今日の記事は昨日の記事の続きで、また上田ピーター博士著の【童貞の研究】を読んで思ったことをつらつらと書いてみたく思う。
異性や煌びやかなステータスから弾き出された者たちは、どんな人生を歩めばいいのか。何を選択すればいいのか。答えというより、事例の紹介が淡々と行われる。
その選択肢の内、テクニックを用いて異性をガンガン口説くことや、自分自身の心身を改造することで、鬱屈した状況や自分を乗り越えよう、というものがある。
僕はこれには”賛同も共感もできない”という話を前回は書いた。その代わり痛切に胸を打ったのは、残り2つの生き様、【撤退】と【破壊】である。
今日はいよいよこれら2つについて、いっそほとんど推敲せずに勢いのまま、感想を書いてやろうと思う。
僕は【撤退】を、もっと早くに選ぶべきだった。
【撤退】の代表として登場したのは、日本一有名な童貞”だった”人こと【ぐんぴぃ】氏である。彼の人生もまた、異性というより、恋愛に傷つけられたそれだった。
数名の女子から「どの子がいいか?」を尋ねられて、素直に答えたら泣かれて、クラス内の絶対的な悪にされた話。
告白をしたら、烈火のごとく怒られたという話。「異性に何かしらの特別な感情を、自分が持つことは嫌悪感を覚えられることなんだ」という悟りに、僕は共感を覚えた。
自分を変えたくて青山学院大学に合格しても、結局はその中の序列の最下層に生きる日々。こんな面白くないこと、しても仕方ないじゃないか。その結論はすごく妥当だ。
そして完全に撤退を選び、芸人になり、YouTubeを始めたらセクシー女優に玩具にされるといった日々を経ながらも、彼は200万人の登録者数を獲得した。
好きなことを、ありのままに語る。それを語り合える仲間がいる。そんな仲間は、恋愛というコンテクストの中には存在しなかった。そんな達観を、僕は読み取った。
それは僕も実は同じだ。僕も20歳~28歳頃にかけて、「さすがに一花咲かす!」と意気込んで、恋愛なるものにのめり込もうとしたが、結果、身体が受け付けなかった。
例えるなら、日本中がマリオカートに熱狂しているからと手を出したら、自分は画面の点滅や画角のブレで激しく酔う体質だと判った。それだけなんだと思っている。
思うに僕ももっと早く、撤退を選び、完全にそういう世界と決別すべきだったなと思う。遅くとも、社会人1~2年目で、それを選んでおくべきだった。
今僕は、周りの惚れたはれたに対して愛想笑いを浮かべながら、徹底的に距離を置いている。僕は他にもっとやることがある。そう納得しているからである。
【破壊】を選んだ「エリオット・ロジャー」の悲痛な物語。
※↑やや閲覧注意
【破壊】に登場する人物「エリオット・ロジャー」の人生は、聞いていて本当にこちらが辛くなるほど、劣等感と葛藤と自己否定に満ちていた。
「こんな素敵な僕なのに、どうしてブロンド美女は僕に振り向かないんだ?」という鬱屈した思いを抱え、22年の生涯を生きた男。
「僕がモテないのは、僕に入ったアジアの血のせいだ」と生まれを憎悪し、「僕がモテないのは金が無いからだ」と宝くじを買い漁る。
いわゆるモテる粗暴な男からちょっかいをかけられた際は、その後ろで笑う異性に対し強い「憎悪を覚えた」と語り、男を攻撃的にするのは女のせいだ、と結論付ける。
ブランドの服で着飾って大学に出席し、本人は卑下していた身長は175㎝と別に低くもなく、勉強ができたこともあり、彼は悩んだ。素敵な僕がモテないのはなぜだ?と。
そして否定に否定を重ねられた彼を見舞ったのは‥とある夜のパーティーの出来事だ。Wikipediaの該当項目の和訳をChatGPTにお願いしてみたので、読んでみてほしい。
ハウスパーティーでの出来事
2013年7月20日。エリオット・ロジャーは、22歳の誕生日を数日後に控えていた。そしてその夜、彼はある目的を持ってハウスパーティーに向かっている。
それは、”童貞を捨てること”。そのために、緊張を紛らわせる意味でウォッカを飲んでから出かけたらしい。
会場に入った直後、彼の目に入ったのは、金髪の女性と話しているアジア系の男性だった。ロジャーはその横を通り過ぎる際、わざと肩をぶつけている。
なぜそんなことをしたのか。おそらく説明は難しいのだろうが、とにかくそういう行動を取った。
その後、パーティーの場で女性とうまく会話できないことに苛立ち始める。
やがて高さ3メートルほどの縁に登り、指で銃の形を作って、人に向かって撃つ真似を始めた。冷静に読むと、かなり奇妙な光景である。
さらに彼は女性のグループに侮辱的な言葉を投げ、挙げ句の果てには、その場から突き落とそうとした。
当然ながら、その場にいた男性たちが反応した。結果、逆にロジャーの方が縁から突き落とされ、足首を骨折することになる。
ところが話はここで終わらない。
彼はサングラスを探すため、再びそのあたりをうろつき、そして今度は家を間違えて別の家に入ってしまう。
そこで住人たちに殴られ、目の周りを腫らし、打撲を負った状態で、ようやく自宅へ戻った。
翌日、父親が彼を病院へ連れて行き、足首の手術が行われた。その流れで、警察への被害届も提出している。
警官が病院に来て事情を聞くと、ロジャーはこう説明した。
女性の容姿を侮辱したあと、四人の男に縁から突き落とされた。
その後、別の家の前庭の椅子に座っていたところ、十人ほどの男に囲まれ、掴まれて車道まで引きずられ、殴られながら同性愛者を侮辱する言葉を浴びせられた。
なお、その際に一人を一度だけ殴り返したとも語っている。この話だけを聞くと、かなり一方的な被害にも見える。
実際、警察も当初はヘイトクライムの可能性を検討した。
また、なぜ警察に通報しなかったのかと尋ねると、ロジャーは「誰に連絡すればいいのか分からなかった」と答えている。
ただし、事情聴取を担当した警官は、彼の証言に誠実さを感じなかったと記録している。要するに、どこか話が噛み合っていないという印象だったのだろう。
一方で、パーティーにいた別の男性は、騒動の発端はロジャーだったと証言した。彼は終始様子がおかしく、誰とも会話していなかったという。
さらに近所の住民は、ロジャーが泣きながら帰宅し、「あいつらを殺してやる」と叫びながら自殺までほのめかしていたと証言している。
最終的に保安官事務所は、騒動の発端はロジャー側にあると判断した。
この件はそれ以上の処分もなく、捜査終了。ロジャーが逮捕されることも、その後さらに事情聴取を受けることもなかった。
記録として残っているのは、そんな一連の出来事である。
―この事件をきっかけとして、彼は”破滅的な最期”を迎える覚悟を決める。130ページに渡る長文を一部の知人たちに送り、最後の動画をYouTubeに遺し、そして…。
その後の顛末は、自己責任で調べてみてほしい。
終わりに。
こうしてみると、モテないことはいずれも悲劇的な人生になるといった結びに聞こえるのだが‥もちろん、これら以外のゴールだって、あちこちに存在するはずだ。
独身のままでも幸せ。結婚したけど不幸せ。どちらの話も、何度も何度も擦り倒したネタとして、何なら童話より聞いてきたかもしれない。
大事なのは、周りが良いといったからとかそういうのではなく、自分で徹底的に考えて、決断し、責任を持つことではないか。普遍的な人生訓になるのだが。
彼らの生き様から何を学ぶか。ヒントとしては、僕自身やはり恋愛という世界・価値観にすり寄りたいという気持ちが全く無いと理解できたことになるのかな、と思う。
皆様はどう思われただろうか。ということで今日はこの辺で。