僕はADHDとかHSPの気質を持っていると思っている。診断が出たわけじゃないが、セルフチェックが当てはまりまくっているので、納得しているという感じだ。
その特性の一つに、マルチタスクに極めて弱いというものがある。詳細に言えば、人より遥かにテンパり易いのだ。
僕が電話や営業が嫌いなのも、そこに理由がある。①相手の話を聞いて②自分の提案を伝え③新しい着地点を探るという3つの作業を同時にやっているに等しいからだ。
マルチタスク状態に入ってしまえば、僕の脳力とでもいうべき何かは、人の倍速くらいのイメージで、急速に削られていく。
だからテンパるという状況になるまでも、本当にあっという間だ。しかし不思議なことに、いわゆるテンプレ的なテンパリ方は、僕は傍目から見たらしないらしい。
「あぁどうしようどうしよう、何をしたらいいんだ、キー!」という風に思い切り振りまくのではなく、静かにフリーズする。これが僕のテンパりだ。
思考が全てスパークし、頭が真っ白になって、何をしたらいいかを完全に見失い、感情すら消える。実を言うとさっきもこのモードに突入して、苦労した。
だが、僕だって無駄に30年以上、生き辛い何かを心にタダで住まわせているわけではない。対価として、その御し方は、ある程度学んで、深めている。
ということで今日は、「テンパリモード」とでもいうべき脳みそスパーク状態を解除する方法について、記事を書いてみようと思う。
テンパリモードをイメージで理解する。
テンパるとはどういう状態なのか。ChatGPTに丸投げしてみると、こんな答えが返ってきた。
「テンパる」という表現は、一般的には緊張や興奮、焦りなどによって、集中力や冷静さを失ってしまう状態を指します。心理学的には、この状態は「心身の興奮」として説明されることがあります。
テンパる状態では、以下のような心理的・生理的な変化が見られることがあります:
心理的な面:緊張や不安により、集中力が低下し、判断力や決断力が鈍くなることがあります。自分自身をコントロールすることが難しくなり、思考が混乱してしまうこともあります。
生理的な面:自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になることで、心拍数が上がり、呼吸が速くなる、手や体が震えるなどの身体的な反応が起こることがあります。
このようなテンパる状態は、重要な試験やプレゼンテーションなど、ストレスの高い状況や新しい経験に直面した際に起こることが一般的です。心理学的な観点からは、テンパる状態を和らげるためには、リラックス法やメンタルトレーニング、集中力を高める練習などが有効な対策とされています。
―つまり、理性が緊張といったガチガチの本能に負けている状態、ということだろうか。これに関しては、まぁそうだろうなと、さして感想は抱かない。
ただ、過度の緊張や焦りによって思考が完全に止まった状態というモデルはしっくりくると思っていて、僕はこの状況を、中身が沸騰している鍋に似ていると感じている。
焦りや不安、マルチタスクという燃料により火力がガンガン高まって、思考がぐつぐつと沸騰し、理性という鍋蓋を吹き飛ばしたとき・・僕はテンパっている。
誰も気づかないくらい静かに、こっそり、フリーズしている。全思考が停止し、世界から音が消えて、目に映るものが何の意味も持たなくなる。そんな風に。
しかしながら、鍋のモデルで考えると、見えてくることがある。それは、テンパリモードの解除法は、火力を下げて、沸騰が治まるのを”待てばいい”ということだ。
ではそれに当たる施策はなんなのか。以下、僕のアイデアを書いておく。
2段階鎮火。
テンパっているときはそもそも、火力が極めて強い。その火力の正体は、焦燥・不安・マルチタスクが混ざったものだ。
それを冷ますには、全く関係ないことに2~3分程度打ち込むのが、本当に手軽である。ちなみに今日はエッセイ集を読んでいたが、僕にとってはこれが良かった。
人によっては、階段を上り下りするのが合うかもしれないし、ガムを噛むことに集中するのがそうかもしれない。ただ深呼吸すれば事足りる人もいるかもしれない。
まずは対象と全然関係ないことに打ち込んで、全力で目を逸らし、火力が下がってくるのを待つのが鉄則だ。
そして少しだけ冷静になり、理性の声が戻ってきたら、改めて仕事のリストを見て、その中でも簡単なものを1つずつ丁寧に終わらせるのが良い。
あるいは、仕事のリストを眺めて、それを細かくするのに5分程度使うのもオススメだ。こうすると、段々と冷静になってくるのが、本当に分かる。
そうしたらまた、マルチタスクにならないよう気をつけつつ、1個ずつまた全速力で取り組んでいけばいい。それでいいと思っている。
日頃からテンパリ易い人は、精神力が弱いとかそういうのではない。繊細過ぎるのだ。強みにもなる特性だが、御し方を知らねば、単に息苦しい特性にしかならない。
ポジティブで豪快で細かいことを気にしない人がうらやましいかもしれない。しかしそういう人が本当に幸福や効率を周囲に与えているか、僕は眉唾である。
まあ、最後のはただの愚痴だけど。じゃ、今日はこの辺で。