今日はこの論文をナナメ読み。
簡単に言えば、
『自由英作文に対する効果的な指導法とは何か?』
をリサーチしたもので、英語科講師にとって喉から手が出るほど欲しい情報である。
では、早速それについてざっくりとまとめてみよう。
英作文の力を伸ばすのに必要な要素とは?
この論文によれば、『総合力に自由英作文を書く力を高めるのに大切なもの』として、以下のものが挙げられていた。
① 接続語の適切な使用
② 段落構成の知識
③ 読者の存在への意識
昔、国語の『作文』について書いたことに似ているが、この3つがどれほど適切に使われているかで、『自由英作文の出来不出来』が決まるというそうだ。
要するに、『文と文をちゃんと接続語で繋いで』、『導入→展開→結論といった段落構成ができて』、『読み手を意識すれば』、良い英作文になるという話である。
-とはいえ、こんなのは全くもって具体的ではない。ただこの論文では更に、これらの力を高めるための指導例も載っていたので、以下それを紹介する。
『自由英作文』の力を高める授業作り。
この論文に紹介されていた方法は以下の通り。(ブレインストーミング活動も載っていたが、実践はムズい気がするので割愛)
①『つなぎ言葉』や『パラグラフ構成』の指導
これはざっくり言えば、多分『However』『so』『but』等の言葉(ディスコースマーカー)の意味と使いどころの指導のこと。
個人的には、『because』の使いどころが分かってない生徒が非常に多いので、大変注意が必要だと感じる。(例↓)
誤)I like winter. Because I can enjoy "yukigassen".
正)I like winter because I can enjoy "yukigassen".
また、パラグラフ構成もそんなに難しい話ではなく、例えば
導入:I think (that) ~ for the following reasons.
↓
展開:First, ~ . Second, ~.
↓
結論: Therefore, I think ~.
という構成で論を進めましょう、とかそういう指導のことだと思う。
②ピアフィードバック活動
これはペアでお互いの英作文への意見を述べ合うというものであろう。
直で読者から意見を貰うことで、否応なしに『読者目線』を学べる方法だ。これはいつかやってみたい。
クラスの雰囲気や人見知り度合い次第では、適当な例文をこっちが用意し、それにコメントを書かせるというのもアリかもしれない。
では、この指導の結果どうなるのか?
この論文では、実際に中学生へ4週間に渡り上記の指導法を伝えた結果も載っていた。
詳しい数値は論文を参照してほしいが、
使用語数が有意に増えた!
正確に語や文法を運用する能力が微増した!
ネイティブによる採点で、点数が有意に伸びた!
という具合。ただ、母数が少ないことや期間が短いことと言った弱点も挙げられていたので、そのまま鵜呑みにするのは危険かと。
とはいえ有用な方法には違いなさそうなので、英作文の指導に手をこまねいているなら、ここから始めてみてはいかがだろうか。
-てなわけで、やはりこういう『論理力』を鍛えるカギは、
接続語のストックと、論理構成を知ってそれを使いこなす練習
が要なのだなと改めて確認できたという話。何かの参考になればありがたし。
では今日はこの辺で。