精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

【同業者向け】コスト意識とは、「感謝」と「想像力」の賜物という素敵な考え方について。

単なる一従業員からの脱皮を図るため、「俺が校舎長じゃーい」と吠えるのではなく、もっと精神面で変化させるべきところはどこか、ずっと調べて、考えている。

 

本当にあちこちで見るのだが、「マネージャー」と「ただの従業員」を分かつ一番の視点として方々で指摘されているのは、いわゆる「コスト意識」だ。

 

確かに、「リーダーたるもの、コスト意識を持て!」とか、「経営者目線に立つとはつまり、コストに意識を向けることだ」と指南する記事や本は、滅茶苦茶多い。

 

しかし、自問してみてすぐに気が付いた。僕はコスト意識について、解像度が低すぎる答えしか持っていない

 

例えば、「無駄遣いを止めようと心掛けること」みたいな具合だ。これはちょっと恥ずかしすぎる。だからこそ、今この時点できちんと学び直しが必要だと悟った。

 

そんな恥を起点として色々調べたところ、コスト意識とはどちらかと言えば冷淡な合理主義みたいなヤツではなく、むしろ素敵な考え方ではないかと思えてきた。

 

今日はそのまとめと、僕なりの解釈を、ざっくりと記事にしたためておく。

 

 

そもそもコストとはなにか?

 

「コスト」とだけ聞くと、僕らは得てして「掛かるお金」のことを考える。もちろんそれも正しいのだが、実はそれ以外にも、コストとされるものは多い

 

例えば、このサイトを参考にすると、こんな項目が紹介されていた。

 

人的コスト・金銭コスト・時間コスト・場所に関するコスト・・・・・

 

www.nature-inter.com

 

そして「コストが掛かる」という言葉をどういう場面に使いたくなるかを考えると、その意味が段々とくっきりしてきた。非効率な状況、つまり無駄が生じているときだ。

 

ところで、僕は英検1級を持っている。嫌な言い方だが、そんな僕に例えば低学力層の中1の個別授業を行わせるならば、それは人的コスト無駄遣いの極みだと思う。

 

後は他にも、Excelをイジれば即座に終わるタスクに電卓をカタカタやっている際は、時間コストが無駄遣いされている。

 

また、誰も使っている人がいない教室があればあるほど、それは場所に関するコストの無駄遣いである。ただ家賃だけが垂れ流されている状態だからだ。

 

―これらの具体例をまとめて、その上で乱暴に「コスト」という言葉を手触り感をもって定義するならば、こんな風になる。

 

何かしらの成果を得るために投じる資本のこと。

 

色々なサイトを参考にしたが、概ねこの理解で外してはいないようだった。そしてこの資本に対して得られる成果がショボいとき、それがコストの無駄遣いというわけだ。

 

ちなみにこれに関して、この状況を端的に言い換えたフレーズの中で、すごくしっくり来ているものがある。

 

それは、「ムダ・ムラ・ムリを無くすための施策を考えることがコスト意識」といった感じの文言だ。目線としてこれほどシンプルにまとまるとは意外である。

 

そしてこのコスト意識を持つことで得られるメリットは、生産性が高まるという直接的なものは勿論だが、人間の器に関わるところにも出てくると感じている。

 

続いては、それについて書いてみよう。

 

コスト意識とはつまり、「他者の優しさ」に気付くことではないか?

 

コスト意識というメガネを通じて世界を見ていくと、僕らが「当然」という感じで享受する他者からの優しさは、決して安くないということが身に染みてわかる

 

例えばあなたが気軽に友達の家に「泊めてー」と言って「いいよー」と言われたとき、その優しさは金額にしたら何円分なのか、考えてみると良い。

 

実際にビジネスホテルの素泊まり1泊の料金を調べてみたが、だいぶバラつきはあるものの、3000~8000円という価格帯であった。

 

つまりその他者の優しさは、少なくとも3000円分だということである。こう書くと安く聞こえるが、3000円稼ぐため授業が何分必要か考えると、ちょっとクラクラする。

 

ただ、こうして具体的な額や別のコストに置き換えて考えると、「本当にありがとう」という感謝の念が、自然に込み上げてくる優しさに対し、敏感になれるのだ

 

そしてこれに対する感度が高まってくると、無下に他者の資本を奪ってはならないと、強く気が引き締まる思いもある

 

僕は電話をするのもされるのも大嫌いなのだが、それはお互いの手が強制的に止まり、そこ以外に意識を向けることができなくなるからだ。

 

確かに同期した方が効率のいい場面もあるのだが、体感だと8割くらいはテキストで十分である。だから僕は基本まず、テキストで何とかしようとする。

 

だからこそ、自分がメッセージを打つのが面倒というだけの理由で電話を掛けてくる人は、本当に無神経ではないかと僕は割とイライラしてしまう。

 

このとき僕は一方的に、僕の時間・労力・集中力という資本を払わされている。ムダだし、仕事にムラが出るから、ロスだ。

 

こういう想像力を養うには、コスト意識を持つこと、そしてそれを共有することは、確かに有益だと思う。

 

例えば、コピー1つ取るにしても、お金は掛かる。無駄な印刷をすると、費用が嵩む。

費用が嵩めば、利益が減る。

 

働いてくれたみんなが稼いでくれた売り上げを、こんな些細な怠惰で減らしていくのは、やはり神経を疑われるのではないだろうか

 

そう思えば、少しでも無駄な出費を削ろうという思いが、心の底から湧いてくる。やはりコスト意識は、「感謝」と「想像力」の賜物なのだと言える。

 

終わりに:コスト意識の第一歩は、時給換算することである。

 

僕自身まだまだコスト意識が甘いと思っているのだが、大学生の頃や新入社員の時分と比べれば、ゼロがイチになったくらいの成長はしているとも感じている。

 

そのきっかけは、「カネ」に関する、生々しくもド直球な実例が書かれている、以下の本を読んだことだ。

そこで、【時給換算】という言葉が出てきており、それの観点から物事を見ていくと、確かに自分の中でコスト意識が芽生えたのを感じたのだ。

 

例えば、コンビニ弁当を買うか買わないかで迷ったとき、その対価を払うためにしなければならない自分の労働を考えるのが、その一歩である。

 

僕で言うと、少し裏話が出てしまうのだが、コンビニ弁当を2個買うには、個別授業を少なくとも50分はやらなければならない

 

それを思い浮かべてから目の前のメシに目を向けると、自問自答が始まる。「この交換は、割に合っているのか?」と。すると大抵、手が止まる。他の選択肢が見える。

 

これまた一例だが、単に腹を膨らますだけなら、冷凍食品のパスタなどでも良い。そちらの方だと、下手すれば半額くらいで買えることもある。

 

そしてこの考え方は、いくらでも応用が利く。僕が好きなコーヒーは、自販機で買うと160円なのだが、ドラッグストアで買えば100円前後である。

 

1本なら60円の差(これでもでかいが)だが、僕は毎日最低でも1本は飲むので、月換算すれば4800円と3000円の差に膨らんでしまう。

 

そしてこの1800円とは、個別授業2コマ弱を実施して得られる対価と大体一緒なのだ。

買う場所1つ気をつけるだけで、ここまで”利益”が増えることもあるのである。

 

正直、売り上げを増やすよう努力するより、出ていく無駄(コスト)を減らした方が、利益を高めるのは楽である。コーヒーの話は、その好例だと言える。

 

とりあえず僕は今後、塾の備品をコンビニで買うのは、基本的に自他ともに禁止しようと思う。その理由はさっき書いたので割愛する。

 

やはり、コスト意識とはつくづく、冷たい合理主義の権化ではなく、むしろ血の通った「感謝」と「想像力」の賜物だ。本当にそう思っている。

 

・・最後に、岩崎弥太郎氏の好きな言葉を紹介して、この記事を終えようと思う。

 

 三菱財閥の創業者、初代総帥の岩崎弥太郎の言である。

 海運事業を興し、巨万の富を得た弥太郎も、そこに至るまでには数々の辛苦を嘗めている。これは、そんな中で得た教訓として弥太郎自ら肝に銘じていたことなのだろう。渡部昇一氏の『人生を創る言葉』より抜粋した。

 

 従業員の1人が大金を持ち逃げしたことを告げに来た支配人に、弥太郎はこう言ったのだという。

「樽の上からすくって飲むやつは、たとえ一升飲まれても、三升飲まれても大したことはない。怖いのは、樽の底から一滴でも漏ることだ。そいつをよく注意してください」と。

 

 これは何も、身近にいる卑怯者を暴き出そうというのではない。

 蓄えについての教訓である。

 大金を使うことに躊躇するよりも、締まりのない日々の散財を何とかしなさいと、言っているのだ。

 

 どんなにたっぷり水を注いでも、

 穴のあいたコップに水は溜まらない。

 

 ひび割れた隙間から、じわじわと漏れていることに気づかなければ、いざというときに空っぽだったということもありうる。

 汲む量は少なくても、穴があいていなければ、いずれ水は溜まる。

 

 財に限らず、この教訓はどんなことにも通じるだろう。

 締まりなければ、どんなに良い教訓も垂れ流すだけだ。

 

www.compass-point.jp

 

では今日はこの辺で。

 

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