別の記事で、僕にとって居心地のいい場所には、その雰囲気を醸成できる”人”がいる、という話を書いた。そしてその人の特徴についても、そこに述べた。
僕は「自分の知性をおもちゃにしている人」が好きだ。才気走った様子もなく、肩書は過程で身に着けたものという以上の意味合いを持たず、毎日考えることで遊んでいる。
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毎日自由研究をやっているような人。その人と話していると、心の底から楽しいし、安心できるし、安全を覚えるし、満たされる感覚を持つ。それは納得している。
では、そういう人と関係を切り結ぶには、どうすればいいのか。それは僕もまた、自分の知性で毎日遊び続けることだろう。同族でないやつは、コミュニティには入れない。
だからこそこの本を読んで、「知性で遊ぶこと」をしっかりと学びたい。読書の意味合い・心構えが、大きく変わった。その分、楽しみだ。
では以下、続きの感想文をしたためていく。
- 10月20日(月) 経済学者と哲学者は近しいのか?
- 10月21日(火) デキる人アレルギー。
- 10月22日(水) 価値は人によって変わる。
- 10月23日(木) 一番やる気(行動)を生み出す報酬の与え方とは?
- 10月24日(金) 男女で異なるインセンティブ?
- 10月25日(土) まさに経済学者たる観点。
- 10月26日(日) 供給側のメソッドと事情。
10月20日(月) 経済学者と哲学者は近しいのか?

様々な経済学者の回答を読んでいると、ほぼ直感でパッと答える人がいる一方、めちゃくちゃ仮説・可能性を広げて考えようとする人もいて、すごく興味深かった。
ある経済学者は、「ホットドッグを買い与えればいいというが、では物乞いが菜食主義者だった場合、彼に何の幸福も与えないだろう」という仮説まで広げていた。
ここで思いつくのが、天文学者・物理学者・数学者を交えたジョークだ。
天文学者と物理学者と数学者がスコットランドで休暇を過ごしていた。列車の窓から眺めていると、平原の真ん中に黒い羊がいるのが見えた。
天文学者:なんてこった!スコットランドの羊はみんな真っ黒なんだね。
物理学者:違う違う。せいぜい何匹かが黒いだけさ。
数学者:(天を仰ぎながらやれやれという調子で、抑揚を付けて)スコットランドには、少なくとも1つの平原が存在し、そこに1匹の羊が居て、さらにこっち側の片面が黒いということが分かるだけさ。
元ネタとしてはここに哲学者はいないわけだが、仮にいたら、数学者ほど厳密にはならずとも、どんどん仮説を浮かべて、思考を網目状に広げていくような気がする。
経済学者は好奇心の塊だ。好奇心があれば興味は無限に展開していく。そのプロセス自体は哲学者に似ている。そんなように、なんとなく思った。
10月21日(火) デキる人アレルギー。

思わず膝を打ってしまったのだが、著者の友人の経済学者は、意識的であれ無意識的であれ、デキる人アピールがすごい人がとても苦手なのだそうだ。
例えばとある飛行機のビジネスクラスに搭乗した際、”隣で高そうなオーダーメイドスーツを着たビジネスマンが、投資関係の雑誌を読んでいて”、席を替わったという。
これは僕も共感できて、実は高校生になる頃からはっきりと、生身の人間が何かを演じるのを見るのがすごく苦手で、ドラマを観ていると嫌な気持ちになってしまうのだ。
また、これは嫉妬なのかもしれないが、自己紹介一発目から過去の実績や肩書をずらずら書いている人を見ると、すごく「うわっ・・」と思ってしまう。
例えば「旧帝大卒・TOEIC900点・公認会計士」というのをひとしきり書いて、「趣味はサーフィン」とかで結ぶプロフィールは、読んでいて苦手なのだ。
同士がいると知って、僕はすごく嬉しい。内容関係ないが、そんなことを思った。
10月22日(水) 価値は人によって変わる。
同じ10ドルとしても、価値は人や状況によって大きく変わる。給料日前と後では有り難みが違うのと似ている。
最後に登場した経済学者も、考えに考えて、彼なりに合理的なプロセスを経て、物乞いに渡すと答えていた。
ホットドッグ屋に10ドル渡すのと、物乞いに同額渡すのとでは、与えるインパクトや幸福度が異なるからだという。
十人十色で合理的。経済学はみんな違ってみんないい、のかもしれない。
10月23日(木) 一番やる気(行動)を生み出す報酬の与え方とは?

一番やる気を生み出す報酬の与え方は何か。なかなかにダーティだが、”先に渡してしまうが、奮わない結果だったら返させる”というのがあった。
例えば今回の仕事で売り上げがここまで到達したら5万円のボーナスを支給すると決めたら、先にそれを渡してしまうのだ。
しかし、それが届かなかったら次回給料から天引きという風にすると、得たものを失いたくないという強烈な願望が生まれ、モチベーションは意地でも上がるという話だ。
もっとも、このやり方が労基に違反しないかどうかは調べていないのだが、やる気というものの身も蓋も無さが如実にわかる話だと言える。
10月24日(金) 男女で異なるインセンティブ?

筆者たちが経済学者仲間を引き連れてレストランに行った際、サーモンサラダを積極的にプッシュするウェイトレスがいたという。
とはいえ気分は全然サーモンの感じじゃなかったそうで、逆に「そんなにサーモンを推すってことは、君はサーモンがよほど好きなんだね」と返したそうだ。
するとそのウェイトレスは、「実は一番オーダーを取った子には、ある報酬が出るんです」ということを語った。筆者は給料かと思ったが、どうやら違うそうだ。
「実は新作のスイーツがあるんですが、それを無料で一つ食べれるのです」というのがその内情だった。なんと清々しい回答だろう。
それを受けて筆者は人数分のサラダをオーダーしたそうだ。登場人物全員が粋だなぁと思ったのは、僕だけではないと思いたい。
10月25日(土) まさに経済学者たる観点。

著者が”センスある”と感じる経済学者の卵とは、消費者ではなく、供給者目線でインセンティブを考えることができる人だという。
例えばある商品が売れた・売れないを考える際、「なぜこれが欲しくないのか」を考えることは、誰でもできる。人間みな消費者だからだ。
だが、「なぜそれを欲しいと思ってもらえなかったか」を問うのは話の性質が全然違うものとなる。生産者目線は意識してもなかなかに難しいからだ。
そうすると自ずと答えも変わる。広告を打つのが遅れたから、人気タイトルの発売と思いっきり重なっていたから、等など‥。
センスある回答はここにあったのかと、すごくトクした気分である。
10月26日(日) 供給側のメソッドと事情。

消費者側の思考をいい意味で脱却するには、供給者側の事情を調べて考えてみることがマストであるが、もっと手っ取り早いのが、自分がそちら側に立つことである。
そう思うとよくできているなと思うのが、文化祭の出店だ。自分が必死こいてフライヤーをひっくり返し、受付がさばいているのに、客足が途絶えない。
当然行列に並んでいる人の間には、不満も溜まっていく。それを受けて、焦る。そして悟る。自分が遅いと思っているときも、必死に働いている人がいるのだ、と。
もしかして、人に対して優しくあれる人は、人生経験が豊富ゆえに、一面からは見えない事情まで全てを理解しているがため、なのかもしれない。
そうなれば一度きりの人生、どこまで経験値をコレクションできるかが、その豊かさに寄与するカギとなると思えてきた。
では今日はこの辺で。