精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

【2022年総まとめ】今年読んで大きな学びを得られた本を、まとめてご紹介する。(※再読含む)

この記事を書いている一週間後が大晦日で、それをもって2022年が終わろうとしている状況にゾッとしている中元です。

 

はい。今年も色んなことが学びたくて、チマチマと読書を重ねてきた。冊数そのものはそこまで多くないのだが、それは再読もするからであり、量としては結構だと思う。

 

ということで今年も、別に区切りをつける必要はないのだが、読んだ結果深く大きな学びを得られた本を、簡単な紹介添えて並べてみようと思う。

 

再読を含んでいるので、去年・一昨年に紹介した本があるかもしれない。まぁ、それも一興ということで、以下続きからどうぞ。

 

 

観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか

間違いなく2022年最高の本に挙げるのがこれ。タイトルだけなら、映像でも文章でも絵画でもなんでも、とにかくクリエイターに向けた本に見えるが、実際はもっと広い

 

【観察】とは何か。文面だけならアサガオのそれとかカブトムシのあれを思い出すが、それをさらに昇華させたような感じだ。

 

そしてこの本に説かれていた【観察】の真意、面白さ、効果、具体的方法全てが、僕にとって鼻孔が小爆発するようなワクワクをもたらしてくれた。今も、勿論そうである。

 

この考え方に触れてからというもの、僕自身の世界の見方が大きく変わった。どこに行くにも、何をするにも、仮説を考えるということが習慣になっているほどである。

 

自分自身の感情の観察や、仏教的な心の見つめ方、そして"型"の重要性とオリジナリティの本当の意味も、これこそ仮説段階だが、自分の中に答えが見えてきた。

 

ある意味学習難民だった僕に、思考の材料と方法を授けてくれたような大著。真っ先にこれは、クリエイターどうこう関係なく、万人におススメしたい。

 

大きな嘘の木の下で

これもGW頃に読書感想文的なことを書いたのだが、ある意味自分の中の【常識】に対し、矛盾点・疑問点を突き付けてくれた名著である。

 

再現性があるのは成功ではなく失敗、お金は単なる交換ツールに過ぎない、等々。なかなか相容れなかったり、拒絶されたりしそうなフレーズが並ぶ。

 

だからこそ、なぜそう思うのかを読んでいくと、目から鱗が落ちるような感覚を何度も抱くことができたのだ。

 

その中でも一番自分に刺さったのは、「期待しない」という構え方である。もっと言えば、自分の思い通りに世の中が回るわけなどないと、改めて覚悟することと言える。

 

しかし人はとにかく、期待するし、されるものだ。僕は今、期待するのは愚かだと自戒し、期待されるのは迷惑だと舌打ちするような気持ちさえある。

 

そういった常識の裏側を平易な文章で、しかもリアルなエピソード付きで教えてくれる素晴らしい本なので、是非とも読んでみていただければと思う。

 

まぁ、皆様が読んでくれることに、僕は期待はしないんだけれども、ね。

 

私とは何かーー「個人」から「分人」へ

某私立高校の入試にも使われた傑作。「本当の自分」という確固たる存在が”無いこと”に悩んでいる人にとっては、間違いなく救いになる一冊だ。

 

個人というのは確固たる唯一無二の存在ではなく、そこからさらに「どこで」「誰と一緒にいるか」という要素で、実は【分人】に分割できる。そこから論が始まるのだ。

 

例えば、両親の前で見せる顔と、友人の前で見せる顔、どちらが正しいのか。それらが一堂に会する運動会といった場は、なぜ居心地が悪いのか。

 

そういった問いにも、【分人】という観点から明快に説明が加えられていく。本当の意味で、「そのまま」でも大丈夫なんだという安心が得られていく。

 

内容的には非常に高尚な感じがするが、文章や言葉を扱うプロゆえ、文体は極めて平易でわかりやすい。(著者は小説家である)

 

アイデンティティに悩める人全てに強く推奨したい一冊といえる。

 

となりのクレーマー 「苦情を言う人」との交渉術

買ったのはついこないだだが、内容の衝撃さと、ヤバいクレーマーの本気のヤバさを生々しく臨場感たっぷりなエピソードたっぷりに学べる傑作だ。

 

特にイチャモン・脅迫・ただの不満のはけ口など、そのイカれっぷりは千差万別。そういったプロのクレーマー相手に、プロの担当はどう戦うのかを説いた一冊である。

 

しかしどちらかと言えば、具体的な方法・心構えが書かれているわけではなく、ドキュメンタリーに近い内容である。

 

ただ、こういうヤバい人を相手にするとはどういうことかが、解説されずともよくわかる。話が通じない人に対する無条件の不安や恐れは、この本でかなり軽減された程だ。

 

こういった骨太な知識を持ったうえで、その他の交渉術系の本を読むと、おそらく効果が何倍にも高まってくると思う。

 

自分の組織を持った暁には、絶対にメンバーにこういう対処法・心構えの研修を入れようと、強く誓わされた一冊であった。

 

光圀伝

買ったのは1~2年前で、そのときも「おもしれー」と思って読み切ったのだが、2周目はより一層人物像や描写、歴史的背景が追えて、一層面白いと感じた小説である。

 

簡単に言えば、水戸光圀の生涯(子供~死)までを重厚に、瑞々しく描いた物語であり、僕が持つ本の中では、【親鸞】に次ぐ骨太さであり、満腹である。

 

正直水戸光圀については、超ゴリマッチョだったことと、水戸黄門のモデルというか元ネタということしか知らなかった。

 

しかしその一生涯は、もはや小説の題材になるために創られたのではと思えるほど、波乱万丈である。Wikipediaの記事さえ、もはやドラマに思えてくる。

 

そして作者の冲方丁氏の作品は、他にも「天地明察」や「はなとゆめ」を読んでおり、それらももちろん大好きだ。

 

特に僕が知らない言葉をサラッと使うところが、まず好きである。(この辺にはこだわりがあるらしい)

 

「かぶりを振る」「莞爾として笑う」等々、ただこう言った言葉を並べるだけなら厨二病罹患者ならだれでもできるのだが、それが場面に完全に合っているから凄い

 

また登場人物の表情の描き方やしぐさなども、読みながら実際に自分でそれをついやってしまうような自然な描写であり、それも非常に好きである。

 

ちなみに、本編の絡みとしては、月並みだが光圀と読耕斎の掛け合いが一番好きである。願わくばそんな朋が自分にも・・という憧れさえ抱いた。

 

歴史に抵抗が無いのなら、非常に面白いと思える傑作だ。オススメ!

 

微差力

僕は【観察力の鍛え方】みたいな、論理的で構成が丁寧な文章が大好きなのだが、そういうカタい言い方にアレルギーがある人も多いとも感じている。

 

そこで言われていることを、非常に感覚的に、かつわかりやすく、しかも的を射ている表現で説いているのが、この【微差力】という本だ。

 

全ての物事は、微妙な差で大差がつく。例えば日本で一番高い山は富士山なのだが、二番目に高い山を知る人はかなり少ない。(日本アルプスの1つ、北岳らしい)

 

この微差を追求していくことが成功のカギであり、幸せな人生の大事な要素であるというのを、軽快な語り口調かつ豊富な具体例を添えながら教えてくれる

 

決して手を抜いたわけではないのだが、40分弱で読み切ってしまった。それくらい軽めの本なのに、書かれている教えは、噛めば噛むほど味が出るタイプの深いものだ。

 

正直僕もまだまだ読みこぼしているところがあると思う。時間をおいて再読してみようと思う。(もう2回読んだけど)

 

―ということで、他にも色々読んだけど、自分の中で大きな学び、あるいは問いを残してくれた本に絞って、今回は紹介してみた。

 

来年はどんな本に出会えるのだろうか。今からワクワクである。

 

ということで今日はこの辺で。よいお年を。

 

 

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