繁忙期だ。前も書いたが、最近フル休みなど望むべくもない程の小忙しさにずっと見舞われている。だが本来こういう時こそ、時間の使い方を見直すべきタイミングだろう。
なぜなら、こういった状況になると、「時間がない」という思い込みばかりが強まってしまい、そのバイアスで実際に時間を無駄にする行動を取ることが増えるためだ。
たとえば、本来は今やらなくてもよい仕事の優先順位がバグったり、作業時間の見積もりを大きく間違えてテンパったりするあの感じだ。
そして実際に、自分の行動を振り返ると、時間がないと感じる時期ほど、その感覚が大きく狂う感覚がある。
本来1時間で終わる作業を3時間かかると錯覚し、「今日は時間が取れないから無理だ、休日に出よう」と諦めてしまうことが、日常茶飯事になるように。
あるいは、現実にはそこまで急ぎでない仕事を「今すぐ終わらせなければ」と思い込んでテンパってしまうことがあるように。
てことで今日は、そんな不健全極まりないバイアスから上手く距離を取ることを狙いとして、己の時間の使い方を冷静に振り返ってみたいと思う。
「人間はそもそも見積もりが下手だ」
この時間感覚の摩訶不思議さには、人間の持つ特性が関係しているようだ。人間はそもそも大多数が、圧倒的に見積もりが下手なのだという。
計画を立てて順序良く物事に取り組める人は稀にいるが、つまり稀なのだ。才能がある一部がなんとなくできるのがそれならば、一般人には別途訓練がマストとなる。
しかも厄介な特性として、時間の使い方が改善されないままでは、余裕が無い状況はまず間違いなく将来も変わらない、というのがある。
実際、僕も昇進すれば時間に余裕が生まれると思っていたが、現状はむしろ1.5倍忙しくなっている。これが判っていたなら、僕は昇進を選ばなかったかもしれない。
このことからも、時間管理は立場や状況に左右されるものではなく、日々の意識と行動に左右されるのだと痛感している。
ではどうするか。さっきも書いたが、僕に必要なのは才能に依らない訓練と意識付けだ。忙しいときほど冷静にタスクを見極め、やるべきことを整理する必要がある。
例えば、その作業が「本当に今日終わらせなければならないものなのか」を考えたり、人に任せるべきタスクを分けたりすること。これができれば、どれほど楽か。
そう思っていたが、むしろこのプロセスは大学の講義で言えば「必修」であり、落第しっぱなしだと、社会において永遠に「要領が悪いやつ」と烙印を押されるだろう。
また、僕が好きな『パーキンソンの法則』が説くように、仕事は与えられた時間に応じて、無限に膨らむ特性を持つと思っている。
これは本来20分で終わる作業であっても、45分の時間枠を与えられると、45分かかってしまうという面白いバイアス(かつ人間の性質)である。
そういう法則があるのなら、それこそ堀江貴文さんが述べている「仕事を早く終わらせるコツは制限時間を短くすること」という意見も、非常に納得がいく。
まずそうすることで余計なことをする暇が無くなる。それを削っても終わらないのなら、他人を頼ろうという発想が生まれてくる。結果、時間に余裕が生まれるのだ。
結局のところ、時間管理は現在の自分の状況を正確に把握し、タスクを適切に振り分けるスキルのことを指すのだろう。そしてこれは、訓練で矯正が可能だ。
睡眠時間を削るなどして無理に時間を増やそうとするよりも、まずは目の前の時間をどう無駄なく使い切るかが優先されるべきだと感じる。
忙しい日々の中でこそ、このような俯瞰的な視点を持つことが、将来の時間の使い方を大きく左右するのだとやっぱり感じている。
今後もこのテーマについてはじっくりと考えを深めていきたいと思う。では今日はこの辺で。