詳しくはぼかすが、最近小学校低学年の子の国語を指導するようになった。
―しかし頭が痛いことに、その子は国語が結構苦手であり、かつなかなかその間違いも直らない状態が続いている。
例えば、『なぜですか?』と聞かれても、『~から』で答えを結べないという感じだ。どんな問題も、文章の一部を丸ごと抜き出すクセが抜けてくれない。
また、まだまだ『論理の組み換え』が苦手という状態でもある。
簡単に言うと、
『向こうを走っている男の子は太郎です』
という文を、『太郎は、向こうを走っている男の子です』とかにできないという話である。
やってても成長が感じづらい。どうすればこの暗闇を抜け出せるのかもわからない。
僕自身もそうだし、生徒や保護者の方もなかなか辛い状況が続いているなぁ、と。
一介の塾講師の仕事の範疇なのかも微妙だが、この辺はたまに時間を取って、ガッツリ事例とケアの具体的方法を調べては、その子に試すことを繰り返している。
―すると、次第にではあるが、『効果がある方法』ってのも確かに見つかるようになってきたのだ。
今日は少し文章が荒くなるのを覚悟で、急ぎこの辺を取りまとめたい。
鍵は、情報を色んな方法で表し、解釈すること。
一口に読解力や理解力が弱いと言っても、その原因や症例は結構バラバラなことが多い。
例えば、文章を読んで理解できなくても、こちらが音声化(音読)すれば途端に答える生徒もいる。
逆に、口頭で聞いてもチンプンカンプンなのに、文章を渡したり、伝えたことを黒板に書き出したりすれば、即答できる生徒もまた然り。
更には、両方苦手でも、簡単なイラストにしたり、シンプルな図表に置き換えたりすると、結構答えられるケースもある。
今僕が指導している生徒もそうだ。読んでも発問しても『?』なのだが、こちらがなるだけ『図表』にすれば、答えには何とか近づいていく。
例えば、『このセリフをしゃべったのはだれ?』と聞いてわからなくても、打つ手はまだある。
僕が試して効果があったのは、吹き出しと棒人間を書いたうえで、吹き出しにセリフを書き込み、『喋ってんの誰?』と発問することだ。
それでも難しければ、答えが含まれる文を示しながら、『この文を音読して』と指示を出す。
―語尾のチョチョイとしたミスは、見て見ぬふり。まだその段階ではない。
今のところは、『文章』『音声』『図表』の3通りで、本文や問題を整理してあげれば、時間は掛かるが『情報の吸収』にはつながっている。
完全にその子にかかりっきりにはなってしまうが、背に腹は代えられない。『もしかして・・・』と思う節があれば、試してみてはどうだろうか。
その他気づき。
教えててイライラしちゃわないように、あらかじめ僕が気付いている【苦手】な子の特徴を、付録みたいに載せてみる。
①指示は1つずつ出さないと、解釈できない。
→『5行目を読んでくと、真ん中くらいに"これ"って言葉があるけど、何のことを言ってるか抜き出してみて!』とか最悪。
②言い換えをいきなり求めると、フリーズする。
→『(本文には【得意なこと】みたいな書き方だったとして)この中から、〇〇が上手にできることを探してみて!』・・と言って、答えがすぐ返ってくるのはレア。
③国語が全てできないとは、限らない。
→実際見ている生徒も、漢字の理解や正答率は高い。
ってとこですかねぇ。
依然として、研究も難しく、脳内で何が起きているのか謎だらけという状態なので、今の方法がベストかどうかも実際よくわからないです。
とりあえずカウンセリングとかはできない僕なので、『学習の支援』という意味では、テキストを色んな方法で解釈してあげることが今のとこのベストかなと思う。
では今日はこの辺で。