ここ最近、メンタルの調子がめちゃくちゃ悪いことを自覚している。なぜそう思うかというと、過去の経験値や、本の知識の照らし合わせを行った結果である。
特に参考になるのが下園壮太氏の以下の著書であり、身体がシンドイとか、メンタルが落ち込むという人は、知識として持っておいた方が良い名著だと思う。
さて。その本の中で紹介されている概念に、「2倍モード」と「3倍モード」というものがある。
簡単に言えば疲労が溜まりに溜まって、心が病み始めた頃に心身に出始める様々な症状を可視化したものだ。グラフで表すとこんな感じになり、すごく腹落ちする。
2倍モードとは、疲れが溜まる速度が倍になり、逆に疲れが抜けるまでの期間も倍になるという厄介な状況のことだ。平たく言えば鬱の手前だ。
そして3倍モードは、もはやはっきりと鬱であり、人格すら変わる。こうなるとどうにかこうにか休ませないと、いずれぶっ壊れる。
ぶっ壊れたら、元に戻る方が奇跡というくらい跡形もなく壊れるらしく、そういう意味ではキングコング梶原さんの件などは、その軌跡の1つに数えられるのだ。
さて。導入がでかくなったので、そろそろ本題に入る。僕は今、はっきりと2倍モードだ。そしてそれが、3倍モードに近いところにあると、強く自覚している。
このラインを超えたら、もう帰ってこれない。だから意地でも落とさない。今はそんなせめぎ合いを、恐らく皆から見えないところで行っている。
今日はそんな話を、同じく疲れている、苦しんでいる人のためになればということで、ここに書いておこう。
無理をしたあとに、そうだと自覚できるか。
僕が今2倍モードにあることを強く自覚している理由は、そもそもここ2~3週間、だいぶ無理をしてきたためだ。
漆黒のことを言ってしまえば、6月~7月中旬の今にかけて、フル休みは3日程度である。特に7月に入ってからは、休日も8時間以上、労働に回していた。
更にキツいのが、その労働の内訳が、自分にとって最も苦手とする、他者との面談・ミーティング等で埋まっていたという性質にもある。
気が付けば疲労の度合いの方が、日々の回復を少し超過する日々を何度も繰り返し、通常モードから一段階闇の方に突っ込んでしまったんだと、すごく納得している。
実際、僕のメンタルにもネガティブな変化が結構出ている。まず、趣味に時間を回すのがとても億劫になった。
魚釣りが好きなのだが、それすら面倒だと思うようになっている。これは我ながら重症を意味するサインなので、内心このモードには恐怖さえ感じている。
後は、ずぼらでは片付けられないレベルで、日常生活のあれこれが面倒になっている。僕は洗濯物を家で洗って乾燥機にぶち込むタイプなのだが、畳むのが億劫だ。
床にぶちまけて、それを毎日取っていけば、イイ感じで回せるじゃないかと。それでいいじゃないかと、何かこう諦める感じがある。
更には、ゴキブリやクモといった害虫が出ても、相手にする元気が無い。だから今、実質数匹、室内で放し飼いになっている状態である。(普段は見えないけど)
―こんな風に、僕の2倍モードの特徴は、全てが億劫になることである。例えば他者への猜疑心が強まる、不安感が高まるといったものは、あまり出てこない。
そういう感想を持つことすら億劫になる。エネルギーが枯渇する。だから睡眠時間も、普段より2時間以上伸びてしまう。正確に言うと、起き上がれないのだ。
今はまさにそんな状態である。日増しに少しずつマシにはなっているが、それでも日々できることの項目数は通常時より減ったままであり、まだ戻ってこない。
だから今は、なるべく仕事をセーブし、人に依頼し、早めに帰って長めに寝るということをずっと意識し続けている。回復し切るという期待や義務は、己に抱いていない。
「べきだ」感は遅効性の毒だと思っているので、「まぁ、やる気になるまでゴロゴロしておこう」という程度にしか、自分に対して思っていない。
無理をしたら、そうしたことを自覚し、積極的にケアをする。その心掛けは甘えではないと納得し、まだしばらく続けていく所存である。
自分の不調はどう深まるか把握せよ。
自分の調子が悪いかどうかは、別に主観的なジャッジでもいいらしいが、せっかくならばその兆候を知識や経験として持っておくことで、より早めに察知できると思う。
これは自分の観察を繰り返す必要があるため一朝一夕にはできないのだが、とりあえず僕は僕自身が不調になりつつあるシグナルを、いくつか掴んでいる。
なにかのヒントになればいいということで、シェアしておこう。
まず、感情的な変化。疲れてくると、まず僕は、イライラから始まる。自分の思い通りにならない現実、無駄な仕事の依頼、その全てに怒りに近いものを覚えるのだ。
しかしこれはまだ、先の例でいうと2倍モードの入り口に乗った程度の疲労度であり、この時点でフル休みが1日取れたら、大抵は元に戻る。
ただし、このモードから抜け出せず、イライラカリカリする日が連続すると、逆に今度は色んなことがどうでもよくなる。こうなると、不調が深まったと僕は認識する。
このモードからの回復にはそこそこの日数が必要であり、それこそGW連休や盆、年末年始の休みを挟まないと、短期間での完治はかなり難しいほどだ。
逆に、色んなことがどうでもいいという考えから、なんかイライラするなというテンションに戻ったら、僕にとってそれは回復の方にベクトルが向いたことになる。
周りからすれば迷惑だろうけど、そういうときは良い兆候だと僕は解釈し、特にそのまま何かを変えることはしないようにしている。
こんな風に、自分の現在地を、たとえ低い解像度だろうと理解しておけば、精神衛生上滅茶苦茶良いことだと思う。
疲れているときほど、自己観察を。すごく大切な心構えだと思わされる。
【実録】3倍モードになると、人はどうなる?
先ほどから何度か登場している3倍モードだが、ここまで落ち込むと、人はどうなるか。僕はこのモードに突っ込んだことが1回あるが、そのときの症状を書いてみる。
まず、身だしなみに一切気を遣えなくなった。さすがにシャワーや歯磨きはしていたが、例えばヒゲはもう剃る気力が無く、無精ひげで仕事に当たっていた記憶がある。
また、誰かに話しかけられても、反応ができてなかったと、後々になって指摘された。それくらい、集中力が散漫どころか皆無になっていたのだろうと思う。
休職に入ってからは、電気を点けるとか点けないとか、飯を食うとか食わないとか、何かを飲むとか飲まないとか、その全てに身体を動かすことができなかった。
流石に絶食したまま1週間とかだと死んでるか入院してるかになっていると思うので、栄養自体は摂っていたのだろうが・・記憶にない。
生々しい話だと、性欲も一切ゼロになったし、何を観ても笑うことができなかった。感情や本能の発露さえ、全て奪われた抜け殻。そんな日々だったと思う。
唯一できた人間らしい活動は、酒を飲むことと、トイレで用を足すことくらいだったのではないか。それくらい、あの頃は色々と失っていた。
ちなみにそこから少しずつ脱して、人間らしい何かを取り戻すまで、僕は4ヶ月という期間を要した。そしてこれは、一般的な療養期間と比べると、割と短いそうだ。
やはり、ここまで落ち込むと、回復そのものが運ゲーと化す。転ばぬ先の杖ではないが、その状態の知識を蓄えて、兆候には敏感でありたいと、強く思う。
ということで、これから夏になり、一層メンタルにパンチを食らわせることが自明になっているからこそ、自分を振り返るために一度文字に起こしてみた。
なにか思い当たる点があったら・・・すぐ、休もう。休むことは悪ではない。休むことを悪というやつが悪だ。それくらいに考えて良い。
では今日はこの辺で。