英語ができないというお悩みは、毎日何かしらの形で受けている。その中でも一番多いのが、
『英語が聴こえない!!!』
という切実な悩みだ。極端なケースだと、定期テストの筆記全問正解、でもリスニングで落として90点取れない・・というのもあった。
さてさて。リスニングが苦手な生徒と言うのは、英検の二次試験対策などで面接の練習を行ってみると、原因が一発で分かる。
発音が無茶苦茶なのだ。
その原因はおそらく、『そもそも発音の仕方を教えてもらっていないから』だ。これはかなり根深い話。
例えばノーヒントで『讒』を覚えられる人はいったい何人いるだろうか。(ちなみに答えは『ザン・そし‐る』)
『発音ができないモノ』は、基本『覚えられない』し『聴き取れない』。だからますますイヤになる。綺麗すぎるネガティブスパイラル。
それに、発音とかアクセントは、高専入試やセンター試験では直接聞いてくるくらい大切なものでもある。
にも関わらず、『学校でガッツリ発音記号をやった!』という話は、とんと聞かない。うーん、由々しき話だぜ。
今日は『発音記号』を必修化すればいいのにと言う、提案と言う名の愚痴をうだうだと書いてやろうと思う。
そもそも僕自身も発音記号を知って、英語が得意になったので。
かくいう僕も、小・中・高の12年間において、発音記号をガッツリ学んだ記憶はみじんもない。
しいて言えば、『take』を『ティク』と読むみたいな、エセ発音くらいである。
そんな状態なので、高校2年くらいまではリスニングで壊滅。何というか、俺は一体何を何のために学んでいるのか、分からない状態だった。
‐きっかけは、ふとした弾みで『発音記号』を勉強したことだ。
https://atsueigo.com/phonetics-basics/
―といっても、数はあんまりないので、1週間くらいで完了。図解通りにベロの位置を真似して、音声を聴きつつ、記号と発音を近づけていく感じ。
無料でこれらを学べるサイトはネットにゴロゴロ落ちているので、使わない手はない。
なんなら、自分の好きな文を、『発音記号』に変換してくれるサービスなんてのもある。
時間的な投資はほぼない。だが、そのリターンは無茶苦茶大きかった。以下、そのリターンを書いてみる。
①いちいち聴かなくても発音が分かる!
これは超大きい時短の話だ。発音が分からない単語をいちいちリスニングするなど、時間がかかって仕方ない。
しかも耳コピに頼らざるを得ないので、暗記にかかる負担はものすごく大きくなってしまう。
しかし、発音記号さえ覚えてしまえば、自分の発音こそが本物の発音になるワケで。つまり音読さえしとけば、同時にリスニングの勉強にもなる。
個人的にはこれが一番メリットであった。
②英語の発音っぽくなる!
ちなみに僕自身は、留学の経験は一度もない。帰国子女でももちろんない。何なら、外国語系の学科の出身でもない。
だが、発音記号を愚直にマネし続けたところ、英検1級の二次試験において、発音で10点中7点(合格ライン)を取ることさえできたほどだ。
発音記号をきちんと学ぶことは、英語圏の人とコミュニケーションを取るための英語の第一歩ともいえる。
耳コピだけでこれを得るには、特殊な才能が必要だと思う。しかし、発音記号はまた別の話だ。
③英単語が覚えやすくなる!
読めない単語を覚えることは、極めて難しい話だ。だからこそ、中学生(たまに高校生)は必死になって、自分なりのごろ合わせを作っていく。
『famous』ふぁもうす!
『culture』くるとぅあー!
『refridgerator』れ・ふりどげらとー!
聞いてて胃袋が酸っぱくなる。スペリングのテストは何とかなっても、永遠にその単語をリスニング出来るようにはならないだろうなぁ・・と思わされる。
それくらい、読めるかどうかは大切なのだ。
読めるようにさえなっていれば、発音が同じなら割かしスぺルも同じと言った共通点に気づけるようになる。
つまり、暗記がし易くなるのだ。
『チュア』という音は、『ture』で表すことが多いとか、そういうのを知っておくだけでも、相当強い。
僕はそう思えて仕方がない。
終わりに。
そんなワケで、僕はどうにも『発音記号』は必修にすべきだと思えて仕方が無いのだ。だが同時に、それができない理由も、実は何となくわかっている。
初めて英語を習う生徒にとっては、アルファベットでもしんどいのに、さらに別の記号とか拷問である。(単語のストックもないし)
そんなわけで発音記号に触れないままどんどん進み、文法だの単語テストだの何だのといったものにガンガン時間を取られ・・
気付けばそれらを特に学ぶこともないまま卒業、といった具合だ。うわぁ、生々しい話だぜ。
とはいえ、例えば定期テスト後などの時間を使えば、多少は集中して取り組むことができるのではないだろうか。(学校によるだろうけど)
僕ももう、『塾の仕事は点を取らせること!!』というポリシーを捨ててでも、丸一時間そろそろ発音記号に充てるつもりだ。
そのメリットが計り知れないことは、身をもって分かっている。だから自信をもって推せる。
だからみんな、やればいいのに。
―という愚痴をもって、今日はここまでとする。