精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

教育における住み分けは、思いやりなのか、それとも単なる排除なのか。

ここ数年強く思うことなのだが、本当に多様性を認めて、それぞれに合ったコミュニティを用意しようと思ったら、僕は学校の1クラスの人数でも多すぎると感じている。

 

昨今不登校の数が激増しているのを考えても、「合わないコミュニティに身を置きたくない」という子達は、その思いをもはや我慢しなくなっているように見えてくる。

不登校児童生徒数が過去最多に 文科省調べ | ニュース 2022年 10月 | 先端教育オンライン

 

ただし数十年前と状況として違う点に、学校に行かずとも単位を取れる受け皿が整ってきたり、考え方として社会がそれを受容するようになったりという変化が挙げられる

 

無理して集団に合わせよう、ではなく、自分に合ったコミュニティを探して選ぶ、あるいは創るというのが、社会が成熟した結果たどり着く姿なのかもしれない。

 

―となると迷うのが、塾内でどこまで分断を認めるのか、だ。例えば集団授業内に発達障害を持った生徒を合流させるのは、ありか、無しか。

 

もちろんそういったものを区別しまくるなんてのは、教育に携わる者として失格ともいえる考え方だ。だが全てを混ぜて押し込めると、不満が出まくってビジネスが終わる

 

教育における住み分けは、思いやりなのか、単なる排除なのか。今日はこのデリケートな部分を、ちょっと考えてみたいと思う。

 

 

塾と学校の最たる違い。

 

塾と学校の最たる違いは何か。これを言うのはあまり好きではないのだが、シンプルにビジネスか否か、という点に尽きるのではないか。あるいは規模もそうか。

 

学校は基本、受験を経て入学したとかじゃない限り、ドロップアウトは許されない。行ってなかろうが籍だけ置いた状態で、学年だけは上がっていく。

 

また、そこに入ってくる生徒を”選べない”という事情もあり、例えば真面目に頑張りたい子と、アウトローに生きたいヤンキーがどうしても混在することもあるわけで。

 

一方塾は、そういった事情は知ったこっちゃなく、理念に合った環境を提供することに義務があり、その対価としてお金を頂いているという側面がある。

 

授業崩壊とか最悪中の最悪の例であり、仮にそういうことを学校で主犯格としてやっている生徒から問い合わせがあったら、断るという対応も要る仕事だと感じている。

 

―そういうわかり易いはみ出し者は、その対応も紋切型ですごく単純なのだが、ジャッジが難しいのがいわゆるグレーゾーンである。

 

本人に悪気も無く、制御不可能な特性であり、だからこそ社会の側からも寛大な措置と配慮を求められる、と。それ自体は納得だし、そうある方が平和だとも感じる。

 

・・・しかし、やっぱりどうにも、難しい。何がそうなのか、最近あった例を少しぼかして語りながら、その微妙なラインを改めて考えてみる。

 

先日とある女性講師から、相談があった。その人は女子生徒を担当しているのだが、最近別の塾生であるとある男子の、その子への視線が気になる、と。

 

よくある思春期的な話だと片付けても良さそうなのだが、実際に様子を見て驚いた。結構ガッツリ見てしまっていたもはや凝視のレベルだ。

 

ちなみにその子はグレーゾーンという診断を貰っている子であり、他人との距離感を測るのが苦手という印象だ。極端に近いか、極端に遠いか、という風に。

 

とはいえ、その男子のご家庭が”周知されるのを望んでいない”のもあり、「そういう特性があってさ」と女子の方に我慢を求めるのもズレた話となってしまう。

 

ただ、解釈次第ではセクハラとも解釈され得る局面。僕は適当な理由をこさえて、今は別々の部屋で授業をやってもらうことで、対応してもらっている。

 

さて。この場面は、綺麗にどちらが善でどちらが悪か、線引きをすることは不可能だと感じている。何をどうしても、どちらかに我慢が生まれると、それはつまり不満だ。

 

その不満を生じさせないシステムとなると、体よく分断するしかない。現状の僕の持ちうるリソースでは、どうしてもそういう答えとなる。

 

しかしそれによって、分断されたことへの不満が生まれたら、僕はどうすればいいのだろう。もはやイタチごっこと化し、終わりなど永遠に無くなってしまう。

 

一定の閾値から先は、有耶無耶で曖昧にしておくことがベストなのだろうか。あるいは、この問題に答えがあることを期待しない方が良いのかもしれない。

 

すごく歯切れが悪いが、この課題は時折頭から取り出して考えるようにしようと、改めてそう思った。

 

では今日はこの辺で。

 

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