かつて社員研修の場で、僕はこう宣言したことがある。「僕はマンネリズムが嫌いです」と。今思えば、すごく青臭くて恥ずかしい。厨二病だなぁと思う。
なぜか。それは、僕の生活は大体、マンネリズムで構成されているからだ。カッコよく言えばルーティンワークだが、つまり変化に、起伏に、あまりにも乏しい。
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そんな僕なので、口では変化を歓迎するようなことを言ったとて、ひとたびチーズの迷路に放り込まれれば、小人の片割れよろしく不運を嘆き、行動を否定するだろう。
そして、変化を拒否するという決断をした僕は、その後の未来にもっと苦しい思いをしている僕から、苛烈に否定されている場面が透けて見える。そんな風に思う。
僕は変わらない日々を愛しく思っている。それは否定しない。では、禅問答みたいに考えれば、変化を当たり前にしてしまえば、変わることを日常にできるのではないか。
自分でも何言ってんだと思う帰結だが、そう思うに至った契機であるこの本を、今週もガッツリと進めていくことにしよう。
- 7月8日(月) 変わらないなら、さようなら。
- 7月9日(火) 諸行無常。
- 7月10日(水) 万物流転。
- 7月11日(木) 「チーズはどこに消えた?」
- 7月12日(金) DOROBUNE
- 7月13日(土) 意を決して・・
- 7月14日(日) 【暗号解読】
7月8日(月) 変わらないなら、さようなら。
変化に対して何かしらのアプローチが要るのは当然だが、課題はそれだけではない。必ず登場する、変化を拒む仲間をどうするか。ここはやはり、根深い問題だろう。
ドライなことをいえば、変革しなければそこが潰えるというのなら、四の五の言わず【変える】のが正解だ。
そのため、「嫌ならさよなら」というくらい割り切った対応が、長には求められると言っても過言ではない。
説明責任は果たす。しかしそれでも「変わりたくない」と食いつかれたら、突き放す。僕はどっち側だろうか。考えるとどうしても、気持ちがぐらつく感覚がある。
7月9日(火) 諸行無常。
変化を受け入れようといった感じの提言を聞くたびに、「諸行無常」という考えを、僕はどうしても思い出す。
「変化は辛い、だが積極的にそのリスクを取っていこう!」という熱血な考えも悪くはないが、どうも僕には食傷ものだ。
しかしながら、仏教哲学は、そこまで熱血な感じではない。「あなたもあなたを取り巻く環境も、絶えず変化している。不変なものはないんだよ。それを思い出そう」
こんな感じだ。そしてこれくらいニュートラルな温度の教えの方が、僕は世界や自分を観察しながら、「やっぱ、変化は要るよね」と達観できる気がしている。
気付けば盛夏だ。僕も腹が出やすくなった。免許更新の通知が届いた。鏡を見るたびに白髪を見つける。
万物は流転する。変わらない方が異常なんだということを、改めて意識し直そう。
7月10日(水) 万物流転。
「変化の先には、チーズが待っている」という前向きな締めくくりをすごく気に入った。
変化に乗り出すと、ネガティブな面ばかりが誇張されるが、それは裏のない紙を想像するのと同じくらい矛盾している。
必ず成果はある。あとはその程度と、こちらが諦めないという意思を固めることが、とにかく大切となる。
自分のメタは、ときに大きな嘘をつく。経験や他者の声を意識的に拾うようにしないと、御せないところだなと思わされる。
7月11日(木) 「チーズはどこに消えた?」
過去最速ではあるのだが、今回の洋書はほぼ最後まで読みきってしまった。
会社経営、スポーツチームのコーチ、様々な実例を通じた応用例と葛藤を読んできたが、最後の方の一文にはすごく考えさせられた。
「変化は起こせる。そう願う人達が閾値を超えたらね」と。刹那、あらゆる本の教えがまたしてもひとつにまとまっていく。
「まずはバスに乗せる人を決める」「すぐに行動できる人であれ」等々……
一人で起こせるほどイノベーションは甘くない。やっぱりそうなんだなと、改めて諦めさせられた。
7月12日(金) DOROBUNE
変化を拒否し、家に閉じ籠る小人のその後が、いわば本書のエピローグ(後日譚)のようだった。
彼はその後も猜疑心にまみれ、自分以外の環境が自分に課した不幸や理不尽を呪い、空っぽになった部屋でひたすら拗ねていた。
片割れはなぜ自分を裏切ったのか?なぜ自分ばかりこんな不幸な目に遭うのか?ただただ、そう思うばかり。
いつか必ず、「あの頃に戻るはずだ」という彼が無条件に信じている夢。その青さに少しイラつく気持ちを僕は抱くが、同時に共感する気持ちも、そこには内包されている。
7月13日(土) 意を決して・・
小人の片割れは、遂に意を決した。長年使っていなかったスポーツシューズを取り出し、ハンマーといった道具をカバンに詰めて、背負い、家を出る。
「変わらなければ、死ぬだけだ」「全ては自分自身に責任がある」といった意気込みをメモに残し、彼は覚悟を胸に、飛び出した。
その先に待つのは、なんなのか。実は続編があるらしいのだが、既に別の本を買ってしまったので、それは後のお楽しみに取っておこうと思う。
7月14日(日) 【暗号解読】
次の洋書は、邦題『暗号解読』のこの本にした。Simon Singh氏の著書の一つで、なんかこれがやたらリコメンドされるので、根負けする形で選んでみた。
実は日本語で書かれたこれは、大体10年前に読んだことがあるのだが、そのときは数学の素養がうんこ過ぎて、6割程度しか腹落ち感を得られなかった過去がある。
今回、原著を読むことで、その何かが変わるのだろうか。英語で読めば、多少は読み易さが変わるのだろうか。そんな淡い期待を持ちながら、長編をコツコツ、読んでいく。
では今週はこの辺で。