精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

過去に戻るのは、本当に楽しかった。-旧交に触れて、思うこと。

先日、大学生の頃に属していたサークルが関係する集いに呼んでいただき、極端な例だと7~8年ぶりに会う人が居るような場所で、昔話に花を咲かせた。

 

数十人が集まったことから、会場も立派なところが当てられ、立食形式で舌鼓を打ちながら、「お久しぶりです、元気してましたか?」といった声掛けを相互にしあう。

 

・・僕は元々超内向的であり、こういう外向性が求められる場所は苦手だと思い込んでいたのだが、今回ばかりははっきりと言いたい。

 

本当に、楽しかった。10年くらい用いていなかった分人が久しぶりに作動した感じで、本当に過去に戻ったかのような感覚を覚えた。あの頃、つまり青春に還れたのだ。

 

ある意味そんな、非日常とも夢のようとも言える時間を過ごして、帰ってきてしばらく経ったのが今なのだが…改めて思い返しても、あれは特別な時間だった

 

その場の楽しさはもちろんのこと、ちょっと大げさだが、あの時間によって、今の僕が必死に目を逸らしていた感情にも、気づくことができたからだ。

 

今日はそんなお話をば。

 

 

今の僕とは全く違う分人を、もう一度生きられた。

 

前もどこかで書いたが、僕は人生のほとんどを今は仕事にベットしている。現状にこのまま燻ぶるのはゴメンだし、まだまだいい結果を出したいし、出させたいからだ。

 

この状況を言い換えれば、「塾講師として校舎を預かる僕」以外の分人は、1日のどこにも発露していないということになる。

 

対生徒、対保護者、対大学生講師、対上司‥。そのそれぞれに求められる”僕”以外は、心の奥底に封印して以来久しい。

 

―だが今回は、10数年前の、イチ大学生だった頃の僕が自然と顔を出し、対後輩、対先輩、対別団体の分人を自然と生きられたように思えている。

 

本当に久しぶりに、僕は仕事のことを忘れた。普段の僕は家であっても、保護者からの連絡に身構えて、授業のネタを考えて、志望校判定を聞いてあれこれと思案する。

 

しかし今回は、先輩にイジられたり、後輩にお菓子を奢ったり、他団体と情報を交換したりすることが楽しく、懐かしく、面白かったため、その不安は全て霧散していた

 

あまりにも”あの頃”に戻れたのもあり、ハメを外しすぎて二日酔いになってしまったほどなのだが、34歳になった自分の中に、まだそんなバカな面があるのは興味深い。

 

分人は死なない。『私とは何か』でも書かれていたことではあるのだが、これは本当だなと、強く思わされた。

 

「俺は、寂しいんだな」

www.youtube.com

 

―と言うところまで書いて、この日の思い出を振り返った今、僕の胸に去来する感情は何か。病気に聞こえるかもしれないが、実を言うと、涙を堪えている

 

「思い出は美化補正されがち」なのを踏まえても、楽しかったあの頃は全く色褪せていなかった。大人になっても、楽しいものは楽しかったのだ。

 

僕はあの時間が好きだったんだな。普段仕事に邁進する僕も、別に嫌いではないはずなのだが、シビアに徹している間、僕は寂しさにずっと蓋をしていたのかもしれない。

 

僕は最近、僕に構ってくれる友達が減っているのを自覚しているが、それ自体に寂しさは感じておらず、自然の摂理という風に捉え、納得していた、はずだった。

 

だが実際は、心に穴が空きそうなほど寂しかったんだなと思う。等身大の、ありのままの、格好をつける必要が無い僕を生きるためには、気心知れた人と場が必要なのだ。

 

その時間が終わった。そして次はそれがいつ来るかもわからない。そもそもその日がまたあるのかもわからない。そう思うと、本当に嗚咽が出そうになってしまった

 

俺は寂しいんだな、実は。独りでどれだけ娯楽に興じても消えない寂しさが、心の奥底にあって、今回の場はそれを曝け出すきっかけになる時間だったのか。

 

先に紹介した『私とは何か』という本の中で平野啓一郎氏は、「過ごしていて心地よい分人を観察し、その時間を増やすよう努めよう」といった提案を書いている。

 

今回のイベントはまさに、過ごしていて心地よい分人に違いなかった。だが、それにもっと高頻度で触れるためのアクセスが、今は全く残っていない状態だ。

 

塾生と話していても、友達とLINEをしていても、会社の年齢が近い人と話していても、その分人は出てこない。僕を曝け出せる人や場所とは、一体何なのか。

 

寂しさに潰される前に、その存在を見つけたいなと、切に願っている。

 

では今日はこの辺で。

 

 

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