今日は少し変わったテーマについて考えてみる。心理学的テクニックの練習をする際は、まず自分を実験台にするのが良いという、そんな話だ。
突然だが、「サイコパスに学ぶ成功法則」という本がある。この本では、サイコパスの思考や行動をただ紹介するのではなく、意図的に再現する方法が述べられている。
すなわち、これらのコツを意識的に実践すれば、良いサイコパスの、利点を抜粋して取り入れることができるという、いわばレシピ集のような本なのだ。
本に書かれている内容は極めて理にかなっており、そこに書いてあるスキルを駆使すれば、感情を排除して合理的かつ論理的な判断をするのに役立つと感じている。
―ただし、多くのテクニックには対人的な練習が必要になる。それはこの本の内容も例外ではない。特にその中でも、「説得」に関する章は特に重要だと考えている。
ということで、それはどういうことなのかについて、頭でっかちになりそうなので以下本題へ流していく。
被験者自分の心理学的テクニックは意外と効く説。
ここでいう説得のコツは、そのイニシャルを取ると、"SPICE" という5つのアルファベットに集約される。非常に分かりやすい。
この各文字は、ぞれぞれ対応する心構えを意味する英単語の1文字目であり、その中に「相手の利益と自分の目的を結びつけて、望む行動を引き出す」というものがある。
言っている理屈は極めてシンプルだ。人は”その人の利益でしか”動かない。ならば、その人にとっての利益を、自分の目的に絡めれば、説得は可能ではないか、と。
ここで問題なのは、人は感情を絡めて考えがちだということだ。今回も、「なぜアイツが喜ぶことをしてやらねばならないのか」と反発したくなる。
しかし、サイコパスの思考においては、そのような感情は不要だ。相手を動かすために下心をくすぐるだけでよいのなら、そうすればいいではないか、と。
とはいえ、いきなり他人に対してこの手法を実践するのは難しい。僕自身もなかなかうまくできなかった。ただ最近、良い練習台を見つけた。それこそが、「自分自身」だ。
僕には、理屈ではやるべきだと分かっていても、生理的に気が進まないことがいくつかある。その一つが、生徒の送迎対応だ。
校舎の立地として目の前が道路になっており、駐車場が少し離れている関係で、ただ外に立っているだけでは不審者のように見えるし、何より居心地が悪い。
しかし、校舎の顔として、外にいて表で生徒とコミュニケーションを取るべきだということも、頭では理解している。ただしそこに、感情的な折り合いがつかない。
では、どうすればそれを果たせるのか。そこで考えてみたのが「自分が外にいたくなる理由」を作ることだった。そしてありがたいことに、その術はすぐに閃いた。
最近、校舎の前に花を植えるのが楽しくなってきている。土を耕し、水をやり、雑草を抜く作業は、たとえ誰に見られようと、意外と没頭できる。
そこで、「外に立つ」という考え方をするのを止め、「花の手入れや校舎前清掃をすることで、結果的に外にいる」という考え方をすることにした。
こうすれば、自然な流れで外にいることができるし、その結果として生徒なり保護者なりに話しかけられれば、シンプルにラッキーだ。
さらに、一生懸命土いじりなり校舎前清掃なりをしている姿は、むしろ良い印象を与えるかもしれない。 ここまで考えると、表に出ることの抵抗はかなり霧散する。
・・・ここでふと思った。これはまさに「相手の欲求と自分の目的を結びつける」サイコパス的な発想の実践ではないか。
しかも、対人関係ではなく自分自身に適用する形で行えている。雰囲気が分かれば、今度は人に対してこれを用いれるかもしれない。しばらくその予定はないけれど。
このように、心理学的なテクニックは、まず自分の潜在意識に働きかける形で試してみるのが良いのではないか。
対人関係で使うのが怖い人も、自分自身を実験台にして練習することから始めれば、より自然に習得できるだろう。
ということで今日はこの辺で。