないと、効果は期待できないようなので、注意されたし。

 

それを使った授業例。

 

ということで、実際に授業板書を作るつもりで考えてみる。今は中学2年生に比較を教えている段階なので、それを題材に取ろう。

 

S【State It】・・説明

 

「今日は、「比較表現」というものをやっていきます。

 

これは、2つのもの、あるいは3つ以上のものを比べて、高い・低い・一番どうだ・同じくらい何だ、を説明する文法です」

 

E【Elaborate】・・精微化

 

「言い換えれば、あいつの方が足が速いとか、彼女の方がピアノが上手いとか、数学が一番難しいとか、僕と弟は身長が同じくらいとか、そういうのを伝える方法です」

 

E【Examplify】・・精微化

 

「実際に英語でいうならこんな感じです。例えば、「彼は背が高いです」という文を考えてみましょう。

 

彼は背が高いです。

He is tall.

 

・・ここに例えば、「彼の妹よりも」という部分を足したいとします。この場合、『よりも、どうなのか』を見抜くことが大事です。

 

今回は、「妹よりも➡背が高い」ですよね?

 

だから、「tall」を比較級ってのに直しましょう。比較級とは、語尾に「-er」を付けた形です。(今はその程度でOKです)

 

そしてその後ろに、「誰よりも」を表す部分を入れれば完成です。本当は違うのですが、「よりも/彼の妹」という並びで英語にする感覚です。

 

繰り返しますが、本当は違いますが、「よりも」を表す語句として「than」を使うと覚えておいてください。そして最後に、「彼の妹」ってのを足すと、こうなります。

 

彼は(彼の妹より)背が高いです。

He is taller (than his sister).

 

I【Illustrate】・・図示

 

「これを絵にするとこんな感じです。状況としては、これを伝えたってことになります。

 

 

 

・・・みたいな。突貫工事ではあるが、基本的には科目を選ばない、使い勝手のいい説明の流れだという風に感じた。

 

ちなみにこの説明を考えながら気付いたが、大体の優れた参考書は、このポイントが丁寧に、そして完全に押さえられている

 

東進ブックスの今井先生のそれとか、面白いほどシリーズとかを、この目線をもって読み直すと、驚くほど共通点を見つけられるのだ。

 

となれば、「この参考書はイイ!」という印象を自分が持っている参考書を読み直せば、更に一層【SEE-Iメソッド】について理解が深まるかもしれない。

 

別の記事にまとめるかどうかは決めていないが、しばらくこの型は勉強してみようと思う。では今日はこの辺で。

 

おまけ:参考サイト一覧。

https://www.shorter.edu/wp-content/uploads/QEP_SEE-I_critical_thinking.pdf

manabox-global.com

daigoblog.jp

 

 

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