精神年齢9歳講師のブログ

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【英文読書ルーティン日記80】"WHEN TO ROB A BANK"読書感想ブログⅠ ~インセンティブの目線から世界を理解する~

謎に早起きができたのですが、体感としてクソ寝不足を感じます。今日は昼寝しないとな・・・。中元です。

 

はい。100日以上読み続けたBIGBANGが終わっちゃったので、今度は"WHEN TO ROB A BANK"という、ヤバい経済学の著者の本を読むことに決めた。

 

大量にあるブログ記事を基にした本で、一話完結側に近いのではと、結構期待している。サクサク読める方が、英語に関してはモチベが上がるんで。

 

ということで紹介もそこそこに、読んでみた感想を以下に綴っていきましょう。

 

 

6月20日(月) 最も効果的なテロ活動とは?

 

しょっぱなからクレイジー極まりないテーマであった。なんと、一番効果的なテロの方法を考察していたのだ。

 

テロ対策として、空港の警備はどこも厳しく、例えば機内には、手荷物として歯磨き粉を含む液体や、ライターも持ち込み制限が掛かっている。

 

そうすることによって、法律を制定するコスト、徹底させるコストといった二次的なダメージをテロは与えているのではないか?という疑問が始まりであった。

 

しかし、そもそもテロはどこまで頻発している行為なのか?というより、防ぐことは現実的に可能なのか?

 

それを基に著者が考案したテロの術は、いくつものグループを国中に派遣して、各地で同時に無差別乱射を車から行うというものであった。

 

テロが最も効果を持つという、恐怖・殺戮・ランダム性・逃亡の容易さといった要素全てを満たしていることから、そういう意味では正解かもしれないが・・・。

 

案の定、大炎上。コメント欄は数百のヒートアップしたそれで埋め尽くされた、「おおばかだ!」といった頭を使っているのか微妙な言葉が並んだのだという。

 

ーもちろん筆者の真意はそこに無くて、正直テロ活動ってこんな程度でダメージ半端じゃないし、過剰な対策は無駄じゃないっすか?ということらしい。

 

ギチギチに法律を作り込んでも、武器になりうる道具全てを制限することはできやしない。例えば包丁は、調理道具である。以上。でも人を刺す凶器にもなる。

 

実際、テロに巻き込まれて死ぬ確率は、車に轢かれて亡くなる確率に比べたら、ずっとずっと低いのだという。

 

要は、コストと利益のバランスだ。なんかこの人が経済学らしいことを語っているのは、珍しいことのように思える。

 

ちなみにこの一件を見て、「コロナのそれにそっくりじゃん」と思えた人は、経済学を学んできたか、相当なセンスがある人だと思いますぜ。

 

6月21日(火) 税金戦争

 

頭が良いとされる人ほど、物事のルールを深く理解し、運用し、そしてインチキをするらしい。それが合法ならいいのだが、グレーゾーンなら厄介である。

 

だから為政者は、そのインチキに合わせて、システムをさらに強化する。そのためには、人員が要る。人員増強にはコストがかかる。すると、税率が増える

 

あらゆる手を使い、税金を誤魔化している人間を許さず追い切る。さながら戦争の如く。なんか今日は、そんな話であった。

 

身の回りの生活を見ていても思うのだが、税金に関する話は、本当にシレっと通っていて、知らない間に施行されていたりする。消費税とか最たるものだろう。

 

今もインボイス制度がどうとか盛り上がっているようだが、これも結局、脱税を防ぐための制度だ。ぎゃーぎゃーいう人は、後ろめたいことがあるの?と勘ぐってしまう。

 

ところで、ある種の戦争状態ともいえるこのすったもんだは、得てして無知な人ほど知らない間に割を食うことが多い。それは僕もまた然り。

 

ここは雲を掴むような勉強が必要になるのだが、僕も折に触れて、学習に取り組もうと思った。時間があれば、だけど。

 

6月22日(水) もし図書館という存在が無ければ、作るべきか?

 

今日は図書館についての二律背反的な話であった。何かしらの教えが示されるというより、立場変わればメリットもデメリットもコロコロ変わる好例、的な話である。

 

図書館に置かれる本は、好き勝手に担当が買ってくるとかじゃなく、アメリカの場合はプレゼンみたいなのを行って、買う・買わないを決めているらしい。

 

当然、デカい図書館に売れたり、多くのそれに採用されたりすれば、営業としては大成功となる。

 

そして、無料で手に取れるところに膨大な知識があることは、当然市井の人々にとってもいいことである。

 

だが、ちょっと割を食っている人がいる。それは、著者だ。著者の収入源は、本の売り上げである。図書館で読まれたら、売れる本も売れなくなるのでは?

 

しかしそれもまた難しい話で、図書館で、無料で読まれたからこそ、認知されて売り上げが増えるという例も容易に想像できるからだ。

 

論理的に考えれば考えるほど、決着はつかなくなる。つまり作った方がいいのか、作らない方がいいのか?

 

今や図書館は文化として当たり前になったけど、様々なインセンティブ渦巻く現代でゼロからそういうシステムを創ろうとなったら、果たして可能なのだろうか。

 

少なくとも、今とは全然違う何かになることは決定的だろうけど。

 

6月23日(木) 終身在職権は生産性を殺す?/客室乗務員にチップを渡す文化が無いのはなぜ?

 

英検準1級単語レベルだと思う「tenure」がいっぱい出てきた記事であった。要するに、大学の教授がクビにならないことを保証する権利のようなものである。

 

果たしてこれが良いことなのか、悪いことなのか。書かれていることは結構辛辣だったが、廃止して困るのはサボってきた教授だけ、ということらしい。

 

例えばプロのアスリートのパフォーマンス向上に一役買っているのは、マズい結果を出せばクビになるというシステムという指摘があった。これはその通りだと思う。

 

だがこれは裏を返すと、マズいことをしてもサボってもクビにならないのなら、一番合理的な選択は、ギリギリまでサボって給料だけもらう、という行動になる。

 

だからこそそうしている人も多いそうなのだが、一斉に各大学がこの制度を止めて困るのは、ぶっちゃけこういう人たちなのだという。

 

優秀な教授たちは、そもそもtenure関係なく仕事するし、研究もするという。だから、給料もさして増減しないし、その給料に見合う仕事をしているともあった。

 

tenureによって一番コストがかかるのは、それによってタダ乗りする人たちを養うこと。硬直が生む損害のデカさが、よくわかる好例だと思う。

 

そしてもう1個。いつぞや読んだ気もするのだが、客室乗務員がチップを受け取らない理由について、という話だった。

 

一応筆者がトライしたそうだが、「私たちは客室乗務員です。ウェイトレスじゃありません」とカッコよく断られたらしい。

 

なぜチップを受け取らないのか?少し理由を考えてみたが、単に機内へ財布を持ち込む必要がないから、おカネを持たない人が多いため、じゃないかなと。

 

或いは、ドル・円・ウォンといった貨幣のうち、どれを渡せばいいかよくわからないからではないだろうか。

 

手数料とか手間を考えたら、外国のチップなど貰わない方がベター。そういう面があるんじゃないかなと、僕は勝手に考えている。

 

6月24日(金) 便利にしたければ空港を一つ閉鎖せよ。

 

コロナ前に僕も食らったことがあるのだが、とにかく海外の飛行機やバスは遅延する。30分程度誤差というか、許さないお前の心が狭すぎるといわんばかりに。

 

アメリカの空港も同じようで、遅延はもはや当然であり、時刻表はただの理想論が書いてあるだけ、というありさまなようだ。

 

どうすればそれが消えるのか?パイロット曰く、空港を1つ潰すこと、らしい。それがあるせいで、その他の空港の機能が中途半端になっているから、だそうだ。

 

ミクロ経済学で言うところの「限界生産力逓減の法則」に似たところだろうか。局所的に資本を集中し過ぎると、逆に生産効率は減ってコストが増える、あの話だ。

 

例えば教室の掃除をするとして、30人で一斉に教室を掃除というバカなことはせず、役割を分担して必要最小限の人数でやった方が、多分すぐ終わる。

 

そして余った資本を別のところに投下できるので、全体としての益は増すという話だ。ぶっちゃけ、当然のことだと思う。

 

さて。空港に話を戻すと、詳しい事情は知らないが似た状況らしいので、むしろ閉鎖することこそが効率化を生む、と考えるパイロットが多いそうである。

 

ーが、その空港にも当然多くの利用者がいるし、政治家御用達の場所でもあるという。となれば、すぐすぐに潰れるわけじゃないよねと、まぁ秒で諦めていた。

 

こんな風に、非効率とわかっていながらも、利権とか情とかでメスが入らないところは、日本にもいろいろあるよなぁと、そんなことを思わされた。

 

6月25日(土) 徴兵制の隠れたコスト/市場原理を医療制度に注入する

 

軍隊は志願制にすべきか、徴兵制にすべきかという話だが、経済学的には圧倒的に前者なのだという。理由は、後者はコストが高くつくため、らしい。

 

確かに、やる気がない人でも働かせるコスト、無能な状態から鍛えていくコスト、その辺もろもろを考えると、主に時間的な資源を大きく奪われると気付ける。

 

自衛隊や警察に応募してくる人間が、そもそも運動ができたり、ある程度筋肉があったりするのと逆である。

 

だからこそ、軍事力を増したいのなら、無理矢理徴兵するのではなく、給料を上げたり、一時的な加入(非常勤的な)制度を認めたりと、そっちが先だという。

 

ちなみにこの記事は、イラク戦争が一番激しかった頃の着想がベースとなっている。なんというか、時代を感じる話である。

 

そしてもう一つ、イギリスの福祉制度についても、解決策というか提案が書かれていた。さっき調べて驚いたが、イギリスの社会保障は無茶苦茶手厚い

ja.wikipedia.org

 

だがこれは同時に、予算の大半がここに投入されることを意味する。だからこそ、ここは財政負担というダークサイドと、切っても切り離せない分野である。

 

筆者の提案は、確か”毎年の国全体の医療費を、国民の数で割ったものに当たる額を、全員に年始に振り込んでおく”というものだった。要は現金支給てな具合。

 

その代わりに、医療機関ではきっちりと料金をいただく。実をいうと、アメリカの例を見てもわかるが、有料になった瞬間、人はそれを使うことを避けるのだ。

 

もちろん中には、その金額を丸儲けする人もいれば、重い病気になってそれ以上の支払いが必要になる人もいる。だがそれは、普通のことではないか、と。

 

例えば、屋根が壊れたとする。これは高い買い物だ。屋根が壊れなかった人より、俺は不幸だ。だって、自由に使えるお金が、不慮の事故で減るんだもの。

 

だから何?それって誰でも起こりうる普通のことでしょ?・・・てな具合に。

 

遅かれ早かれ、日本の医療制度は限界を迎えるとされている。僕はこの施策に近いものが、イギリスではなく日本で始まるのではないかなと思う。

 

そうなったら今以上に健康に留意して、そのお金を別に回すことをモチベにすることにしよう。そしたら結果、自分は健康になるのだから。

 

6月26日(日) 真の平等選挙とは

 

今の日本の選挙制度も公約も、全に高齢者向けといわれて久しい。だから若者の選挙離れが加速しているのもあるが、それは割と世界共通の事例だそうだ。

 

それを改善するためにオンライン投票を解禁した国もあるが、そこでのデータによれば、なんと投票率は下がったのだという。人間心理マジ不思議。

 

ーということで筆者(と何人かの経済学者)が提案したのは、二回目以降の投票を有料で可能にすることである。

 

そしてその値段は指数関数的に増大していく。2票目は100円、でも100票目は10万円という感じで。(数列が得意な人は合計額を計算してみよう)

 

こうした方が、民意をなんだかんだでより正確に反映できるらしい。その理屈に当たる部分は結構難解で、理解できなかったけど・・。

 

ちなみにこの課金型投票制度だが、研究所で実験したところ、想定通りうまいこと機能したそうだ。

 

もちろんすぐすぐに市民権を得られそうにない施策だが、若者の投票率がどうこう語る前に、大事なのはこういう割引いた観点なのかもしれない。

 

ということで今週はこの辺で。

 

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