精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

2週間で、英検の面接を30セット以上担当して気付いたことまとめ。

英検のハイシーズンがそろそろ終わる。その一環として面接練習(二次試験対策)を受け持ったのだが、例えば2級となると、なかなか担当できる講師が居ない。

 

必然、コマの時間をできるだけ短くしつつも、回数を増やすことで講座の体を保ちながら、僕が隙間時間に狂ったように組み込んで、なんとか回し切った感じである。

 

その数、冷静に数えたところ、過去問の音読~質問No.4を1セットとして数えたところ、その数30以上であった。期間は2週間である。

 

そんなに短期間で面接に付き合っていると、なかなかに不思議な経験則も得られてくる。もしかしたら、面白いヒントが書けるかもしれない。

 

今日はこの面接練習ラッシュを通じて僕の中にできたコツを、オムニバスな感じで記事にしておこうと思う。

 

 

意外と言えない「取り出す」という表現。

 

2級のナレーション(3コマ漫画)を担当していると、ほぼ共通して躓く表現があることに気が付いた。それは、棚とかカバンから、何かを”取り出す”描写だ。

 

これは僕もパッと言えなかったので、盲点になりがちな文法なのかもしれない。そこで調べてみたが、【took out A from】みたいな言い回しが使えるそうだ。

eikaiwa.dmm.com

 

実は他にも、「片付けをする」という表現も、僕は咄嗟には出てこないことに気付かされた。これは、捨てるのか、磨くのか、主とする動作で動詞が変わるようである。

 

1級を取ろうが盲点は永遠に消えない。色々と謙虚になれる体験だと感じる。

 

使い回せたら、仕上がった証拠。

 

級に限らず、英検の面接練習を重ねていくと、「このネタは使い回せるな」という感覚を得られる時がある。

 

僕の1級のスピーチ力はこの手応えを得られてから急激に伸びたのだが、その手応えはつまり、例文の丸暗記を愚直に重ねた結果、得られたものだと感じている。

 

生徒の中にも、「おぉ、同じ言い回しを別の質問に持ってこれているな」という子がいて、その生徒たちに関しては、本番も大丈夫だという印象を抱く

 

それは例えば特定の観点からの理由付けであったり、あるいは得意な文法の型を使ったり、さまざまであるが、自分が安心して使い回せるフレーズこそ、心の支えになる。

 

そんな風に考えている。

 

足りないのは英語力ではない。

 

つくづく思うのだが、二次試験を不得意とする子に足りないのはコミュ力ではなく、そもそもの知識だ。

 

例えば「子供にスマホを持たせるべきか」という質問については、「使い方わからんくてトラブルになりがちだよね」「失くされたらしんどいよね」という反対意見がある。

 

一方、「親と連絡とれるから要るよね」「簡単に宿題の答えやヒントを探せるから便利だよね」「ちっちゃいときからデバイスの扱い方は学ぶべきだよね」ともいえる。

 

こういった反対・賛成の意見を総称して、僕は「ネタ」と呼んでいる。自分自身の価値観と照らし合わせて、答えやすい立場のネタを、質問にぶつける。

 

そのストックをたくさん頭に入れて、その1つ1つを練習で使い回すことによって繋げる。膨大で立体的な厚みのある知識。この体積こそが、力量となる。

 

英語力云々の前に、こういう面が如実に問われている気がするなぁと、練習を通じて改めて気付かされた。

 

Attitudeを低く付けたくなるパターン。

 

Attitudeという項目がある。簡単に言えば【態度】ということだが、これの評価基準はなかなかに曖昧で、面接官と受験生の相性に結構依るような気がしている。

 

例えば面接官と会話が弾んだように思ったのに「1」が付いたとか、逆に厳つい表情のまま進んでしまって落ちたと思ったら「3」が付いたという風に、割と検証が難しい。

 

そんな折、自分が面接官として相対してみて、ふと気づくことがあった。「この時間はキツいなぁ」と、確かに思う場面があったのだ。

 

それを端的に言えば、間が異常に長いセッションである。問いを発し、答えるまでに数秒の沈黙が流れ、回答がぽつりぽつり、と出てくる。この時間は、そこそこ辛い。

 

即答は難しくても、「Well..」「Let me see..」「Pardon?」のいずれかを1~2秒で口に出して、沈黙は絶対に作らない意識で臨めと、改めて生徒たちに説いた

 

このことを腹落ちさせるため、今後の面接練習では試験官役をやらせても良いかもしれない。そんな仮説も今は考えている。

 

進学校の生徒の面白い特徴。

 

今回練習を受け持った生徒の内、何名かは県内の進学校に通っている。そこの生徒たちほど、実は面接に苦戦する様子を散見した

 

例えば「help O V」という言い回しを言おうとしてたどたどしくなる、「Wherever」一言で「どこでも」という意味を伝えた気になっているなどなど、どこかすごく、固い。

 

何をもって「固い」と思ったのかよくよく考え直してみたが、恐らく彼ら彼女らは、すごく書き言葉を好んでいるのが理由なのではないかと思う。

 

彼ら彼女らは偏差値が高く、勉強ができるため、書き言葉もスラスラと書けてしまう。だからそのノリで口に出そうとするが、べしゃりと書きのレベルは色々違う

 

個人的に、関係代名詞を2級のレベルで使いこなす必要はないと思う。だが、それを使いたいのか、それとも不定詞の表現を知らないのか、whichやthatが時たま出てくる。

 

「もっとプライドを捨てて、中2~中3レベルの英語に毛が生えた表現で何とかすること」というメッセージをどう腹落ちさせるか。今後の僕の課題だと思う。

 

終わりに。

 

すごく個人的な話だが、僕は「この3つを達成したら引退に向けてギアを入れる」と決めている目標が3つある。その内1つは、実は達成済みだ。

 

そして今一番叶えたいのは、英検準1級合格者を指導するという目標である。1級保持者である手前、準1級をちゃんと取得させなければいけないとさえ考えている。

 

過去最多の2級挑戦者を教え切った今、その成果をみて僕は喜べるのか、それとも猛省を強いられるのか、あるいはその間か。どの未来もあり得ると思う。

 

いずれにしても、血肉となった経験値は僕がどう活かすか次第だ。だから一度言葉にしてまとめておき、未来の僕が読み返す際に活用してほしいと思う。

 

では今日はこの辺で。

 

にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村 にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
にほんブログ村 ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村