これを言うと少し驚かれるのですが、実は英検2級までは持ってませんし、受けたこともありません。中元です。
さてさて。キャリアばっかりいっちょ前に重ねていくと、他の講師の授業を見てあーだこーだと言うという場面もできてくるわけで。
つくづく思うのだが、「わかりやすい授業」と「なんか頭に入ってきにくい授業」ってのは、厳然とやはり存在する。
自分のはどっちなのかってのはさておき、ここで抱える違和感はちゃんと昇華しておきたいなと思うわけで。
そして気づいたのだが、『わかりやすい授業は直訳も専門用語も少ない』傾向があるように思えるのだ。
今日はそれについて書いてみます。
『わかりやすさ』とは何かといわれれば結構難しいのだが、僕は『相手の腑に落とす力』だと考えている。
もっと固く言うと、『相手が知っている知識に結びつける力』とか、『相手が理解できる水準にまで言葉を言い換える力』という感じかなと。
・・・正直に言うが、専門用語や横文字を多用するタイプは、多分それをわかっていないんじゃないかなと思えて仕方がない。
僕自身も、教科書通りの説明とは違う説明の仕方が浮かばないときは、自分はそれをわかっていないんだなと考えるようにしている程だ。
そしてそれは結構間違っていない自信がある。ぶっちゃけ、難解な言葉を難解なまま人に喋るのは死ぬほど簡単である。
例えば、『stalement』という英単語がある。意味は、単語帳直引きだと「膠着状態」だという。なるほど!わかった!!
というのは大抵勘違い。「膠着状態」以外の言葉を使って『stalement』を説明できないと、わかってるんじゃなくてただ知ってるだけである。
ここを鍛えるには、例えば英英辞書を引くとか、ネットで例文付き和訳を調べるといった工夫が必要だが、最終的にはどうしても各人オリジナルな感じになる。
ちなみに僕自身が納得した「膠着状態」の説明は、『なが~い時間物事が動かないこと』で、『0-0のまま野球の回が続く感じ』というもの。
後者は生徒のキャラによって例を変えればいい。そう考えれば、『かなり砕けた言い回し』と『具体例』がセットになれば、大体大丈夫そうだと言える。
・・・そういうことを意識しながら今日は中学生に英検2級の授業を行ってみた。正直、英単語の訳がそもそもクッソ難しい日本語なので、非常に大変である。
例えば皆様は、以下の英単語と和訳をどう説明されるだろうか?繰り返すが、相手は中学生である。
conference「会議」
consider「考慮する」
oppotunity「好機」
climate「気候」
・・・手前味噌だが、僕はそれぞれ以下のように説明した。
conference「会議」
→meetingを超カッチリさせた感じ
consider「考慮する」
→thinkの3倍くらい真面目に考えること
oppotunity「好機」
→chanceと同じ!
climate「気候」
→単品じゃなくて、climate change で「気候変動」とか、climate conditionで「今日の天気」って風にセットで考えるといーよ
はい。言っていることはバカ丸出しというか、ある程度教養を得た大人にこんな教え方をしたら怒られそうな言い回しである。
しかし相手はキッチリと英検2級の説明文を理解してくれたので、その生徒の力量ももちろんあるが、工夫の方向性として間違いないとは考えている。
分詞構文という言葉を使わずに分詞構文を説明できるか?仮定法過去とは何なのか?つーか、不定詞ってなんやねん。
こういった疑問に真っ向から立ち向かうとは、教科書以外の説明を考え出してくっつけることだと僕は考えている。
それをサボって、英単語を直訳で暗記して理解した気になるのはマジ危険。これは講師としてだけじゃなく、受験生としても、である。
自分もそっちに突っ込まないよう、意識して気を付けたいところである。
では今日はこの辺で。