情報化社会により、今やあらゆる情報を誰でも入手できるようになった。
つまりそれは、『情報そのもの』の価値が大暴落していると同じ。昔みたく独自のテクニックといった文言に商品価値が無くなりつつある。
だからこそ、これからは『何を教わるか』よりも、『誰から教わるか』に重きが置かれる。真面目にコツコツという重要性が、ここに来て高まっている。
・・・という話は、以前長々とブログに書いたので割愛。
jukukoshinohibi.hatenadiary.com
今回書きたいのは、キラキラした話ではなくむしろドロドロした話、つまり『簡単に悪評が立つ方法』である。
逆説的なテーマだが、信頼は得るより失う方が超簡単だ。それこそ、本当に誰でも出来るほどに。
そして悪い評判は、口コミやTwitter等で恐ろしいほど速く広範囲に拡散する。(良い口コミもだが、悪いそれほどじゃない)
つまり、『悪評』は立つとそれだけで、こちらの生命線を断つことにもなり得るのだ。無茶苦茶怖い話ではないか。
そこで今日は、僕自身のほろ苦い経験や、生徒がポツリと話してくれたことを基に、そのエッセンスを抽出しておく。
しかも、出来る限り皮肉たっぷりのウザい口調で書いてみようと思う。理由は、ここに書くことをする人はまだまだ多いし、大手にも闊歩しているからだ。
それにそもそも、ここに挙げたことをするヤツもされることも、僕は心の底から大っ嫌いだから、というのもある。
それもあって、タイトルも、『悪評が立つ方法』なんてのにしている。
―もちろん、これは口では言うものの、100%の達成は成し得ていない自分への自戒も多分に込められているので、それはご承知いただければと思う。
では行こう。
―あ、そうそう。我ながらかなり腹立つ口ぶりになったので、なるだけ心穏やかなときに、続きを読むを押してくださいませ。
- 生徒をスパルタで鍛えるべし!
- 生徒によって扱いを変えるべし!
- 怒るための罠をいっぱい用意しておくべし!
- 保護者への態度も不遜にすべし!
- 仕事はガンガン手を抜くべし!
- 終わりに。 -ムカついたあなたが正解です-
生徒をスパルタで鍛えるべし!
悪評を立たせたければ、心を鬼にして、生徒をガツンガツンとスパルタで指導しよう。
質問に来ても突っ返し、良い点を取っても悪いところばかり指摘するべし。褒めるなんてもってのほか。甘やかしは断罪しよう。
『自己重要感』や『自己肯定感』をバキバキへし折り、最終的には『先生に厳しくされたおかげです』なんて言わせれば万事OK。
結果、結構バカにできない数が退塾したり、努力を放棄したりするので、そうなれば悪評が立ち放題である。
そんな生徒に対し、『逃げるヤツが甘い』という他責の姿勢を一貫していると、一層素早く悪い噂が立つので頑張ろう!
生徒によって扱いを変えるべし!
良い点数を取ってくる。自分の言うことに従順。そんなスバラシイ生徒は、たまにいることだと思う。
そして、言うことは聞かず、成績も奮わない、手を焼く生徒もまた然り。
そういう時は、思いっきり扱いを区別してしまおう。
あの子は良いがお前はダメ!この甘々のボーダーを自分の裁量で設定し、その場その場で対応を変えるのがオススメだ。
『褒められたければ言うことを聞け!』を座右の銘にし、『昔の日本人はどうすれば良いか自分で観察し、考えたのだ』という話を刷り込もう。
自分を主体に詭弁で正当化を繰り返すべし。さすれば人が離れていく日も遠からむ。
怒るための罠をいっぱい用意しておくべし!
なんかイライラして、思いっきり怒りたいときってありますよね。そういう時は、その大義名分を作るため、色んな手を打っておきましょう!
わざとらしく校舎を汚くしておけば、『ええんかな』とゴミを放置したり、落書きしたりする生徒が出るので、『俺らは良いがお前らはダメだ!』と怒れるよ!
宿題も、期限やページを分かりにくくしたり、そもそも書かずに口頭での指示にしたりすれば、結構忘れるのでまた怒れるよ!
後はガチガチの軍隊もびっくりの、超細々したルールをこっそりいっぱい作っておくと、怒れるタイミングがいっぱいできるのでオススメだ。
さっき言った生徒別に扱いを変えるってのと組み合わせれば最強だ!ぜひ積極的にミックスしよう!
保護者への態度も不遜にすべし!
『俺は教えてやってるんだ!』『できないのはお子さんの努力不足ですね』
―といった、上から目線の他責思考は、是非ともお家の人にも伝えちゃいましょう。一発で信頼を失えるよ!
『どうすればいいですかね・・』といった心配や不安を口にしてくれたら、大チャンス。
そのタイミングで非現実的なコマ数の、ン十万円を超える講座の案内などを渡せば、営業成績も大幅アップ!もちろん指導はビシバシスパルタでGO!
尚、不遜に振る舞うには、例えば名刺を雑に渡すことや、たまにため口を混ぜるなど、効果的なテクニックをどんどん取り込むのも吉。
こうすれば、悪評が立つ日もすぐそこだよ!
仕事はガンガン手を抜くべし!
『仕事をしてもしなくても、努力をしてもしなくても、給料は変わらないんだから、手を抜いた方が得だ!』
なるほど、合理的な思考ですね。ではそれを、是非とも積極的に醸し出そう!業務態度や発言など、なんでもいい。
ずっとスマホを触る。仕事は便利屋の部下に全部放り投げる。授業の中身は何年も変えないラジカセ講座。『仕事しねー』という公言。
めんどくさい努力も作業も、放り出すか丸投げするかで全部処理!マネジメントとはそういうもの!
その上で、『お前ら将来に向けて、今は頑張れ』とでも生徒に発破をかければ、ただの皮肉にしか聞こえないので、一層信頼を失えるよ!
終わりに。 -ムカついたあなたが正解です-
―ということで、書きながらかなりイライラしてしまった。
書き方こそ盛ったが、中身はハッキリと実例だ。僕が見たもの、生徒が言っていたもの、何なら保護者が言っていたものがベースのノンフィクションである。
当ブログを読んでくださっている方々の中には、同じく塾の運営に携わる方や、教師として指導に当たっているがいる。
日頃から情報を集めたり、発信したりというのを行っている方々なので、恐らくここに書いたクソみたいなことは絶対にされていないはずだ。
そういう方々が増えることを、僕は切に願っている。この記事を読んで、ムカついた方は、それが正解である。
―余談だが、ここに書いたような指導を喰らった生徒が、どういう心の傷を負うか、少し紹介する。
その生徒は、小6の時、ハッキリと担任から不当な扱いを受けていた。当てられ、正解を言っても、何故か10分立たされたことなど日常茶飯事。
中学の時も、不真面目な学習態度がたたり、5が付くはずの成績が3になっていたり、3になるはずの成績が2になっていたり。努力がアホらしくなったそうだ。
相談に行っても、まだまだ根性論がまかり通っていた時代。己の人としての未熟さを追求され、答えの出ない自責に苦しむ。
その後も事あるごとに、努力をすれば利用され、誰かがサボるために苦労するという経験をするたびに、色々面倒に、そしてアホらしくなったという。
だがそんな彼も今、理解ある職場や、自分にとっての天職に出会ったこと等で、少しずつそういった記憶も『ほろ苦い思い出』に変わりつつあるのだとか。
そして気づけば、『某塾講師の備忘録』なんてブログを始めて、細々と色んな情報を書いているのだとさ。
めでたし、めでたし。
―こんな本気でめんどくさい回り道をする生徒と、その保護者の方はこれ以上要らない。僕が今日書いたことの撲滅を願う理由は、ここにある。
発言一つ、態度一つ。小さな矛盾でも、残す禍根の大きさは計り知れない。
年明けののんびりムードに思い切り冷や水をぶっかけるような内容だが、何かの思考や行動のきっかけになれば嬉しい。
それでは今日はこの辺で。