自分の喋り方やジェスチャーが、見事にハマっている切り抜き動画のそれに似てきたので、思わず笑っちゃう中元です。
さて。今日は塾講師をやっている身として、タブーに近いことについて私見を書こうかなと。
塾講師は成績を上げることにコミットすることが仕事なのだが、それを一義に掲げ続けていると、心がへし折れる場面が少なくない。
例えば、国語が苦手な生徒がいるとする。読んだことないけどビリギャルとかに感化されていると、その子でも絶対伸びると思う人は多い。
しかし、世の中はそんなに甘くない。例えば以下のケースを熟読すると、結構ダークな世界がうかがい知れるのではなかろうか。
もちろん専門医でもない素人である僕が診断はできないのだが、どうしても疑わずにはいられない実例を示してくる生徒は、それこそゼロではない。
そういった生徒は、普段学校で行われる授業とは別の切り口での指導や方法じゃないと効かないことが多い。例えば以下のように↓
乱暴な和訳と要約↓
【教えていた生徒で一番顕著な例を伝えましょう。4年生であっても「5」という概念がわからず、2+3も解けなかったのです】
・・・この辺りの知識が無い状態で、非常に責任感が強い人がその生徒を担当すると、お互いどうなっていくかは想像に難くない。
今日は何か具体的な解決策とかそういった話じゃなく、この分野は勉強するべきだよという提案を、以下述べていこうと思います。
謎多き症状:【LD】について。
Beating dyscalculia: Treatment, Exercises, Causes, Symptoms, Types, Assessment and Definition
【LD(学習障害)】という言葉が日本に入ってきたのは結構新しく、1990年頃なのだという。
ただし、言葉としてこれが用いられ始めたのがその年代からというだけで、概念そのものは1950年代からアメリカ等で研究されていたそうだ。*1
では、その具体的症状は何なのか。それについては過去に記事にまとめたので、より細かい情報はそちらを参照してほしい。
jukukoshinohibi.hatenadiary.com
今日はそれよりも、これらの【現状】についてまとめておきたいと思う。
【努力不足】は本当か?
https://www.weareteachers.com/dysgraphia/
一番深刻なのは、【学習障害】という言葉の認知度の低さだと思う。
大規模な認知度調査を行った実例はどうやら無いそうだが、50人ほどを対象に行ったそれについては、2012年発表の論文に以下のグラフが紹介されていた*2
『言葉は聞いたことがある』という人をどっちにするかが難しいが、仮に「知ってる」側にしても認知度は半分ちょいで、逆ならなんと10%ちょい、という感じになる。
そして悩ましいのが、学習障害の定義として、以下の部分があるのが挙げられる。
知的な発達に遅れはないにも関わらず、読みや書き、計算などある特定の課題の習得だけが、他に比べてうまくいかない状態
すなわち、一見超普通な生徒に見えても、勉強だけが壊滅的という意味だ。だから大人からすれば、「サボり!」「怠け!」「努力不足!」という捉え方になる。
しかも、学習障害のメカニズムは、ほぼ全く解明されていない。英語のサイトも日本語のそれも結構調べたが、決定打は当然ながら、無さげ。
もちろん改善したケースはあるものの、それは全体の総数と比較すれば、やはりかなり少ない印象だ。(それでも凄いと思うけど)
だからこそ、少なくとも教育に携わるのであれば、この言葉は基本をカッチリ学んだうえで、最新情報をなるべくインプットし続けるくらいじゃないと、厳しいのでは?
僕は生徒にもご家庭にも講師にも、要らぬストレスやプレッシャーといった精神的疲労を与えたくないので、ここの知識はこれからもガッツリ深めていく所存である。
まとめ。
・・つまり、仮に診断が出ていなかろうとも、基準である【ひとつかふたつ前の学年で習うことができない】という状態が見えるなら、あまり背負いすぎない方が良い。
特に校舎を預かる責任者や、クラスを預かる教師がここに対して無知だと、僕は非常に怖いし不健全だと思ってしまう。
もし色々調べる中で、経験則なり新しい研究なりがわかってきたら、惜しみなくシェアしていくので、軽い気持ちで覗いていただきたし。
では今日はこの辺で。