精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

子どもの成長を喜べない大人は、『自分に自信が無い』のでしょう。

以前、インポスター・シンドロームについて書いた。 

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

簡単に言えば、『自分は成功に値しないと考え、逆に失敗したらそれを当然と思う思考』のことだ。

 

でだ。やっぱり、一定数で『インポスタ―っぽい』生徒を散見する。テストで結果を出そうとも、頑としてそれを認めない感じ。

 

『こんな点数で・・』とか、『いや、まだこんなに間違ってる・・』とか。聞いていて胸が痛くなる。なぜこんな考え方になったのだ?

 

―というのを考えていると、その原因らしき要因を知った。そういう生徒程、大人から否定的な言葉を日常的にかけられているということだ。

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『自分では良いと思った点でも、全然褒められない・・』『できないのはお前のせいだと先生が取り合ってくれない・・』

 

―という事実をぽつりと聞くたび、同情と怒りが込み上げる。一体その人たちは何を考えておられるのだ?

 

そこで今日は、『子どもの成長を喜べない大人』の特徴について、なるべくドライに書いてみようと思う。

 

 

 

『安直な優越性の追求。』

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アドラー心理学が極めて分かりやすく勉強できるこの本に、すごく面白い言葉が書いてある。

 

それは『安直な優越性の追求』だ。

 

人は『劣等感』を努力で補うのに疲れたとき(或いはそんな勇気がないとき)、上記の行動に走るのだという。

 

その行動例とは、以下の通り。

 

① 自分が過去に立てた功績をことあるごとに言う。

 

② 自分の知人の優れた人を引用し、話に出す。

 

③ 他者の欠点を並び立て、指摘する。

 

―要するに、『ウザい自慢』である。こういった風な行動を取るのは、自分に自信が無いことの裏返しだという。

 

『自信が無い』からこそ、過去の自分の栄光や、すごい人を引用し、自分をすごく見せる。

 

それが無ければ、他者の欠点を並べ立て、自分をすごく見せる。ただ、それらはまやかしであり、現実は何も変わってないのだが・・・。

 

こう考えると、日頃から自慢だらけの人は、ぶっちゃけ可哀そうにも思える。

 

さてさて。この定義を踏まえた上で、話を戻そう。基本、子どもの自尊心をへし折るセリフは、決まりきったテンプレがある。

 

① 『自分の小さいときに比べれば大したことない』みたいな過去引用タイプ。

 

② 『○○くんのが良くできてる!』みたいな他者比較タイプ。

 

③ 『まだここができてない!』みたいな欠点列挙タイプ。

 

 -どうだろうか。『安直な優越性の追求』のモデルケースにそっくりではないだろうか。

 

つまり、こういうセリフを吐く人達は、『自分に自信が無い』ことの裏返しである可能性が高そうである。

 

もしそうでなければ、『すごいじゃん!』と素直に成長を喜べなければオカシイ

 

 ということでここからは、お節介だがそういうセリフを正す方法、及び受けちゃったときの方法を、続けて述べていく。

 

【つい言っちゃう人向け】『安直な優越性の追求』から脱するには?

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まず、『他者の成長』を『自分の敗北』みたいに考える認知の歪みを正そう。

 

指導する側において、教えを授けた者が自分を追い越していく。それはまさに、大成功に他ならないではないか。

 

自分の能力以上の人間を育成することこそ、講師の仕事の究極のゴールだと思う。

 

それが分かっていないと、『他者の成長』もとい『生徒の成長』が『自分の敗北』に感じられる拗れを生むこともある。

 

自分より才能に恵まれた生徒。自分より上の大学にすんなり受かっていく生徒。それらを恐れるのではなく、祝うのが正しい。

 

正直、子どもの頭を自信を折る言葉で押さえつけても、あなたは現状からどこへも進めていない。劣等コンプレックスの沼にハマっているだけだ。

 

もう一度言うが、『生徒の成長』は『あなたの敗北』ではない

 

そういうワケの分からない対抗心や競争原理は、弊履のごとく打ち捨てることから全てが始まるのだ。

 

また、『厳しいことを言われたから育った!』みたいな考え方は、少なくともあなたはそうだっただけで、他の人がそうとは限らない

 

追い詰めるような発言をし続けた結果、子どもがリストカットや非行に走った例など、僕はいくらでも知っている。

 

一つの考え方に固執することなかれ。視野は広く持ってほしい。

 

【言われた人向け】心理を知って、スルーしよう。

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一番は、そういうのをスルーして、『自分で自分に○をあげられる』メンタルを目指すことである。

 

しかし、そういった声を『無視しよっと』という思いだけで受け流すのは困難だ。僕自身もかなり難儀している。

 

ということで、自分は嬉しいと感じることに冷や水をぶっかけられた時は、やはりさっきの心理を思い出してみてほしい。

 

謎の自慢や欠点攻撃、他者自慢→自分に自信が無い

 

―となれば、結構ガチで、『かわいそう・・』『暇なのかな・・』といった風に、怒りとは別の醒めた感情が湧き上がってくる

 

相手の挑発に真正面から乗るから、心が折れたりムカついたりするのだ。

 

実は色んな腹が立ったり傷ついたりする行動には、結構しょうもない、或いは可哀そうな心理が働いていることが理由であるのが多い。

 

少し興味を持った方は、ぜひ心理学の本を読んでみてほしい。

 

―ということで今日も少しだけ突っ込んだことを書いてみた。

 

心が折れた子の将来は、矯正しないと本気で暗い。僕も何度も心を折られた人間なので、本当によくわかる。

 

願わくば、そういう発言をしないだけでなく、そういう発言から子どもたちを守ってあげたい。強くそう思う。

 

それでは今日はこの辺で。