サイモン・シネック氏の「START WITH WHY」を読み始めて1週間チョイが経過した。サイモン・シン氏の著書に匹敵する読み易さで、サクサク進み気分がイイ。
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サクサク読めるということは、その内容がどんどん頭に入ってくるということだ。そういう本に出会えると、テンションは上がる。
ネタバレのような気がしているので、TEDの講演はまだ観ていない。まぁ、読み切ったらちゃんと目を通すけど。
ってことでとりあえず、本編の方を進めていくことにしましょうかねー。
- 2月5日(月) 購買行動促進によって得られないもの
- 2月6日(火) 「幻想なのだ」
- 2月8日(水) 黄金比
- 2月9日(木) WHYがあり、HOWが生まれ、WHATとなる。
- 2月10日(金) WHY VS WHAT。
- 2月11日(土) コモディティという泥沼
- 2月12日(日) 「良い」を超越する
2月5日(月) 購買行動促進によって得られないもの
「どこよりもお安く!」「今だけ50%OFF!」といった売り文句によって、消費者を購買行動へ促すことはできるかもしれない。
しかし、結局は売り手と買い手、つまり一度の取引で消える関係になることが大半である。カラクリだけなら指名手配犯に懸賞金を掛けるのと同じなのだ。
リピーターを得ない限り、新規顧客を延々と探すような自転車操業は免れない。サブスクリプション型の関係性を如何に築けるか?それが今の世においても課題なのだ。
そして気付けば膨大な種類の商品ばかりが市場に溢れ、「つまり買え」と迫る広告も目に入るようになり、選択と決断が大量発生し、日々のストレスが増す。
面白い指摘だと思ったが、今の世では、食い物が悪い、飲み物が悪いといったことでは病気にならず、ストレスそのものが、結局一番病を引き起こすようだ。
高血圧も心臓病も、大抵の根っこは「ストレス」による食べ過ぎや過度な飲酒に落ち着くと言われれば、確かにそうかもなと思わされる。
「サブスクリプション型の関係を如何にして顧客と築いていくか?」―ここは今後の自分の課題だとも感じている。
2月6日(火) 「幻想なのだ」
購買意欲を刺激するやり方で消費者を操作するやり方は、厄介な側面がある。それは、きちんと機能することと、あまりにも普遍的であることだ。
狙った成果を得られるから、誤っているなんて発想が出てこないし、そして普遍的であるからこそ、自分が操作されていることにも気付きづらい。
そうやって短期の成果を延々と積み重ねた結果、最悪のシナリオの筆頭である「リーマン・ショック」に繋がったという側面もある。
だからこそ、別の観点から見つめ直すべきだ―。というところで、第一章が終わった。いよいよ明日からは第二章、WHYの話が始まりそうである。
本編開始、ってとこですな。ちゃんと勉強しようっと。
2月8日(水) 黄金比
Golden Circle model: Sinek's theory value proposition : start with why
いよいよこの本の根幹たるテーマに入ってきた。美術や数学における「黄金比」のように、他者をインスパイアする個人・組織の考え方にも、理想的な比があるという。
それが上記の「ゴールデンサークル」である。これが何を表わしているかだが、外から中へ行くか、中から外へ行くかで、企業・個人の性質が変わるということだ。
まず、ほぼすべての企業は外から中へ考えるという。「新しい車です(what)。お安くします(how)。そろそろ買い替えどきでは?(why)おひとついかが?」という風に。
しかし、アップルやハーレーダビッドソンのような、コアなファンを多数抱える代替不可能な企業は、内から外へ考えた結果だと指摘されていた。
・・ただその話が結構ボリューミーで、一旦集中が切れてしまったので、それは明日以降読んでいくこととしよう。でも、心が躍る展開になってきたぞ!
2月9日(木) WHYがあり、HOWが生まれ、WHATとなる。
内から外へ考えるとは、まず企業理念のようなもの、つまり「なぜ自分たちは会社として存在するか」という部分をしっかり考え抜くことが始まりだという。
すると、問いが進む。「その理念を達成するには、どういう手段が必要か?」という風に。そこまで考えれば、後は具体的な、「何をしていこう?」に変わる。
いわば商品とは上澄みであり、そこだけコピーしても意味は無い。商品が偉大な企業かそうじゃないのかを分かつのではなく、理念がそうするのだ。
僕が今から引き継ぐ校舎、そして今後立ち上げようとする塾の、核になり得る理念とは何なのか。1日2日で出てくるわけは無いが、やはり、折に触れて考えよう。
2月10日(金) WHY VS WHAT。
高い技術力を持って、アーリームーバーとして市場を開拓したのは、別にAppleだけではない。しかしなぜ、先駆者たちは撤退し、Appleは市場を席巻しているのか。
その理由は、取り扱うものがWHY、つまり企業の哲学から始まってできた商品なのか、WHAT、つまりただの商品として作っただけの品物なのかにあるようだ。
確かに、5GBの大容量でmp3を持ち運べまーす、と言われるより、1000曲をポケットに、と言われる方がなんか心惹かれるのと同じだ。伝えたいことは同じなのだが。
「なぜ?」に当たる部分にまでしっかりと意識を向けられているか。既存の商品のブラッシュアップだけじゃなく、新商品の開発にも繋がり得る、問いの起点だと思う。
2月11日(土) コモディティという泥沼
哲学なき企業がなぜ危ないのか。それは、顧客がそれを手に取る理由が、単に「安い」とか「良い」といったものに限定されがちだから、というのがある。
つまり「安ければいい」のであって、あなたの会社の商品が「良い」わけではない。そういう顧客層を相手にすることは、ゆくゆくは泥沼に嵌り得る怖すぎる罠となる。
もちろん、商品そのものの力を高めるため、性能を向上させつつも価格を下げるという努力は大切だし、何より尊い。しかし行きついた先が、血みどろの海だとしたら?
昨今日本でも、「プレミア戦略」や「コミュニティ設計」が大切だと認知され始めてきている。しかしまだまだ日が浅いため、誰もがまだ手探りだ。
Appleやハーレーダビッドソン、フェラーリは、とても強い”ファン”に支えられている。まずWHYから始めよ。どんどん自分に宿題が課されるのを感じる。
2月12日(日) 「良い」を超越する
機能だけなら、どの商品にも上には上がいる。しかしファンにとって大事なのは、商品としての力もそうだが、そのブランドが持つ哲学である。
例えば僕は、よくキャンプに行く。そのためグッズをたまに買うのだが、そこまで執着がない小道具は別として、商品の機能より、やはりメーカーの哲学に心惹かれる。
そういう状況になると、他の人から「え、もうちょい安く、良いのがあるよ」といわれても、本当に興味が湧かない。「いや、俺は、これが好きなんだから」という風に。
少しずつ、「WHYから始めよ」という問いの理由・起点が見えてきたように思える。サイモン・シネック氏の哲学が、いよいよ始まるということだろうか。
―ということで今日はこの辺で。