完全なる私見だが、作文やスピーチを書いたり言えたりできるようになるためには、一にも二にも情報収集が要だと思っている。
独断と偏見によるそれらは、実際のところただ妄想を書き殴ったり、声に出して読んでいたりするだけだからだ。感情論が関の山で、聞く人が聞けば冷笑で終わりだ。
このことは作文やスピーチの模範例題を見てもわかる。良いそれらは、テンプレどうこう以前に、まず情報量が多い。
ストックした情報が多いからこそ、色んな仮説を立てることができ、結果そこから自論へと発展させていくことができる・・と考えている。
材料が皆無の状態でたくさんの料理を作るのは不可能なのと同じだ。お米だけだと、そのまま茶碗につぐか、おにぎりかしか出来ないのと似ている。
さて。では、こういった『情報量』を爆発的に増やすにはどうすれば良いかだが、僕は『話題のトピックを自分で調べる』ことが一番効果的な練習だと感じる。
実際、何とかして生徒に実践させたいくらいだ。スマホやPCを断つのではなく、使いこなせるようにした方が健全だろう。
ってことで、今日はそれのお話をば。
狙いたい効果。
いの一番に狙いたいのは、『結果に対して、理由・根拠を求める思考』をクセづけることだ。
いわゆるインパクトの強いニュースやコメントは無条件に飲み込みがちなのが人間の性だが、そのまま突っ走ると下手すれば友達を失う。
不遜なことを言うが、僕はその人がニュースを表面的にしか見れないかそうじゃないかは、意見を聞けば速攻で分かる。感情論しか出てこない場合、前者だ。
こと受験に関しては、感情論のポイントは非常に低い。別にそれを主張として言っても良いのだが、そう思う根拠は客観的なものでないと、説得力がまるでない。
「それは君の感想だよね?」と言われたらガチで論破なのだ。そうならないような論の組み立て方は、話題のニュースの表面からの掘り下げで、僕は出来ると考えている。
そして二つ目の狙いは、『知識のネットワーク化』だ。
話題のテーマを掘り下げると、実はその根っこは非常に大きいカテゴリにあることが多い。そこに辿り着けば、出所が同じ事象をまとめて理解できる一助になる。
例えば、社会保障費問題や、既得権益層といった黒い話は、根っこを辿りに辿れば『少子高齢化』に落ち着く。(まだまだいけるけど)
このとき、『あぁ、これとこれって、似た者同士か』という感覚を抱ければ、そこで知識がバシッと繋がる。抽象的だが、より深く強く、物事を理解できたという話だ。
―この辺りは実際にやってもらわないと、なかなか難しい気がしてならない。
ってことで次項にて、試しに例題を用意してみるので、ぜひ取り組んでみてほしい。
話題のトピックについて調べてみよう。
以下、簡単にレベル別問題を用意してみた。自分がやるもよし、お子様と取り組んでみるもよし。
軽い気持ちで挑んでみてくだちい。
Lv.1 おにぎりとおむすびの違いって何?
Lv.2 最近色んな店でジェットタオルが使われなくなったのはなぜ?
Lv.3 コロナウィルスのワクチンはなぜできないの?
Lv.4 東京都でコロナの感染者が激増しているのに、政府の対応が冷静な理由は何?
Lv.5 最低賃金を上げることは正義のようなのに、なぜみんなそうすることに慎重なの?
―ってところだろうか。あくまで皆様で論を組み立ててほしいので、模範解答は用意しない。
だがそれだとあんまりなので、ヒントになるソースを以下にまとめておく。(Lv.1は簡単すぎるので除外)
Lv.2 最近色んな店でジェットタオルが使われなくなったのはなぜ?
Lv.3 コロナウィルスのワクチンはなぜできないの?
Lv.4 東京都でコロナの感染者が激増しているのに、政府の対応が冷静な理由は何?
www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp
Lv.5 最低賃金を上げることは正義のようなのに、なぜみんなそうすることに慎重なの?
という具合。ぶっちゃけ最後のページのとある項に僕は少しイラっとしたのだが、感情論以外の根拠を示せないので明記しないでおく。
―てなわけで、丁寧に表面的な説明やコメントを選りすぐっていけば、中立なデータや書き方は案外出てくるものだ。
もちろんそれは、言葉が優しいだけで何らかのポジショントークの可能性もあるが、何も考えず鵜呑みにするより遥かにましだ。
『自分の意見で書こう!』『起承転結を意識しよう!』―の前に、やるべきは色んな知識を吸収することだ。
作文やトークが上手い人に、広義で無知な人はいない。そこだけは確実だろう。
では今日はこの辺で。