精神年齢9歳講師のブログ

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【英文読書ルーティン日記194】"The Code Book"読書感想ブログⅨ ~暗号と闘争~

僕は何故か、「暗号」と言われると、中世の雰囲気・世界大戦・スタジオジブリといった言葉が頭に連想されてくる。

 

その理由は何故か少し考えて、すぐに気が付いた。天空の城ラピュタだ。この作品には、モールス信号も、暗号解読の場面も、実は登場している。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

それはフィクションだからというのもあるだろうが、実際暗号を用いる局面は、古くは戦時中特に多かったそうだ。だから連想として間違ってはいない。

 

そして本書も遂に戦争の話に突入した。一気に激動というムードであり、読むペースも高まっている。そんな今週の話、以下本題だ。

 

 

9月9日(月) 中間管理職みたいな。

 

ドイツの暗号はすぐに傍受され、驚くべきことに、イギリスの暗号解読チームによって、一部ではあるがすぐさま復号に至ったという。

 

完全に解読できたわけでこそ無いのだが、アメリカといった具体的な国名が出てきた手前、どう扱うかには手をこまねいたという。

 

例えばアメリカにそれを伝えることは同時に、ドイツには暗号が破られたことを伝えてしまい、更に厄介なそれを作る機運を高めてしまう

 

水面下ではこういうところまで考え抜かれたうえで陰謀は動くということに、なかなか驚きを禁じ得ない。

 

9月10日(火) 超大国、目覚める・・?

 

イギリスは一計を案じた。ドイツの暗号はいくつかの地点を経由し、復号された状態でメキシコに辿り着いたとわかったのだ。

 

その復号されたものを暴き、公開すれば、ドイツは恐らく、暗号が「破られた」とは思わず、「盗まれた」と思うだろう。

 

その作戦は功を奏し、イギリスが解読したと気取られることなく、新聞で大々的に公開することに成功する。

 

当初アメリカは法螺だとして取り合わない姿勢であったが、ドイツ側がそれを「正しい」と認めたことで、局面は変わり行くこととなるのだった。

 

9月11日(水) 「戦争は終わった」



 

長き沈黙を破り、遂にアメリカは第一次世界大戦への参入を決定した。その後の展開は教科書の通りなので、割愛する。

 

暗号1つで人命が左右された時代から、暗号1つで国家の存亡や戦争の大局が揺らぐ時代へと突入する。

 

第一次世界大戦のイメージは、正直塹壕戦とサラエボ事件紅の豚しか無かったが、そこに暗号という部分も新しくくっついて、学びになったと思う。

 

そしていよいよ敗戦を経験したドイツには、次こその勝利のため、さらなる暗号の立案に漕ぎ出す時期が訪れたのであった。

 

9月12日(木) 生死を分かつ、いたちごっこ

 

暗号解読者がまたしても暗号作成者を出し抜く結果になったのが、第一次世界大戦だった。これはある種の運命なのだろうか?

 

ビール暗号のような例外はさておき、暗号には必ず堅牢さを保証する部分にこそ脆弱性を抱えているという矛盾があった。

 

そこを突けば、隠されているものは読めてくる。その際強い武器になったのが、推論と推察だったと、先に触れた。

 

このある意味最強の武器と、暗号が持つ致命的弱点に、どう立ち向かっていくのか。次世代の暗号作成者に残された宿題は、あまりにも理不尽に重いものだと思わされる

 

9月13日(金) 最強への回顧。

 

新たな暗号は、バベッジによる解読法の穴を無くすことで誕生したとされる。秘匿のルールで置換することによって、それは行われる。そこは同じだ。

 

しかしそのルールに、一切のヒントを与えない。例えば鍵自体がランダムな文字列、という風にだ。

 

シンプルではあるし、子供でも思い付きそうな戦略だが、これがなかなか強固で、同時に実装が困難だったらしいのだ。

 

それが運営可能になったということは、ある技術の登場が仄めかされる。楽しみな話になってきたと思う。

 

9月14日(土) 最強の叡智。

「現存最古の電子計算機」が復活へ、画像で紹介 | WIRED.jp

 

堅牢さに振り切るなら、一回切りかつランダムな配列の鍵を持つ暗号を開発することが理に適っていた。

 

しかしそこには大きな課題がある。それはとにかく作成に手間が掛かること、そしてその鍵を届ける度に奪取のリスクが伴うことだった。

 

それ以外の暗号が悉く打ち破られてきた手前、今更回帰することはできない。頭を抱えた暗号作成者の前に、そんなとき、ある救世主が登場した。

 

それはまさに最新技術ことコンピューターだ。暗号作成者は紙とペンを手放し、新たな技術の作成と習熟に漕ぎ出すのであった。

 

9月15日(日) 暗号作成マシン。

 

暗号を機械的に作成する。その術は、実は十五世紀には既に開発されていた技術だという。

 

独立して回転する大小2つの円盤を組み合わせただけのそれは、ある種の置き換え暗号の走りのようなものだという。

 

当時の技術力ではそれが限界で、ゆえに「だからなにさ?」とでも言いたくなるほど簡明で、実用性もさほどない代物だった。

 

しかしそれが約500年の時を経ると、歴史に名高いある機械の開発に繋がっていく。だから歴史は面白いと、つくづく思わされる。

 

では今週はこの辺で。

 

 

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