精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

【英文読書ルーティン日記122】"START WITH WHY"読書感想ブログⅪ ~達成はできるが、成功はできない~

理念。大事だということは何となくわかるが、つまりそれは何なのか。例えば就活生の頃とかだと、一瞬たりとも考えたことのないテーマである。

 

本書を通じ、その巨大にして難解な、それでいて曖昧なことについて、自分なりに思索が深まっているのは、すごく有意義なことだと感じている。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

いよいよ終章付近まで読み進めてきた。これを読み終わる頃には、1つ大きな収穫として、言語化された僕なりの理念は欲しいなと、つくづく思う。

 

では今週も読んでいこう。

 

 

4月10日(月) 崩壊はいつも内側から始まる。

 

先週の記事で書いたウォルマートだが、会社規模そのものは全米一のままらしい。しかし、創業者が作り上げた理念は崩壊し、皮肉な内情になっているそうである。

 

従業員第一を掲げた初期、そして給与未払いなどの訴訟を抱えている今。その点を指摘したうえで、著者はこう書いていた。

 

「崩壊はいつだって内側から始まる。敵とは競合他社ではなく、自分自身である」

 

・・人によって選ぶ言葉は違うが、確かに自分の身の回りを見失うと組織はバラバラになるというのは、どの経営者の本を読んでも書いてある話だ。

 

これはつまり、共通する失敗法則なのではないか。内情に敏感でない人は、いずれ組織を必ず潰すのではないか。自分からサッと血の気が引くのを感じた。

 

斎藤一人氏は、新規顧客と常連の比率は2:8くらいがちょうどいいと説く。その言わんとするところは、これに通じるのではないだろうか。

 

崩壊はいつも内側から始まる。なんと身が引き締まる言葉だろう。

 

4月11日(火) 成功者の孤独の正体。

お金持ちの定義は難しい。僕自身は年収1000万円を超えたら、身長が180㎝を超えたら高身長とされるのと同じで、お金持ちにカテゴライズしていいように感じている。

 

確かに1年くらいそのレベルで稼いでみたいなとは思うけれど、なかなかその夢は儚いし、実を言うとモチベも無いので、達成できる気は露ほどもしていない。

 

―それすら飛び越えて、億万長者とされる人ばかりが集う会合が、アメリカに存在するという。成功体験を口々に語るような会なのかと思ったら、そうではないようだ。

 

全員、今すぐリタイアしても一生使いきれない程の資産を有する人たちばかりなのに、どこか孤独というか、寂しさ、違和感を、ずっと抱えているのだという。

 

創業時に抱えていたギラギラしたWHY。皆が皆、それを見失っているのが原因らしいのだ。

 

その会合を通じ、同じ視座を持つ人たちで、改めて自分の情熱の源泉を語り合う。感極まって、涙する人も少なくないという。

 

成功者の孤独の正体。それは自分の原点が見えなくなっていることなのかもしれない。それくらい駆け抜けた先に待っているのが、成功というヤツなのだろうか。

 

また一つ、成功ってヤツが遠くに感じられたエピソードであった。

 

4月12日(水) 達成と成功の違い。

 

達成と成功の違いは何だろうか。一見すると全く同じことを別々の言葉で説明しているようにしか思わないが、実は結構大きな違いがあるという。

 

それは、達成は”する”ものであり、成功は"いる"ものであるということだ。前者はdoで、後者はbeということになる。

 

達成は、明確に可能だ。この期日までにこれを成し遂げれば達成、そう言えるためだ。しかし成功とは、抽象的で、何をもって成されたかを定量化するのは困難と言える。

 

面白いのだが、この期日までにこれを成し遂げれば成功!と言う場合は、それはつまり目標の達成になるので、言葉の用法として少しずれるという話になる。

 

成功とは現状の満足ということだろうか。というかふと思ったが、成功者とされる人をそう呼んでいるのは外野の人が多く、本人はそう思っていないことも多い

 

成功なんてアバウトな何かより、目標をいっぱい作ってゲームみたいにダダダダと達成していく方が、楽しそうな人生だと少し思った。

 

4月13日(木) 情熱は天使か悪魔か。

 

起業する人は大抵、情熱を持っている。情熱が無ければ、絶対に成功はあり得ないと言っても過言ではない。それくらい大事な要素には違いない。

 

だが情熱は、それだけだと組織を空中分解させるだけだ。起爆剤にはなるが、接着剤にはならない。

 

しっかりと夢を現実にするための仕組み、制度、ひっくるめればシステムが必要となる。ここをおざなりにすると、単純に人が燃え尽きてしまうだろう。

 

しかし、情熱無きシステムは、手段の目的化にほかならず、結局これまた組織を潰すことになる。なんとデリケートな話だろうか。

 

情熱とシステム。静と動という相反する性質を兼ね備えるか、自分と反対の性格を持つ人と組むか。ちなみに僕は、動の人と組むのがベターだと、自分事として考えている。

 

4月14日(金) WHYとWHATが入れ替わるとき。

 

WHYとWHATが入れ替わると、仕事を生むために働き続け、結果自分はうまく行っている、貢献できているという体感が乏しくなり、心を病んでいく・・。

 

そんな怖い話が書かれていた。それについて、「手段の目的化」という言葉が、邦訳としてしっくりくるのではないかと、僕は解釈している。

 

本来は何か成し遂げたいことがあるから、その途上として目標を設定し、そのための手段を考えていくものだと思う。

 

だがいつの間にか、その手段が目的にすり替わり、穴を掘っては埋めるような状況に陥る、と。

 

メタルスライムを狩り続けることが、いつの間にか目的になるようなものだろうか。その最中、魔王や世界のことは頭に無いのと似ている。

 

今自分が正義と考えて取り組んでいるのは、手段なのか、それとも目標なのか。折に触れて自問自答したいと思った。

 

4月15日(土) 末路

 

AOLというサービスがある。「America OnLine」という企業名の略語であり、一時期その隆盛は凄まじいものがあったのだという。

ja.wikipedia.org

 

それこそ、理念の徹底度、文化の熱さ、企業規模諸々はMicrosoftに引けを取らないレベルで整っていたという。

 

しかし本書で指摘されていた通り、会社が大きくなれば、それは理念の希薄化とWHATの目的化というリスクを孕み、そしてこの会社もその例外ではなかったそうだ。

 

ITバブルの崩壊と同時に会社も終焉を迎え、今は一時期の隆盛と比べれば見る影もなく落ちぶれている。

 

サイバーエージェントオンデーズの例をみていると、一度叩き落されてからの奮起により、理念を通り越して文化になるというフェーズを踏んでいる気がする。

 

そこを乗り越えるために必要なのは、単に事前準備なのか、並外れた経営者の胆力なのか。巨大企業を扱うことなど無いだろうに、そんなことを少し考えている。

 

4月16日(日) 評価基準の意味

 

どの会社にも査定項目というものがあると思う。余程意味不明なものでない限り、大抵は何かしらのロジックがあって、その項目は決まっているはずだ。

 

例えば、顧客第一を理念に掲げるのであれば、純粋な売り上げももちろんだが、顧客からいくつ感謝のコメントを貰えたか、という方を評価基準にした方が正確だろう。

 

ここ部分もWHYの言語化に繋がってくるのだが、自分が望む人を集めるには、自分が望む人が評価される仕組みが必要という見方もできる。これは少し、目から鱗だった。

 

僕はあらゆることが共有された状態が、一つの理想だと考えている。であれば、例えばご家庭といくつ面談をしたか、日報を何枚書いたかが、大事になると思えてくる。

 

僕が望む文化に適応するとは、どういうことなのだろうか。また一つ、面白い考え事のテーマができた瞬間であった。

 

―ということで今日はこの辺で。

 

 

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