昔から待つことが苦手だ。具体的には、待っている間に勝手に不安を膨らませ、勝手に消耗し、勝手にダメージを負っていくという癖がなかなか直らないのだ。
ただしこれは、例えば遅刻した友人を待っている場合の話ではなく、いわゆる仕事の連絡やLINEのメッセージに対するレスを待っている間の話である。
学生が、好きな人からの返信を待っているといった可愛げのあるケースだったらいいのだが、僕の場合おっさんが不安に苛まれているだけなので、要するに貧弱である。
ということでこういう、いわば「心理的持久戦」に対して、どう対処するのが丁度良いのか、ちょっと他の人の意見を参考にしたいなと、ふと思った。
今日はそれについてのメモ書きである。
なぜ待つことはストレスなのか?
待つことがストレスになるそもそもの理由は何か。読んでみて一番「確かに」と納得したのは、この説明である。
「不確実なもの」と「コントロールできないもの」という、2つの似たような感情の組み合わせなのだそうです。
誰もが知っている、歴史を変えるかもしれない(もしくはまったく変わらないかもしれない)ニュースを待っている時は、このような感情が不安をさらに駆り立てることになります。
なるほど。自分にコントロール不可能な対象について、人間は本能的に【不安】や【恐怖】を覚えるという話に、この指摘は深く結びついている。
相手が何を考えているか、なぜ返事をよこさないのか、その理由はどこまで想像を膨らませても、妄想でしかない。
そうやって妄想を考え続けても、いずれそれが解消するどころか、逆に際限なく膨らみ続けてしまう。まさに今自分が嵌っている図式そのものだ。
では、その理由を踏まえて、今後過度にメンタルを落ち込ませないためにできることはなんなのか。続いてはそれについて、更に色々調べたことをまとめてみよう。
他者の課題を切り捨てよ。
様々なコラムを読んでいると、具体的な対処策について共通点が見えた。乱暴に言えば、脳内問答を一定のところから先には絶対に進めない、というものだ。
事実としては「返事が来ていない」というだけの話なのに、「相手は俺のことを良く思っていないのではないか」といった妄想を添加するのは、意識的に止める。
将棋と違って、相手の次の一手を想定しようにも、ルールが無い以上完全に無限大の選択肢になってしまう。だからこそ、簡単に悲観的な妄想に突っ込みがちなのだ。
だから、こういう返信待ちのケースの場合は、考えるのを止める。スマホでゲームをするとかでもいいので、過度な集中状態を切ってしまうのだ。
今気付いたが、過去類似のケースにおいて、自分が想定した相手の行動候補A、B、C・・・という予測は、99%その通りになっていない。
しかし、そうやって予想を裏切られつつも、そのときの自分は都度「じゃ、この手で」というカードを冷静に切れていることにも気が付いた。
伝わる人にしか伝わらないのだが、これはいわゆる将棋や麻雀の待ちの段階というより、遊戯王といったカードゲームのスタンバイフェイズの心境に似ている。
カードや作戦の種類が超膨大である以上、予想し尽くそうと努力するのは基本的に無駄で、故に相手が”どう出ても”、自分のパターンに引きずり込むのが戦略となる。
もちろん、相手の使うカードからデッキの傾向を想像するように、相手の言動からその個性を推測するといった程度のことはできるが、それが限界なのだ。
その程度の解像度でも、別に切り返せる。自分には最低限度の能力が搭載されている。最終的にはそうやって、自分を信じたうえで鷹揚に構えるのが良さげである。
相手の腹の中は、どこまでいっても知ることはできない。そして別に、知る必要は無い。切られた手に対し、そのとき考えて、切り返せばいいのである。
つまり、トレーディングカードゲームをするかのごとく、こういうやりとりは考えた方が良いという話なのだと、今は勝手に納得している。
・・ということで、今日はこの辺で。