精神年齢9歳講師のブログ

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【英文読書ルーティン日記112】"START WITH WHY"読書感想ブログⅠ ~人を動かす施策(短期編)~

先週の途中でめでたく元寇の話を読み切り、ちょっと値が張ったが、新しい洋書をまた買った。

 

サイモン・シネック氏の「START WITH WHY」である。いわゆるリーダーシップ論についての本で、当然ながら英語でこういうのを読むのは初めてである。

 

しかし、これの何が嬉しいかというと、極めて平易で読み易いことである。それでいて時折英検1級単語も混ざり、色々と刺激もあるのもまた嬉しい。

 

もちろん内容も有益な予感がプンプンするので、これから読み進めるのがとても楽しみな一冊である。ってことで以下、感想ブログ、はじめませう。

 

 

1月30日(月) 刺激するか操作するか

 

情報に飢えている脳みそに情報を大量に放りこめば、最善の決断に辿り着けるのか?あるいは、決断をしくじったとき、それは情報不足こそがその原因なのか?

 

これらはいずれも秒速でダウトなのだが、僕含めて経験値が少ない状態だと、なかなかそういう思い込みを捨て去るのは難しいとも感じている。

 

先の話なら、そもそも前提が間違えている、という仮説も立つ。顧客がなぜウチの顧客なのかを理解しないままだと、的外れなプロモーションを打ちまくるのと同じだ。

 

そしてそこから、チームとしてのモチベーションについての話に移っていった。ここから先こそ、めちゃ知りたいテーマである。楽しみにしておこうっと。

 

1月31日(火) 価格競争という麻薬

 

リーダーがメンバーをどう刺激付けするかの前に、【操作】の言わんとするところの具体例がまず始まっている。

 

その一例に、「価格競争」というのがあった。日本で言うところの歳末・在庫一掃セールのようなものだ。これは確かに、売り上げそのものには寄与するだろう。

 

しかし筆者はこれを「麻薬」と評していた。値下げをすれば利益が減るが、売り上げは爆増する。だから効果が切れると、また使いたくなる、と。言い得て妙だ。

 

このようにした結果、大抵の会社は立ち直れないダメージを負う。日本車の徹底攻勢に対し、値下げで対応して没落したGMのように。

 

ダンピングについては最後の最後まで慎重にならなければならない好例だと思う。身が引き締まった。

 

―ところで、値下げそのものは、消費者にとって悪いことばかりではない。保険やPCなどは、価格競争が繰り返された結果、僕らに手が届く価格水準に降りてきたからだ。

 

筆者はそれをコモディティ化と呼んでいた。新たな観点からこの言葉を考えることができて、とても有意義だと思った。

 

2月1日(水) 恐怖というインスパイア

 

値下げと同等の、他人を操作し得る方法は何か。それは、「恐怖」なのだという。最悪の未来を想像させたり可視化したりして、それを回避する行動へ促す。

 

例えば麻薬が社会問題になった頃、フライパンに卵を落とし、それに段々火が通って白く固まっていく映像を流し、「これがあなたの脳です」と言うCMがあったそうだ。

 

或いは、「もうみんな持ってます」という売り文句もそうだ。「あなただけ取り残されますよ」という恐怖を煽り、購買意欲を搔き立てる、と。

 

これもまた一つの動機づけではあるのだが、これが健全なのか、どうか。強力なのには違いないが、健全ではないと思うが、強力だからこそ上手く使えばすぐ機能する。

 

この話は、【Think Like a Freak】でも指摘されていたと思う。本能に根差したマーケティング戦略は、やはりツールとして力を持つということだろうか。

 

2月2日(木) 願望というインスパイア

 

「禁煙なんて簡単だよ。僕はもう何百回とやってるからね」というジョークがある。そして、願望を用いた動機づけ(操作)もまた、ここに通じる根っこがあるそうだ。

 

ここでいう願望とは、”楽に、早く、安く、なりたい自分の像に辿り着く!”というアレのことだ。たった5分で腹筋バキバキという売り文句と同じである。

 

しかし、僕自身たまに減量と称してダイエットを入れるなどして遊ぶ身なのでよくわかるのだが、成果が数日で出ることなど、ほぼあり得ない

 

ところが、効果がすぐ出るという謳い文句はとても魅力的なので、何度も手を出しては挫折し、また別の夢を追いかける、と。

 

「ダイエットなんて簡単だよ。もう何百回とやってきたからね」という皮肉に言い換えても、言わんとすることは同じだ。

 

こういうキラキラした、いわば短期の施策にばかりすがる人は、いずれ身を滅ぼすのみならず、会社をも潰しうるリスクがある。

 

そういうのに流されないよう、売り文句に惹かれたときほど、自省できるようにありたいと思った。

 

2月3日(金) 同調圧力というインスパイア

 

「80%の事業主が採用!」「あのタイガー・ウッズが認めた」「専門家の90%以上が高く評価しました」といった文言を聞いたことは、何度もあると思う。

 

それもまた、人を行動(購入)に突き動かす刺激として、典型的かつ強力な方法であり、本の中では同調圧力だと紹介されていた。(「権威づけ」もあると思うがまぁいい)

 

「みんなやっている」という事実?は、「なんでおまえはやらないの?」という圧力に転じ、それだけを理由としてそれに合わせるような行動を取る。

 

赤信号、皆で渡れば怖くないというネタに通じる話でもある。ただ、大衆がいつも正しいとは限らないし、大衆は常に間違えると指摘する人さえいるくらいである。

 

また、アンケートを取る集団や母数をいじくることで、割合などはいくらでも操作できるので、数値は信頼できるものかをきちんと見なければ、無意味な可能性もある。

 

なんというか自分が持っているバイアスの知識を別角度から紹介されている気分であり、これはこれで楽しい時間だと思えてきた。

 

2月4日(土) 真新しさという幻想

 

購買行動に結び付ける施策として、今までに無い特徴を売り文句にするケースは圧倒的に多い。技術を開発するのではなく、真新しさをウリにするのだ。

 

本では携帯電話の例が紹介されていた。確かに、スマホが登場する直前のガラケーは、色々と頭打ちというか、なんか詰んでるなという感じがしたものだ

 

折りたためる、光る、マナー着信音完備、充電が超長持ち・・・。こういう足し算型の差別化は、やはりコモディティ化に繋がり、企業にしてみれば段々と泥沼になっていく。

 

歯磨き粉だけで、一社が32種類も提供しているケースもあるそうだ。なんというか、この罠については、自分事として周囲を見る必要があるなと、強く感じた。

 

2月5日(日) マニピュレーション(操作)では手に入らないもの

 

上記のような、いわば利益を出すために一瞬しか持続しない術を使って人を操作するのは、ドラッグに等しいと筆者は看破している。

 

つまり、お金は稼げるかもしれないが、その会社に対する信頼やファンは生み出せないという弱点があるということだ。

 

例えば「この会社の商品は、とりあえず無条件で買う!」という顧客を何人も抱えているところは、本当に強い。しかし逆となれば、本当に脆い

 

だから、次に新製品を出して、それを広報するとなったら、またドラッグのようなキャンペーンを打つことになる。以下、エンドレスだ。

 

実際超大企業サムスンも、トリッキーな「一部返金!」みたいなキャンペーンを打ち、家電をドカッと売った時期があるらしい。

 

ただ、「アパート暮らしの人はダメ」というルールでキャンペーン対象外の人を大量に生み、返金せず、結果訴訟沙汰まで行ったそうだ。ブランドも毀損されたろう。

 

短期のキャンペーンでも得られるものはあるが、得られないものも同時にある。そこのバランスを考えないと、会社は存続できないのだなと、強く思わされた。

 

―ということで今日はこの辺で。

 

 

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