「今すぐやれ!」という考え方が嫌いだ。その人にとってはそれが合っているというだけで、他人にそれを無理矢理押し付けてくることはするなと、感情的に腹が立つ。
将棋で何も考えず一手指すというくらい、浅はかな思考だなと感じる。ある人が巧遅拙速しまくった結果、僕が尻拭いに走った経験もあるため、その思いはかなり強かった。
ところが最近、少しは角が取れたのか、その思考に対し、反射的に論外と返すような真似はしなくなった。確かに「今すぐやった方がイイ」場面はあるからだ。
しかし、決してそれは万能薬なんかではない。あくまで特定の条件下でのみ、効き目があるに過ぎない。頭が痛いなら頭痛薬を呑むのと同じだ。
今日は僕が思う、「今すぐやれ!」が通用するパターンを2つ、紹介したい。
取り掛かる対象についてのデータを持たない場合。
これは僕がよく陥る罠なのだが、考えても考えても、何から取り掛かればわからないものが、自分の前に出てくることがある。
実はこういうケースは、とっとと1回やってみた方が話が早いことが非常に多い。取り掛かる対象についてデータが無いときは、まず何でもいいからやることが大事なのだ。
例えばゲーム実況を観ているとよくわかるのだが、何をすればいいかわからないゲームについては、とにかく適当に動かして、雰囲気を掴むのが最速だ。
このボタンを押せば走る、このボタンを押せば飛ぶ、真っすぐ飛んだら墜落するなら、迂回するのはどうだろう・・・。
この場合のミスは、失敗という言葉で大仰に捉える必要は全くない。あくまでもデータ収集なのだ。こんなので自尊心を傷つけるのは、とてつもなくあほくさい。
逆説的かもしれないが、マジで何から手を付ければいいかわからないときほど、例えば文言をちょっとイジるとか、そこから始めるのが効いてくる。
考えればわかることと、考えても無駄なことを見切る練習は、積んでおいて損はない。
メタが「めんどくさい」と思い込んでいる場合。
自分のメタというのは、本当に物ぐさでいい加減だ。した方が良いことも、「めんどくさい」という無意識下の抵抗により、結局しないままに終わることが多いくらいだ。
何かしらのタスクに向き合った際、僕は自分の胸の内を意識的に観察する。「めんどくさい」と直感的に思ったときは、己に対し、2~3の質問をする。
「それ以外にやらない理由はある?」「今やらなかったらどうなる?」「お前がいうめんどくさいは、時間にしてどれくらい取られるもの?」という風に。
これらの答えに窮したときは、僕は”すぐに着手する”。そして今のところ一番いいのは、タイマーを2分にセットして、徹底的に細かくするという作業を挟むことだ。
例えば「授業の人選」という仕事に関して、2分間でできるだけ、細かい作業に分解する。解像度を上げると言い換えてもいい。
リストを見る、条件に合う講師をピックアップする、内定のオファーをLINEで送る・・・という風に。
たかが数分だろうと、一度取り掛かれば、「めんどくさい」というメタは黙る。しかも、「やっといてよかったな」と拍子抜けすることもしばしばだ。
「めんどくさい」ものほど「今すぐやる」ことがコツ。逆説的だが、僕はそう信じている。
【今すぐやると病むパターン】差し込みの仕事の9割は一旦無視して良い。
では逆に、今すぐやると例外なく心を病むパターンは何か。それは簡単で、本来の自分の計画とは無関係の、突発的に発生したり依頼されたりした仕事全てである。
こういう仕事が発生するたびに優先順位を変えていると、驚くほど頭が疲れてくる。そうなれば、効率は悪くなり、おまけに仕事も終わらなくなる。
ぶっちゃけ、「今すぐやって!」といってくるのは、期限を説明するのが面倒というただそれだけなのがほとんどだ。10分後だろうが1時間後だろうが、あまり大差はない。
実際にやっている姿を見せないと怒るようなダルいタイプであれば、2~3分だけポーズで取り組み、あとはしれっと投げて、自分が本来したかった仕事をすればいい。
人の優先順位や計画に土足で入り込んでくるような依頼は、受け流すに限る。突発的な案件も、メモだけ控えて、ちょっと後に回す方が吉だ。
そこは気をつけた方が良い。
ということで、「今すぐやれ!」という考え方について思うことを、サクっとまとめてみた。何かヒントになっていれば幸いだ。
では今日はこの辺で。