僕は物理自体は嫌いではない。空想科学読本や、物理エンジンを用いたバーチャル実験を行うYouTuberを、心底楽しいと思えるからだ。
だが、好きというだけでは理解には至らないという冷厳な事実も同時に学ばされる。高校の頃、僕はなぜg=9.8なのかが納得できず、そこで詰んでしまった程なのだ。
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もっとそんな子細に拘らず、柔軟に、遊ぶように、数式や物理を親しめばよかったと思うところはある。そうなれば僕は理系に進学していただろう。人生も変わりそうだ。
―そんなIFを語っても仕方ないのだが、量子力学の奇天烈さに触れると、”そんな未来もあり得た”ということが、現実味をもって考えさせられる。
既存の常識をことごとくかわすような理論のオンパレード。今週は少しは僕の理解が及ぶことを願いながら、ページを進めていく。
- 1月20日(月) 空中戦終わり。
- 1月21日(火) 求ム、具現化ヲ果タセル者。
- 1月22日(水) 完全勝利宣言…?
- 1月23日(木) 暗号を偏愛する者よ。
- 1月24日(金) 英検でもTOEICでも磨けない部分。
- 1月25日(土) The huge cube under my cognition
- 1月26日(日) 本書のまとめ1。
1月20日(月) 空中戦終わり。

フォトン暗号の話はほとんどなにも分からなかったが、RSAと同じく、なんやかんやあって、つまり課題は解決できたというのは分かった。
しかしこれまたRSA暗号と同じなのだが、理論が先行しただけで、安価で実現可能な技術がまだ登場していないのだ。
論文の著者たちは、自分達が理解されたことを安堵していたが、それが何よりのことらしい。
理解できなかった僕がそこそこのもどかしさを覚えていることを踏まえても、なんか納得する話である。
1月21日(火) 求ム、具現化ヲ果タセル者。
フォトン暗号の理論は称賛をもって迎えられた。しかし、だからこそ、その実現性を検証する責任も、彼らに負わされたこととなる。
1980年代末、ついに理論通りのプロセスを再現する実験が行われた。慎重に手順を踏み、それは……成功した。
その際パソコン間の距離は30cmしかなかったことを留意しても、この部分はいずれ技術革新に伴い劇的に改善されてくる部分だ。
こうして文字通り、最強の暗号が産声をあげた。その後の展開がどうなるか、楽しみに待ちたいと思う。
1月22日(水) 完全勝利宣言…?
量子力学による暗号の完成により【今度こそ】暗号作成者側の勝利が確定する、とされる。
なぜなら、傍受という観測を差し挟んだ瞬間、フォトンは振る舞いを変え、元のメッセージを有耶無耶にしてしまうからだ。
しかし、本当にそれで永久的な勝利が決まるのだろうか?量子力学さえ覆す技術が見つからない余地は無いのか?
破られては強くなり、それでも叡知と計算力の力でまた破られる。このプロセスはこれまでもそうだったし、これからもそうではないのだろうかと、ふと思う。
1月23日(木) 暗号を偏愛する者よ。
急展開なのだが、今の本の終わりにたどり着いたらしく、いわゆるオマケページに突入した。
この本の初版は1999年らしいのだが、その際に筆者が作成・掲載した10個の暗号は、世界中から反響があったそうだ。
僕はそれに取り組む気は毛頭無いのだが、特に最後の2問は【暗号に人生を捧げた人が解ける】レベルらしい。
ところで、僕みたいなずぶの一般人でも、例えばAIを用いれば割とあっさり解けたりするのだろうか?
いささかトリッキーだが、暇なときに確認してみようかなと、ふと思った。
1月24日(金) 英検でもTOEICでも磨けない部分。

巻末のオマケには、とある小説の冒頭が付けられていた。ただの経験値不足だが、いわゆる説明文でない文章は、やはり読みにくい。
小説特有の言い回しや言葉選び、説明文に見られない修辞然り、この辺りにもう少し強くなりたいなと、ふと思わされた。
となればいよいよ、次の洋書は小説になるのかなと思う。今のうちから色々リサーチしておくことにしよう。
1月25日(土) The huge cube under my cognition

巻末付録は、筆者が用いた暗号解読のメソッドの解説という感じだ。つまり専門的なので、やはり理解が及ばない。
やはり、こういう超難解な概念を、その分野の知識を持たない人たちに翻訳できる方々は、心底リスペクトさせられる。
ただ、分かりやすさだけ突き詰めると、それはそれで言葉が浅薄になるリスクもあるわけで。
一つの記述や説明の下にある、膨大で立体的な厚みのある思考。やはりこれを大きくしたいと、強く思わされた。
1月26日(日) 本書のまとめ1。

暗号解読。非常に分かりやすい言葉だが、その内包する意味は、非常に重厚的で、かつ広範にわたるものであった。
世界史における陰謀、失われた言語の再発見、軍事利用、RSA、フォトン暗号。読めないものを読むこと、読ませないようにすること、その全てが1冊にまとめられていた。
サイモン・シン氏の文才は、英語のまま読むことで、尚輝くように思う。唯一残念なのが、一冊一冊がとても骨太ゆえに、著書数はそこまで多くないところかなと。
もうここまで来たら、著書全てを読んでやろうかな。といってもあと2冊くらいしかないのだが。あるいは、改めて邦訳されたものを読んでもよさそうだ。
積み重ねた期間が長いだけに、読了にはどこか寂しさも伴っている。貴重な読書体験だったということだろうな。
では今週はこの辺で。