塾講師として働いていて、『分かりやすい!』という言葉を頂くのは大変ありがたい。きっと皆さんもそうだと思う。
だが僕は、最近それを、手放しで喜ぶことはなくなってきた。理由は、『ファインマン効果』という言葉を知ったためだ。
どんなものかをざっくり言うと、以下の通り。
・とても分かりやすい説明を聞くと、それだけで物事を理解したと思い込み、受講者は復習をサボる!(結果スコアは伸びない)
なんとまぁ。分かりやすさを追求すると、こういう罠もあるんですな。
或いはそもそも『分かったフリ』をしてお茶を濁すケースもあるため、やはり『分かりやすい!』というセリフを放置するのは考え物だ。
ということで最近は、そういう発言が目立つと、『ある質問』を生徒にするようにしている。
一定の効果があると感じるので、今日はそれをシェアしておく。
『分かったフリ』を打ち砕く質問とは?
すさまじく簡単だ。一通り何かの説明をした後に、以下の発問をするだけ。
『じゃあ、今のをもっかい説明して。』
―たどたどしくても説明ができれば、それは話を聴いている・理解しようとしているサインなのでOKとする。
逆に、完全に硬直したり、的外れなことを言ったりする場合は、話を完全に聴いていないか、全く理解できなかったかのどちらかだ。
その後の対応にこちらのアドリブが求められるというデメリット?もあるが、色々を一気に確認できる、使い勝手のいい質問だと感じるワケで。
しかも、効果はこれにとどまらない。
『アウトプット』による記憶の定着も狙える!
基本知識が強く頭に残るのは、それを頭に入れたときではなく、『思い出したとき』だという。
或いは、『思い出そうと頑張ることで、知識は固く頭に定着する』と言える。
定着率の高い学習方法を、理解度を確認しつつ実践できるという意味では、一粒で二度おいしい質問だ。
『分かりやすい!』『分かった!』と言われるものの、スコアの伸び悩みが見られる生徒を抱えているのなら、ぜひ試してみてほしい。
手短ではあったが、今日はこの辺で。