今日は少し専門的な話になるが、「労働基準法を死守すると中小企業は多分潰れる」という話をしてみようと思う。
ただし、これから話す内容は、今の時代のトレンドに真っ向から逆行するもので、あまり強く主張できない点もある。そこはご了承いただきたし。
そしてもう一つ念押しをすると、僕自体雇われの身なので、経営者が言ってはいけないことを言っているわけでもないと申し添えておく。
では以下、本題だ。
労働における”強者のルール”のダークサイド。
公民の授業でも習う話だが、労働基準法には週の労働時間や休憩時間の取り方が、事細かに、そしてしっかりと定められている。
例えば休憩時間中に顧客対応が必要な場合、それは休憩時間にカウントされないということも載せられているそうだ。これは知らなかったのだが、すごくいい話だと思う。
さらに、有給休暇は年間で必ず取得する必要があり、それを取らせるのは企業の義務だといったことも書かれている。
ここまで徹底的に「守られている」感じがする法律だったとは知らなかったが、なるほどこれ自体、とても立派なことだと思う。
しかし僕は、どこか他人事のように感じてしまう。これらはとても生産性が高い有能な人材が、体力のある企業において享受できる特権なのではないかと思うのだ。
特に、経営に余裕がない中小企業の従業員が、これを錦の御旗に会社へ詰め寄ると、それを忠実に守ることが現実的に可能なのか、かなり眉唾に思えてくる。
一方大企業であれば、システムやマニュアルが整っているので問題はないだろう。そして労働基準法はどうしても、強者の定めたルールというにおいがプンプンする。
僕自身、労働条件における休憩時間や有給の消化数などは全く気にしていないし、更に言えば気にしている余裕もない。
仮にこれらを全部フルで取ろうとするなら、今の店は立ち行かなくなる未来が見える。それは僕の能力が単に不十分だからということなのだが、それが現実っちゃ現実だ。
とはいえ、独立起業を果たした人に対しても、特にその人が立ち上げ時点で悪戦苦闘している際に、同じことを言えるだろうか?
もし創業メンバーにそれを言われたら、「じゃあ、ついてくるな」という話になってしまうだろうし、まず会社を安定させるためには、全てを投げ打つ努力が要るのだ。
やはり、最初の難関の時期や、少人数で回しているゆとりのない状況において、労働者の権利を強く主張しすぎると、システムが破綻する可能性が高まるのは否めない。
だからこそ、労働者の権利を重要視する人は、最初から中小企業ではなく、大企業を目指すべきだと僕は思う。始めから黒い会社はどうかと思うが、それを差し引いてもだ。
ついでに言うと、僕自身は自分の価値観として、積極的に休みを取る必要も感じていないし、退屈な時間が嫌いなので、そもそも有休という制度に魅力を感じていない。
基本的には、自分の意思でやるべきことをこなしているので、精神的に追い詰められているわけではない。だから歪んでいるという認識も、実は無かったりする。
ここに書いたアレコレは「ブラック企業反対」などの流れに逆行するものだが、これが中小の身も蓋も無い現実だと思う。
これはこれで、一つの思いっちゃ思いだ。無駄に内々に溜め込んで腐らせるくらいならということで、ここに吐き出しておく次第である。
では今日はこの辺で。