教育相談をする中で一番ホットな話題は、今も昔もやっぱり『受験』である。
『就活』はぶっちゃけ茶番だと思うことはあるが、『受験』は結構ガチで人生ひっくり返るレベルだ。だから努力はしてほしいと思うし、応援も全力でする。
・・・しかし、負い目でもなんでもないのだが、僕は中学受験をしていない。というか、そういうシステムの存在そのものを知らなかったのだ。
中学に進学したとき、何人かの友達がいないことに気付いた。周りの奴らに尋ねると、彼ら彼女らは『ジュケン』なるものをして、『シンガク』したのだという。
🤔(僕:他にも楽しいことあるのに、なんでオモロない勉強を、あんなにムッチャ頑張れたんだろう・・・)
片田舎の小坊主だった僕は、純粋にこう思ったものだ。だって、知らなかったんだから。そういうシステムがあると知ってたら、僕は頑張れたかな?
今日はそんな思考実験をしてみようと思う。
結論を言うと、多分しない。僕にとっては、デメリットの方が多いからだ。
これを説明するために、逆に『受験』のメリットを考えてみよう。ただしここでは、『当事者目線』に絞ることにする。
まず挙げられるのは、同じような志・能力を持った集団に属せるというところだろう。もっと激しい言い方をすれば、良い方に人間関係をリセットできるという話。
確かにこれはある種セールスポイントである。僕も何人か、こいつらと青春を過ごしたせいで少し歯車が狂ったと思える人間が数人いるからだ。
そいつらと分離できた高校3年間は、すっげぇ楽しかったですよぉ~。
―閑話休題。
あるいは、勉強が得意な生徒からすれば、フツーの公立校とは遥かに高いレベルの授業やサポートを受けられるのも強みとなる。
特に医者の息子・娘ともなれば、受験に備えた猛烈な勉強を10年スパンで続けねばならないので、迂遠なことは絶対にできないであろう。
ということで受験をすれば、そしてそれが上手くいけば、人生のステージを一般論として上に高めることが可能となる。
嫌な言い方をすれば、住む世界を一旦上に変えられるのだ。いわゆる漫画で言うところの優等生の世界がそこには広がっている。
―ってのを考えても、というかむしろそういうのを考えれば、僕は受験を選ばないだろうなと思う。
まず僕は、激烈な人見知りだ。人間関係のリセットは、僕にとっては恐怖でしかない。不幸なことに、受験を選んだ人たちは、僕とそこまで親しくは無かったし・・。
また、僕は当時はっきりと勉強が嫌いだった。だからこそそれに特化した環境は、運動嫌いが体育大学に行くのと同じくらいきつい。
つまり、受験のメリットは、僕という特殊(に見えた一般的な)男にはすべてマイナスに作用するのである。
ってことで、環境を変えたいとか、レベルの高い学習をしたいという思いがあるなら受験はオススメしても良いのだが・・・。
それがその子にとってプラスに作用しないのなら、多分頑張り切れないので、結果はさてどうでしょう。ダウトである。
・・・ちなみに補足だが、大人になってから中学受験を選んだ同級生たちにその理由を聞いたことがある。一応まとめると、
『医者になるから(実際なってました)』
『高校受験に英語を使いたくなかったから』
『勉強が得意で好きだったから』
とかそんなのが返ってきた。参考にされたし。
では今日はこの辺で。