教育相談をしていると、『子供が〇〇ばっかりやって勉強をしない』というお悩みをよく聞かされる。
その一環として、毎日粘り強く止めるよう言ったり、いっそ取り上げたりと、色んな手段に出ている方も多い。
だが、ちょっと待って頂きたい。あなたは誓って、自分が過ごす24時間を、好ましい習慣だけで埋められているだろうか?
僕は『違う』と胸を張って言える。例えば昨日も、止めたいと思って止めきれないお酒を飲み過ぎて、二日酔いで貴重な休みを潰した程だ。
それくらい、『意志』や『根性』で立ち向かうには、悪習慣の矯正は難しいのだ。自分たちが出来ないことを子どもにやれは暴論である。
そこで今日は、悪習慣を『効率的に』正していく術を、個人的に試して効果が高かったものに絞って列挙する。
『トリガー』を除去する。
コチラの記事が参考になる。
これによれば、まず行うべきは、『望ましくない習慣を取ってしまう原因の分析』である。
例えば『お酒を飲み過ぎる』なら、『なんでそれをしちゃうのか?』を考えるという話。
試しに僕を例に考えよう。僕が酒を飲んじゃう原因を考えると、『大体仕事終わり、自分への労いとして』というのが大半だ。
となれば、『酒を飲む』という行動ではなく、『自分を労う手段として』という理由の方が、太刀打ちし易いという話。
だからとりあえず二日酔いから復帰した今日は、ノンアルコールビールと甘酒を代わりに飲んで実験してみるつもりである。
―さて。これを生徒に置き換えるのなら、例えば『なんで長時間Youtubeをしちゃうんだぜ?』みたいな問い方をするのが一手だろう。
その上で、Youtube視聴時間の全てをただ笑えるだけの動画にするところから、例えば何かしらの授業をする教育系動画を混ぜるなどの妥協案を探る。
いきなり-100を+100にするのは難しい。だからこそ、まずは『トリガー』を分析し、そこから正していくように声掛けするのが吉だろう。
めんどくさくする。ラクにする。
これまたこちらのブログがすごく勉強になる。
『悪習慣』を撃退する超簡単な方法の1つに、
掛かる手間を20秒増やす
というのがある。
例えばYoutubeを始めとして、スマホを触る時間が長すぎると感じるなら、充電器を玄関に差しておくだけでも全然違う。
或いは、動画やLINEのアプリを、いくつもフォルダを作った最下層に放り込んでおくだけでも、『ついつい』立ち上げる可能性が激減する。
人は、どんなにハマっていようと、めんどくさいことをやりはしない。この心理を逆手に取るのだ。
―ちなみに、
『良い習慣』を増やしたければ、掛かる手間を20秒程度削減するよう環境を作るのがオススメ
だという。(僕もそう思う)
朝に散歩を日課にしたければ、そもそも運動着を寝間着にするとか。勉強を習慣にしたければ、ノートやテキストは机の上に出しっぱなしにするとか。
こういった声掛けをすれば、『悪習慣』も何とかなる気がしないだろうか。この20秒法はむっちゃ効くので、もちろん大人にもオススメである。
フランクリンの十三徳
アメリカ合衆国建国の父、その一人である『ベンジャミン・フランクリン』には、ある習慣があったという。
それは、
自分の弱点を箇条書きし、週に1つずつそれと戦い、乗り越えていった
という。(詳しい内容はWikipediaなどを見てほしい)
このやり方は、最近心理学等で分かってきたことに対し、すごく理にかなっているものである。(人は同時に複数の習慣を改められない、等)
僕自身、ダメなとこリストを書いていると無茶苦茶情けなくなってくるのだが、たまにこの習慣を真似ている。(とりあえず今週は断酒します)
もし電話を掛けるのが苦手なら、この1週間は最低毎日2回掛けてみよう。もし本を読むのが続かないなら、この1週間は続けよう。
意外とこのコツコツ重ねる成功体験はバカにならない。
終わりに。
ということで、大人でも超難しい『悪習慣』を倒す方法を、つらつらとまとめてみた。
僕の生徒にも、嬉しいことに、これを真似て好ましくない行動が減ってきている!という素晴らしい子が出てきている。
―ただ、どんな素晴らしい方法論を伝えるにせよ、1つだけ注意してほしい点がある。
それは、『必ず実践すること』だ。
やってもないことを伝えると、不思議なものでそれごと相手に伝わってしまう。その状態で熱を込めて話せるのは、よほどのプロかペテン師だろう。
僕自身、上記の方法を用いてタバコを止め、カード払いを2万近く減らし、勉強時間を捻出し英検1級に受かっている。
その経験談もセットで話すので、全員では勿論ないが生徒の心に届いているのだろうと、独りごちている。
2020年が始まり1ヶ月以上経ったが、新たなことを始める、或いはいい加減あることを止めるという目標があるなら、是非とも使ってみてほしいツールである。
では今日はこの辺で。