フィジーク大会にもボディビル大会にも出る気がないのに、プロと同じプログラムのダイエットに取り組んでいる中元です。
はい。今日は同業者向けと言いつつも、割と自分に向けた記事である。偉そうなことを何度も書いてあれだが、少々元気が余り過ぎなクラスが、実は1つある。
油断するとすぐキャッキャというテンションになる。そういうタイプの生徒ばかりが集まったところなので、「シーン・・」という時間をつくるのが非常に難しい。
先週は学校で何があったか知らないが、終始何かに文句を言い続けるありさまで、クレームは来ないかとヒヤヒヤする有様だった。
―こういうときは、生徒にストレスをぶつけるのも論外で、自分を呪って酒を飲むのもまた、同じくらい愚かである。
乱れやすいなら、それはそれで客観的に現状を観察し、その上で、基本に立ち返らなければならない。僕はそう考えている。
そして基本に立ち返る際に強く心がけていることは、一発逆転を狙わない、ということだ。これは結構、集団授業を運営するのに欠かせない要素だと思う。
テンパった未来の自分が、この記事を読んで振り返った際に「あぁ、そうだった」となるよう、ここでキチンと体系化しておこうと思う。そんな記事、以下続きである。
一発逆転の術は、大体通用しません。
まずはっきり釘を刺したいのだが、一発逆転の術とは何だろうか。全体に向けて怒鳴る?魂震えるスピーチを行う?一人ずつぶん殴る?
それが通用するのは、断言するがフィクションの世界の話である。例えば怒鳴ったところで、倍の温度でギャーギャーなる未来しかみえない。
これはなぜかと言うと、学級崩壊に至るプロセスを考えたらわかりやすい。大抵、不信一発・即崩壊、ではないはずである。(策士がいれば話は別だが)
分かりにくい授業、見通しのない時間、汚い教室・・。そういった環境が絡み合った状態で、時間を掛けてじわじわと、いつの間にか【崩壊】のラインを跨ぐ感じである。
となれば、そこからの復活もまた長期戦前提だ。ドキュメンタリーや本だと一瞬で立ち直る感じがするが、そんなことは絶対にありえない。
年単位で腐った文化をぶっ壊し、生徒とラポールを築き、保護者の信頼を取り戻すべく行脚し、全教員で理念を徹底して共有する。
その果てにしか、【立ち直り】もまたないのである。追い込まれれば逆転を狙いたくなるのが人間の性だが、恐らくその負の部分は、何倍にもなって帰ってくる。
問題点は1~2つずつ改善していけばいいし、それしかできん。
極端な施策で、劇的な効果が望めない以上、どうすればいいか。この場合は、冷静になることがまず第一。冷静になるとは、僕の場合、問題点を言葉に書き起こすことだ。
冷や汗タラタラで、「キャッキャなりやすい原因や、そうなるときの兆候」を少し思い浮かべてみる。すると、こうなった。
① 教室が汚い(散らかっている)
② 席が密着している(座席表が無い)。
③ 授業に見通しが無い。
④ 笑いどころを作れていない。
⑤ 説明時間が15分以上になる。
⑥ 授業の導入がぬるっとしている。(さあ始まるぞ感が無い)
⑦ 難問を演習させる。
―この内、席が密着しているのを一番なんとかしたいが、恐らくクソ抵抗して倍以上めんどくさくなる未来が見える。(ここは最初に文化を作らなかった自分を呪うしかない)
となれば、即効性がありそうなものをピックアップして選べばいい。まず、教室が汚いのは掃除をすればいいってだけだし、見通しも宣言すればそれでいい。
説明時間は時と場合による。ただこちらとしては、演習で「シーン・・」を生みたいのだが、実は学力が低めのため、なかなかそれも難しい。
こういうときは、己の中に答えを探すのにも限界がある。先例を探し、大いにパクる方が、話が早い。
ってことで、「集団授業 導入 つかみ」で検索。すると、続々とヒットした。今からの自分の授業で使えそうか、慎重に検討して、参考にしていく。
そして大体、「〇分は説明、〇分は演習・・」という目当てもざっくりと考えておいた。僕はその時間を、意地でも死守するという感じだ。
尚、ぱっと思い付いただけなのだが、タイムキーパーは生徒にやらせようと考えている。なんかゲーム性がそこに生まれないかなと、そういう遊び心である。
・・・こうやって考えていくと、すごく恥ずかしくなってきた。僕自身、調べたり考えたりすれば打てる手が山ほどあるのに、集中力の欠如を生徒に帰していたことに、だ。
だが、ここで自分を責めてもしゃーないので、「俺は俺を許します」と心の中で唱えてから、今日の作戦を改めて練ってみた。
そして一筋の光明が見えたところで、その時間がやってきた。ここから先は、それを終えた後、どうなったのかをつぶさに書いてみようと思う。
ソレカラドシタノ?
先に言うが、今回はピシッと統率ができた方だと思う。少なくとも前回と比べれば、全く集中の度合いも、教えられた量も、できた演習の量も、まるで違った。
そして上記でチマチマこちょこちょ理屈をこねくり回したが、僕のスランプ(笑)の原因は、そんなところに無かった。どこかで読んだフレーズが、脳内で反響している。
「あなたの声は張っていますか?笑顔で授業はできていますか?」
・・・・・・・・・。
あっ、これ、最近できてない気がするッ!!
なんとまぁ。僕の元気が欠けているから、"つまらない"先行からの、話を聞いてもらえない、と。そういうびっくりするほど初歩的な仮説が閃いた。
だから、意識的に笑顔を増やし、声を張り、説明にイキイキとした温度を乗せようと努めた。その結果が、最初に書いた通りの成果を生んだのだとすれば・・・。
疲労だのストレスだの、原因はどうでもいい。プロたるもの、生徒の前で元気を演出できなくて、どうするというのか。
そういう、算数でいう加減乗除レベルの話の大切さを、改めて学んだ瞬間であった。アァ、ハズカシイ・・。
でもま、目が覚めたという意味では、いい経験であった。元気に、朗らかに、まずは自分が楽しく授業をすること。これが一番大事ってことですな。
皆様も、授業をしていて何かがスランプだと感じる際、自分の活力の発露が足りていないかどうかを、まず考えてみるのはいかがでしょうか。
てことで今日はこの辺で。