短期間で○○点アップ!!というパワーワードがある。
広告に使われる誇張表現にも見えるが、実際のところ、レアケースとはいえこれは起きている印象だ。
わかりにくい比喩だが、サファリゾーンでストライクやケンタロスと出会う確率くらいの頻度である。
ただし、乱数による調整ではなく、現実の人間が引き起こすそれは、結構色々な要因が噛み合ってのそれなはずだ。では、その要因はなんだろうか?
僕は、その要因は存在すると強く感じている。しかもそれは、唯一といってもいいし、非常にシンプルである。
だが・・・それを狙って引き起こすことは激ムズだとも思っている。今日はそれについて持論を書いてみる。
ハマれないものは伸びやしない。
その要因とは、『勉強にハマっていること』。これに尽きる。拍子抜けされただろうか?
急成長した生徒も、過去の友達も、そして自分が急激に成績を伸ばした時も、その根っこにあったのは『ハマっている状態』である。
この状態になれば強い。放っておいても、深い集中力で長時間勉学に取り組むからだ。だから、如何にここへ入るアシストをできるか?これが要となる。
―とはいえ、そんなの当たり前で、そんなことができたらわけがない。そう思う人が大半だろう。
もちろん、そもそも『好き』からのめり込んだ生徒もいる。だが、実は全然違う方向から没頭していった生徒も多い。
ってことで次は、ヒントになるかもしれない事例を列挙しよう。
ハマったきっかけは何か?
実体験として感じる『ハマる』ポイントは、偶発的なものも混ぜれば以下の通り。
①本人の中でゲーム化されている。
②成果が出ている。
③その対象により、ドーパミンが分泌されたことがある。
①については、意外とアバウトだが・・。面白いTVゲーム等に必ず入っているモードを想像するとわかり易い。
努力がテンポよく報われ、レベルがサクサク上がり、つまづいたらレベルさえも調節できる。
レースゲームなら、過去の自分との対戦、ライバルとの競争、またはタイムアタックなんてところが面白い。
―勉強というタスクにおいて、この要素を自分でクリエイトできている生徒はマジで強い。
かくいう僕も、英語の成績が一番上がった時は、英語の学習そのものではなく、『音読』ができるようになっていく自分が嬉しくてハマっていた。
もう一発バカ伸びしたときも、英単語アプリを解くことではなく、如何に速く解くかというタイムアタックにハマっていたくらいだ。
努力の方向性さえ間違っていなければ、ゲーム化してハマれば勝ち!である。努力は天才に勝てないが、熱意無い天才は熱狂した凡才に勝てないのだ。
※ちなみに天才が熱狂すると生まれるのが、10年に一人クラスの逸材です。
また、ハマるために欠かせないのは、②で書いたように『成果の可視化』である。やはり、結果が出ないものはやってて非常にツマラナイ。
この設計が非常に上手なのが、いわゆるRPGだと思う。例えばドラクエもFFも、ラスボスを倒すというデカい目標までに、いくつもの中ボスがいる。
そこを次々クリアすれば、勝手に物語は進み、最後まで行きつける。また、サブクエストを非常に多く用意したり、やりこみ要素を盛り込んだり・・。
なぜあのゲームに僕たちはハマってしまうのか?やはり、そのための工夫が凄いからというのがデカいのだろう。これは見習うべきである。
だから、自分なりの『成果が出たと言って良いライン』を自分で作れる生徒は非常に強い。或いは、飽きたときの選択肢を複数用意しているかどうか。
ルーティンと熱中は似て非なるもの。"こなす"と"ハマる"は月とスッポンである。
そして③。こればっかりは、完全に偶発性。
対して好きでもないことが急に好きになるとき、その人の脳内では多分快楽物質がドッバドバに出たことがトリガーになっている。
僕が野球にしばらくハマっていたのも、ほぼ初期の頃にヒットを打った快感が忘れられなかったからだ。(成長が停滞してつまんなくなって止めたけど)
また、数学の先生に、新たな解法を見つけたことを滅茶苦茶褒められて、そのまま数学者を志した人ってのもいる。それくらい、快楽の力は強いのだ。
ここは自助努力の範疇を超えている。僕らができるとしたら・・とにかく肯定することと、結果を出せるよう色んな取り組みを用意すること、なのかなぁ。
終わりに。
ってことで身も蓋もない共通点をもう一発。
『勉強にハマっていること』。これに尽きる。
これは才能もある程度寄与するだろうが、どれだけ多くの手数を用意するかという、生徒が、そしてこちらが手を打てる部分も多分にある。
思考を停止させず、考え続けたいテーマである。
では今日はこの辺で。