皆さんは、『挙手』や『質問』は出来るだろうか?
ちなみに僕はできないタイプだった。そして生徒のことを思い出しても、多分『できない』方が多数派だと感じている。
しかし、『挙手』や『質問』が出来ないままだと、成績内の『関心・意欲』に悪魔の『C』さえ付き得るほど、この辺は大事な要素である。
加えて、『自分の意見を発信する』という重要な訓練も積めないので、『できない』からと放置するのも怖い分野である。
そこで今日は、そんな『挙手』や『質問』を出来る生徒にするため、こちらが打てそうな手をまとめて、ご紹介する。
そもそも『挙手』や『質問』が出来ない心理とは?
まず具体的な方法論に入る前に、『挙手』や『質問』が出来ない子の心理を解説する。
そういった子たちが深層心理で抱えているものは、ほとんど例外なく同じだ。
それは、『失敗への恐怖』である。
「変なこと言って笑われたらどうしよう・・・」「違う答えを言って怒られたらどうしよう・・」「間違えたら恥ずかしい・・・」
等々、『恥』を『恐怖』と考えていると、やはり発表の場に出ていくのは難しい。つまり、まず手を打つべきは、このようなメンタルの話である。
それを踏まえた上で、以下具体的な手をご紹介。
『恥』を打ち破るメンタルを鍛えよう!
① クイズ大会
たまに授業の導入に、簡単なクイズ大会をしている。ふと気付いたのだが、これをすることで、ほぼ例外なく全員が挙手するようになるので驚きだ。
例えば最初はちょっともじもじしている子も、他の子が超トンチンカンなことを言って爆笑を取った後などは、『ここだ!』と手を挙げるのをよく見る。
『間違えることは恥じゃないんだ』『別に変なことを言っても死なないんだ』
というのを無意識に教える術として、超オススメである。(答えやすくするため、『ジャンル』を色々作ると面白い。イメージは、内さまの『大自然クイズ』である)
②音読
国語か何かの時間に行う音読も、『何かを発表する、できる』という経験値を積める大切な時間だ。
そして、ちょっと引っ込み思案な子に音読をしてもらうコツは、『まずコチラが思い切り恥をかいてやること』に尽きる。
例えば、かなり恥ずかしいが、僕は全力で大塚明夫風にモノマネしながら、説明文の最初の一行を読むことがある。
また小説を読む際は、出来るだけ全力で演技するつもりで、セリフを読むようにしている。
こんな風に、恥ずかしい(とそういう子が感じる)状況を思い切り超えておくのは大切なのだ。
『噛んでも漢字を間違えても、アイツほどじゃねーし』という比較対象を作っておく。それもまた講師の仕事の1つだと感じている。
③各生徒の得意分野を把握する
生徒の得意な分野を知っておきましょうとはよく言うが、僕はその定義について、『科目』や『単元』だけでは不十分だと感じている。
論理派?直感派?好きなアニメや漫画は?スポーツは?興味を持つ話題は?
等々、かなり細かく把握できるように努力している。理由は簡単で、そこを狙って発問し、『言える』『当たる』経験を積ませるためだ。
例えば、歴史の出来事を、漫画のキャラに置き換えて話をするのもアリだろう。こちらの力量も問われるが、持っておきたいカードである。
④失敗を笑う空気を徹底して排除
最後はシンプルだが、かなり難しい話を載せておく。
やはり結局は、『間違えること』を『笑っていい』という誤った空気を徹底排除し続けることが大切だ。
生徒間の雑で面白くないイジりは、聞いていて本当にうんざりする。だから僕は、そういう際は不快感を一切隠さずに注意している。
―とはいえ、いきなり例えば張り紙なんかを貼って啓発するのではなく、そもそも不得意分野を発問しないなど、前段階で打てる手を考えるところから始めよう。
ということで今日は、『挙手』や『質問』について書いてみた。
正直、『挙手』しないから『関心』が無い!なんてのはただの暴論だと感じる。感じるのだが、まだまだこの価値観は根強いので、はぶててもしょうがない。
皆様の周りにいる引っ込み思案の子が、一人でも一歩を踏み出してくれる。そんなヒントになっていればありがたし。
では今日はこの辺で。