精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

何故か皆『関係詞』のことが嫌いですが、あれほど使い勝手の良い文法はそうそうないと思うのです。

『関係詞』という文法がある。

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現在は中3の二学期くらいで習う文法で、これを見ると頭を抱えて発狂しそうになる生徒が結構出る。

 

I know the man who plays soccer well.

 

The woman who is standing over ther is my sister.

 

という例文を見たり読んだり書かされたりする度、生徒の関係詞嫌いが加速していく気がする。

 

―何というか・・・。勿体ないなぁ、と。

 

どうも僕の皮膚感覚として、『関係詞は長文をややこしくするために使われるものだ!』『実用性に乏しいのだ!』というイメージの方が多いように感じている。

 

ハッキリ言うが、僕は『関係詞ほど、実用的で使いやすい文法は、そうそうない』と考えている。

 

以下、その理由を書いてみる。

 

 

日本語だと、皆さん自然に『関係詞』を使ってまっせ。

 

突然だが問題である。このアイテムの正式名称は何だろうか。

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―当たり前だが、『ガラガラ』とかそんなのではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと正式和名は、新井式回転抽選器である。知ってる人、何人いるんだろうか。

 

―ここで冷静に考えてほしいのだが、『名前を知らない』ことと、『それを人に説明できないこと』は、完全に別物である。

 

例えば『新井式回転抽選器』も、

 

デパートとかにある、回したらなんかもらえるヤツ

 

と説明すれば、『あぁ、アレのことね』と合点がいくだろう。

 

実はこれこそ、『関係詞』の使いどころだ。

 

そもそも、『正式名称を使わず、誰かに何かを伝えたい場面』は、結構自然なシチュエーションではないだろうか。

 

お前が昨日見た映画の名前って何だっけ?

What is the movie (which) you watched yesterday?

 

あの選手が使っているラケット、良いよな~

The racket (which) the player uses is really good.

 

とかとか。ぶっちゃけ、あまりにも日常生活に浸透しているため、気付くことが困難な程である。

 

主格とか目的格とか連鎖関係代名詞とか関係副詞とか、めんどくさい言葉でラベリングするから面倒に感じるだけなのだ。

 

『関係詞』全部を十把一絡げに使い勝手が良いとまでは言わないが、使いやすいものは山ほどある。続いてそれを紹介する。

 

個人的に使いやすい関係詞一覧。

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①目的格 (SがVする名詞)

例)私が一番好きな小説は『親鸞』です。

 

The novel I like the best is "Shinran".

 

一番鉄板の形。余談だが、主格もおんなじくらいメジャーである。

 

使い過ぎたら文が長くなって鬱陶しくなるが、どうしても『説明したいことの名前』が閃かないときに、とても心強い表現技法となる。

 

そして少し小手先だが、例えば英検準1級、1級、大学入試と言った超絶長い英作文を求められる試験で、ザクザクと文字数を稼げるという利点もある。

 

僕自身も滅茶苦茶お世話になったので、食わず嫌いせず習得を目指してみてほしい。

 

②関係詞What (~すること、もの)

例)私たちが今せねばならないことは、環境の保護である。

 

What we have to do now is protecting the environment.

 

これまた毛嫌いする生徒は多いが、実はコレ、何かしらのエッセイを書くときの序論・結論に使いやすいのだ。

 

長文にいきなり出されると主語述語がチンプンカンプンになる気持ちは分かるが、自分で使う場合はそこまでしんどい印象は受けない。

 

頻度はそうでもないが、使い勝手は良いのでオススメとしておく。

 

③非制限用法 (SはVするが、それは~)

 

例) 彼は私に英語を教えてくれたが、それはとても良かった。

 

He taught me English, which was really good.

 

『文を先行詞とする非制限用法which』と書けば死ぬほどめんどくさいが、実は訳そのものを見れば意外と使い勝手が良いと分かる。

 

例えば英検1級の例文集に、以下のような和訳が載っていたが、それは上記の例文で書けるのだ。(面倒だから書かないけど)

 

日本政府は世界遺産の保護に国家予算の0.1%を充てているが、それは他の先進国と比べると格段に少ない。

 

僕はスピーチの段階でも使っていたが、それができるようになるには無茶苦茶な練習を必要としたので、まずは書ける段階を目指した方が良さげ。

 

終わりに。

 

生徒にもよく言うのだが、関係詞を制するコツは、

 

何か+(関係詞)+誰が+~する+何を+いつ、どこで

 

何か+関係詞+~する+何を+いつ、どこで

 

という感覚を如何に養うかにかかっている。

 

この感覚を持っていると、主格とか目的格と言う文法用語を使わずとも、

 

彼が飼っている犬

The dog which he has

 

速く走れる犬

The dog which can run fast

 

のどちらが主格で、どちらが目的格か、訳、ひいては伝えたいイメージで自動的に判別が付くようになる。

 

(この辺の感覚は、国語の文節が得意だと掴みやすいので、超苦手ならその練習をした方がいいかも)

 

―ということで、文法そのもののめんどくささと、使いやすい・使いにくいは別に関係ないですよというのが伝わっていればありがたし。

 

では今日はこの辺で。

 

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