珍しく早起きすると、余計なことがしたくなって結果時間が取られる中元です。
はい。こないだオバマ氏の伝記を読み終えたので、新たにまた洋書を購入した。それは「Genkō Kassenki: Battle Record of the Mongol Invasions」である。
Ghost of Tsushimaをやり込んで以来、教科書に書いてある歴史的事件のことを詳細に、できれば当事者の感情にも思いを馳せながら学び直したいと思ったからだ。
もちろん日本に残る資料から考えてもいいのだが、せっかくなら英語で読んでみようと思った次第である。
そんな感想文、以下開始でござる。
- 11月14日(月) 歴史の整理
- 11月15日(火) 悲惨散々
- 11月16日(水) 島国と侵略
- 11月17日(木) 序文
- 11月18日(金) 元寇の歌
- 11月19日(土) ヤマトタケル
- 11月20日(日) 最強のエンプレス
11月14日(月) 歴史の整理
まず、元寇に至るまでの経緯から始まるようだ。【Ghost of Tsushima】も、元軍の侵攻から物語が始まるため、そこまでの流れは確かに僕自身手薄であった。
歴史の教科書を読むと、「マルコ・ポーロが献上した黄金の国という文言に惹かれ、侵略を決意」という風に頭の中でイメージが作られる。
つまり、10-0でモンゴル軍が悪いという雰囲気があるのだが、早速本書の導入で「あっ、確かに」と思う箇所があった。
それは、日本も朝鮮半島沿岸などを中心に、倭寇が攻撃を重ねていたという事実である。元からすれば、”仕返し”の意味合いもそこに乗っている。
早速コリ固まった先入観に新鮮な風が入るような爽快感がある。これだから観点を変えてインプットするのは面白い。
他にも、「神風によって圧倒的強国に勝ったという意味でも、アルマダの海戦と構図が似ている」といった英語圏ならではの指摘も面白かった。
「そしてそれによって、島国が世界から注目を得たことも」と。色んな歴史が繋がる感覚は好きなので嬉しい。(元寇とは時代がまるで違うけど)
これは期待できる。これからゴリゴリ読んでいくのが楽しみだ。
11月15日(火) 悲惨散々
鎌倉時代の寿命を一気に縮めたのが元寇だとはよく言われる。土地も奪えず、金銭も取れずということは、つまり奉公に応えられないことを意味する。
竹崎季長という武将もその一人だ。自分が元軍に立ち向かう絵を委託し、将軍に直訴するなど、困窮したという話は知っていた。
しかし、戦から10年以上経ってからそれを描かせる必要があるほど、長い間経済状況が悪いままだったというのは驚いた。
その後、後醍醐天皇による挙兵、足利尊氏による攻撃という流れは、ご存じの通りである。1333年、つまり悲惨散々の年、鎌倉幕府は滅亡するのであった。
11月16日(水) 島国と侵略
導入でまた強調されていたのが、同じ島国、日本とイギリスの歴史的共通点である。先日書いたが、イギリスもスペインという超大国に狙われていた時期がある。
圧倒的な軍事力の差がありながら、同じく天候という偶発的条件で勝利するというシナリオ。元寇とアルマダの海戦は、そういう意味ではそっくりなのだ。
・・・不思議なことに、その戦のあと、政治・支配が乱れるのも似ている。日本は結果鎌倉幕府が潰れたし、イギリスは国王の継承を巡ってひと悶着あったわけで。
となれば、イギリスの歴史のあらましも勉強できるというわけだろうか。これはこれでハイボリュームだ!自分の知識が追い付くことを祈って止まない。
11月17日(木) 序文
Map of the Mongol Empire (Illustration) - World History Encyclopedia
いよいよ序文が始まった。その中で言われていて、確かに異常だし奇跡だと思ったのだが、モンゴル帝国と日本の勢力差は、ゾウとアリ以上のそれだった。
↑の地図を見てもわかるが、モンゴル帝国は地球上最大の帝国だと言われる。広大なユーラシア大陸の大部分を勢力下においていたのだから、納得だ。
そんな大国が、地図から見切れているような小国の征服に乗り出す。ヘビが目の前の子ネズミを飲み込むかの如く、自然に、かつ当たり前にできることだと思われた。
この図式は、やはりスペインに睨まれたイングランドも同じことである。しかし、日本は勝った。イングランドも勝った。いわゆる、神がもたらした風によって。
日清戦争や日露戦争を知る欧米の人は多いが、元寇を知る人は少ない。それもまた、モチベーションとなり、本を書くに至ったのだという。
まだまだ序文は続くが、読みやすいし、目から鱗の話が多いので、純粋に楽しく追えている。
11月18日(金) 元寇の歌
知らなかったのだが、「元寇の歌」という軍歌があるという。これは当時作られたものではなく、1892年に発表された作品だとか。
運動会を彷彿とさせる溌溂としたメロディーであり、鼓舞という狙いは確かに果たせると感じている。
そしてそこから遂に本編へと入っていく。どこから始まるのかと思ったが、なんと神話とされる古の時代における、朝鮮との関係からであった。
僕としても大好物の話である。明日から期待大。
11月19日(土) ヤマトタケル
すごい古の時代に話が戻った。あらゆる漫画なり映画なりのネタ元として有名過ぎる「ヤマトタケル」の物語だ。
正直彼に関しては、旅をしてあちこちで強いやつとかを討伐したという薄すぎる知識しかなかったが、その一端をこの本で知り、ちょっと勉強したくなっている。
ところで昔、ヤマトタケル的な名前のロボットアニメをよく観ていた気がするのをふと思い出した。調べてみると、気のせいではなく、本当にあった。
当時、僕は3歳。記憶は侮れないと、謎なことを思わされた。
11月20日(日) 最強のエンプレス
ヤマトタケルの後に、あっちこっちを攻め込んで征服させたという例で有名なのは、神功皇后だという。恥ずかしながら、名前しかしらないお方だ。
だが、今日読んだ伝説の一旦だけでも、あまりにも剛毅な人物像が窺い知れる。肉体的な強さというより、精神的に最強という感じだ。
そのキャラクター性とエピソード、色んな漫画で見た気がする。あらゆる創作のモデルになるくらいパワフルな皇后、元寇の話の前に楽しみが増えた。
ってことで今週はこの辺で。