確かひろゆきさんの座右の銘だと記憶しているのだが、「明日できることを今日やるな」という格言がある。
似たようなセリフはファイナルファンタジーXのジェクトというキャラクターも言っており、「明日できることは明日やればいいんだよ」というセリフがある。
ジェクト | CHARACTERS | DISSIDIA FINAL FANTASY NT | SQUARE ENIX
確かに、無理して先の予定を1日に詰め込むことで、いろんな本質を見失うリスクもある。例えば、仕事のことが気になって遊べないとか、休んでても疲れるとか。
今に集中できず、不安に振り回されている状態。それを是とするのは、流石にちょっと愚かだ。こんな話が、先ほどのセリフの本質ではないかなと思う。
僕もそれには概ね同意なのだが、それを考えるにあたって同時に含んでおいた方がいい、知識というかネタがあるとも感じている。
今日はそれについて書いてみよう。
未来の方がラクという意識を疑う。
「明日できることは今日やらない、明日やれ。」この言葉を考えるにあたってすごくヒントになるのが、やはりバイアスだ。特に楽観バイアスがそれに該当する。
簡単に言うと、未来は無条件で今よりも良くなる・楽になる、という風に信じる認知の歪みのことで、特にこれは時間において発生することが多い。
例えば、今はすごく忙しいけど、来週になれば暇になるはずだと考えて、多忙な状況を是正しないという態度も、このバイアスの具体例だとされている。
となると、疑問に思う。本当にゆとりが増えるのであれば、別に明日に回してもいいと思うのだが、そもそも時間があるという認識は、バイアスなのではないか。
そう考えると、例えば「明日は時間があるから今日はのんびりしておこう」と思ってそうした結果、思ったより時間が取れず、結果として首を絞めることも起こりうる。
勿論、だからといって今に全てを集中投下することも、自分の不安をいたずらに煽って、今という瞬間を楽めなくなるリスクも孕んでいる。
その辺はどうしても、うまいこと折り合いが必要だ。ただ体感として、明日・明後日の予測はまず外さないが、この期間が1週間とか1ヶ月になるとまず外すと感じている。
さて。こんな風に、未来への不安から今を不健全な時間で圧縮するのを防ぐにはどうするか。参考になるのが、自衛隊の考え方だ。
無駄な圧縮で重要なリソースを使い切ることはせず、いつ決断するかを決めたら、それまでは前倒しで考えることはしないのだそうだ。
未来への不安にどう立ち向かうか。人類にとって普遍的な疑問だからこそ、先人の知恵はかなり溜まっている。それを調べて、どんどん試していくのが、健全だと思う。
終わりに。
「明日でもいいんじゃないかな」っていう問いが自分の中に湧いたら、すかさずそれをキャッチし、「本当に明日の方が時間があるのか?」と自問自答する。
仮にそれがバイアスで、冷静に考えると次の日の方が時間が取れそうにないと思ったら、事前に隙間時間の5分とか10分とかの時間で、できることは積み重ねておく。
強迫観念に駆られているとかじゃない限りは、「明日できることは明日やればいい」スタンスよりも、できるうちにやっておくくらいの心構えの方がメリットが大きい。
そんな風に僕は思う。もちろん、本当に「明日できること」であれば、無理せず「明日やればいい」。
ただし、本当に明日が今日よりも時間があればの話だけど。そこは見誤らないように気を付けたいと思う。では、今日はこの辺で。