ここ最近意識的に、「経済学部っぽい」本に毎日触れている。例えば経理について解説した実用書、国際ミクロの話、簿記3級の参考書、などなどだ。
それらを読めば読むほど、やはり経済学は、感情や偏見を排して、世の中の姿を観察する学問という感じがしてくる。
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そのための道具として、数学や会計学、統計学などが存在しているイメージだ。経済学者の力量は、道具を使うことの熟達度ではなく、面白い問いを立てることにある。
そして面白い問いを立てるためには、どれだけ世界を純粋な気持ちで観察するかがカギとなる。僕はそう納得している。
いよいよ再読も佳境、以下その続きの感想文をしたためていく。
- 10月13日(月) ”見える手”の闇。
- 10月14日(火) 無意識を可視化する。
- 10月15日(水) 誰が何を見る?
- 10月16日(木) 「僕は利他的です(キリッ」
- 10月17日(金) 最強の利他主義とは・・
- 10月18日(土) 思考実験のプロたち。
- 10月19日(日) GDPに貢献しよう。
10月13日(月) ”見える手”の闇。

人によっては胸糞悪い話かもしれないが、手が写っている広告(例えば新型の携帯を持つ手など)において、人種やタトゥーはどこまで影響すると思われるだろうか。
なるべく恣意的な操作を排して、アトランダムかつ大規模にこのことを調査した人がいるという。曰く、黒人の手だと、ヒット率・購入率が、有意に減るのだそうだ。
それは刺青がびっちり入った手も同じで、アメリカの人は無意識に、それらを避ける選択を取っているのだという。
最近はあまり聞かなくなったが、一時期はポリコレだなんだと多様性をむしろ”押し付ける”のが主流になっていたが、潜在意識の部分では反発を覚えているのかもしれない。
やはり胸糞悪い話なのだが、人の業の深さをなんとなく垣間見れるデータではある。
10月14日(火) 無意識を可視化する。

先の例を考えると気づくのが、潜在意識とは言葉よりも行動に反映されるというものだ。言葉は意識的だが行動はほぼ無意識的なもので、潜在意識もそうだからだろう。
だから、アンケートを取って数値やコメントを集めつつも、それを分析すると立ち上る”当人たちも気づいていない部分”を可視化し、紐解くこともまた肝心なのだ。
著者たちの名を知らしめた研究は、アメリカの犯罪率が著しく下がったのは、警察の質が上がったとかではなく、中絶が合法化されたから、というものである。
当然賛否両論、どちらかと言えば非難轟轟という感じなのだが、筆者は動じていない。なぜならデータがそう告げているためだ。
・・こう考えると、言葉をそのままの字面通りに受け止めることは、果たして本質を見ていると言えるのか、どこか疑問にさえ思えてくる。
言葉が伝えるのは胸の内の誠なのか、それとも・・?その辺りも俯瞰して初めて、一人前の経済学者なのかもしれない。
10月15日(水) 誰が何を見る?

テレビ番組一つとっても、例えば年代や性別が異なれば、見る番組のラインナップは大きく様変わりする。これは人種が違っても同じらしい。
「先週何を見ましたか?」のランキングを集計してみると、例えば黒人と白人ではトップ10が全く異なるというのもザラだ。ただ中には共通するものもある。
例えばスーパーボウルの頂点を決める試合などは、仕事を休んででも視聴してOKという国民性なのもあり、人種間の差異は見当たらないそうだ。
興奮と感動だけが、人類を一つにしてくれるのかもしれない。それはなんか、心当たりがあるなぁ、と。
10月16日(木) 「僕は利他的です(キリッ」

死者数や倒壊した建造物の数と、支援金に相関はあるのか。なかなか嫌な問いだが、実際は如実に”ある”そうだ。
東日本大震災とパキスタンの大地震を比べれば、後者の方が圧倒的にアメリカからの支援額が少ないそうだ。
一方、東日本大震災とハリケーン・カタリーナを比べると、死者数と支援金額の比率で言えば、後者の方が高くなるという。
自分はどこまで純粋に利他的なのか。自信が無くなりそうだが、ドライな結論だなと感じる。
10月17日(金) 最強の利他主義とは・・

アメフトの試合で寄付金を募るCMを打ったとき、なんと選手が呼びかけるより多くの支援金が集まったケースがあったという。
それは金髪ブロンドが出演したそれだ。究極的に言えば、利他主義は下心とリンクしているらしい。身も蓋も無いが、すごく納得感はある。
男も女も、例えばキャバ嬢・ホスト・アイドル・推しに突っ込む熱量とお金は、相当なものだ。もちろん露骨に扇動すると萎えるが、旗振り役として適任と言える。
最強の利他主義は、下心、あるいはファンとしての強烈な熱狂や自負、なのかもしれない。実を言うと、それは少し、わかる話ではある。
10月18日(土) 思考実験のプロたち。

経済学者に心理テストをするとどうなるか。実はめちゃくちゃ現実的に、色々考えるのだ。
例えば路上に物乞いとホットドッグ店があるとして、あなたはどちらにお金を落とすべきだろうか。
なお、物乞いは酩酊している様子だとする。こうなると、本当に色んな因数を考えて、彼らは結論を出している。
恵みを与えなければ後ろめたさが残るが、自分の寄付が酒に浪費されるのは嫌だし、彼の健康にも悪い。
そこまで踏まえて、どんな答えを出したのか。それは明日以降のお楽しみである。
10月19日(日) GDPに貢献しよう。

先の経済学者は、人が見ていれば直接お金を渡し、そうでないならホットドッグを渡すそうだ。この根底にあるのは彼なりのインセンティブである。
尚、正直得られるインセンティブによりけりだが、僕もホットドッグを買って渡す派である。
ホットドッグを買うことでホットドッグ屋にお金が回り、それで得た物で、物乞いの満腹を提供する。
一度に二つの財を生めたという意味で、僕はそうしたいかなと感じる。僕がなにも得ていないのはさておきとして。
では今日はこの辺で。