精神年齢9歳講師のブログ

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【英文読書ルーティン日記199】"The Code Book"読書感想ブログ14 ~忘れられた英雄たち~

たまたまだが、今、メタルギアソリッド4の小説を読み返している。戦争・軍事に伴うあまりにも重厚な物語。プレイ動画を知らないと、ついていけないと思っていた。

 

しかし今、それと並行してこの”The Code Book”を読むことで、相互補完的というか、両方の理解度が高まっているのを感じるのだ。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

これはメタルギアでも出てきていた言葉だな。これは暗号解読で説明されていた話だな。そして僕の中の知識が網目状に繋がっていく。

 

学びにおいて、知識のネットワークが作られていく瞬間ほど心が躍る時間はない。本当に嬉しく思う。だから今週も、前置きはこれくらいにして、さっさと読んでいこう。

 

 

10月14日(月) 策に溺れない策士こそ最強か。

 

イギリスは解読できた文言の取り扱いに、かなり気を配るよう周知徹底を重ねていた。

 

暗号がバレたとわかった際、ドイツが採る手段は一つだからだ。すなわち、エニグマの強化である

 

本当に対応不可能な性能に上げられないために、解読したとしか思えない軍事作戦を控えつつ、戦局を観察する。

 

考えすぎて策士策に溺れる、ということにならないのかと、変に不安になってしまった。

 

10月15日(火) 全てを知る者。

www.britannica.com

 

本書に出てくるまで気付いていなかったのだが、ドイツが暗号を傍受されているということは、その同盟国であるイタリアも日本も同じくそうされているということだ。

 

そしてその内容は解読・把握され、軍事作戦に都度応用されていたという。その中枢を担ったのが、連合国が組織した「ウルトラ」という諜報機関だったそうだ。

 

しかしながら、本書では「名も無き解読者」と紹介されていることから、その功績は残れど、それが誰に帰するかという部分は完全に謎のままになっているそうだ。

 

全てを知るものが誰にも知られていないとはすごい皮肉だと思うが、だからこそ、どこか創られたストーリー以上の面白さをそこに湛えていると僕は感じる。

 

10月16日(水) ウルトラの力。

 

諜報機関ウルトラの活躍によって何が起きたか。それは地球全てにとってプラスになることをした、といっても差し支えがない規模となる。

 

実際、暗号解読を繰り返し、好戦的な国を何度も倒すことによって、戦争自体が大幅に短縮されたのだ。

 

もし暗号解読チームがあれほど発達していなかったら、終戦記念日は1948年だったかもしれない、という試算もある。

 

3年もあれば、一体何が破壊され、どれほどの命が失われていただろうか。考えるだけでも恐ろしい。

 

10月17日(木) 見つけられた功績。

 

ウルトラは終戦後に解散したが、そこに属していた人達には厳しい戒厳令が敷かれた。自分が何をしていたかは当然、自分がそこにいたことも秘匿せよ、というものだ。

 

エニグマの解読に寄与したボンブも次々と解体され、平和の名の下に、それらは徹底して隠されてしまった。

 

戦争中に「なにもしていなかった」という汚名を着せられた人も多かったという。何とも世知辛い話だ。

 

しかし彼らの功績は、それからしばらく経って発売された、ある種の暴露本で明かされることになる。

 

だから今、僕らはそれを知れている。暴露という行為には、光と闇があるように思えるエピソードである。

 

10月18日(金) 届かなかった功績。

 

とはいえ、再評価が遅すぎた人もいた。最たる例は、アラン・チューリングその人だろう。彼は功績が判明する前に、いわば汚名を着た状態で、悲劇的な自死を遂げたのだ。

 

当時、イギリスではホモセクシュアルは犯罪であった。今の世の中であれば信じられない話だが、病気だから治療を命ずる、という判決が出る類のものであった。

 

それによって打ちひしがれたチューリングは、かつて彼を虜にした「毒リンゴ」を自作し、それによって永遠の眠りを自分に与えたのだ。

 

シアン化合物に浸されたリンゴ。それを齧る際、彼は一体何を思い、そしてどんな感情を抱いたまま、逝ったのだろうか。今となっては知る由もない。

 

10月19日(土) 暗号が破られたら失われるモノ。

山本五十六 - Wikipedia

 

暗号解読の手は、日本のそれにも、もちろん及んでいたそうだ。ミッドウェー海戦で日本が大敗したことから戦局が変わったという話は歴史でも習うことだと思う。

 

だがその背景として、日本側の狙いも陣形も、傍受されて筒抜けだったというのを聞くと、何ともいえない気分になる。

 

山本五十六という日本側のトップが乗った飛行機のルートもバレていたらしく、だからこそあの人は撃墜されて散ったのだ。

 

秘密を守れなかった暗号は、用意に運命を変えさせてしまう。両刃の剣の、最たる例だと感じている。

 

10月20日(日) 暗号は万能にあらず。

 

秘匿性を高めれば高めるほど、犠牲になるものがある。それはスピードだ。この特性は、指揮官の頭痛の種だったという。

 

例えば目まぐるしく戦局が変わる局所戦においては、如何に朝令暮改で作戦を更新していけるかが要となる。

 

しかしエニグマレベルの暗号を作成し、伝達し、複合するというプロセスを経由させると、これはどうしても1日仕事になる。

 

それらの折衷案として、なにが考えられるか。そのアイデアは、意外なところから立ち上るのであった。

 

では今週はこの辺で。

 

 

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