精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

【英文読書ルーティン日記133】"Quiet"読書感想ブログⅧ ~閉じた世界が開くとき~

内向性の強い人間が潜在的に持つ力とは何か。僕はそれについて、受け売りな言葉だが【観察力】だと考えている。

 

対象をじっくり観察し、現状とのギャップを観察し、その差を埋めるための問いを発し、仮説を作って観察する。だからこそ、上達も速く、深いのだ、と。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

しかしながら、こういうプロセスはどうにも自己完結的で、周りから見たら何もしない、行動しないから、じれったく、どこか下に見られるのかもしれない。

 

とはいえ、何かしらのプロは、それを言葉にできているかいないかを抜きにしても、観察力が本当に抜きんでている。

 

ボールの握り方をミリ単位で変えるとか、ダンベルを下ろし方を意識的にコントロールするとか、基本に通じて精髄に至った例ではないだろうか。

 

そんな内向的な人たちのパワーに、またこれから触れていきたいと思う。

 

 

6月26日(月) 内向性の弱点

 

内向性にも、もちろん弱点はある。それは、集中に失敗すると、他者の目がものすごく気になり、考え過ぎによってパフォーマンスが阻害されるということだ。

 

僕も昔野球をしていた頃、エラーをするのが怖かった。それがチームの負けに響くからではなく、そうなったら嘲笑されると思っていたからだ。

 

そういうIFを一切想像せずに振舞える人が本当に羨ましい。実際、そういう他人の目を気にし過ぎた結果、万年銅メダルみたいな人がいたのだという。

 

彼とそのコーチが壁を破壊するために採った手段。それは、皆ではなく誰か特定の人に見せるために演舞するべし、というものだ。

 

いわば、集中の対象を特定の一つ向ける、という感じか。これはなるほど、腑に落ちる。テンパったときは、逆に1つのことにだけ集中する。

 

今度、試してみるとしよう。

 

6月27日(火) 内向性アスリートへの助言

 

内向的であることを、スポーツにおける強みに変えるには、どうすればいいのか。具体的なアドバイスは、章末にまとまっていた。

 

まず、練習は独りでやるというか、独りでやる練習の時間を必ず設けることが必須とあった。自己との対話がスキルに直結するからだ。

 

後は、世界を収縮させるという考え方だ。意識的に集中して、頭から観客を消し、スコアを消し、個人的な記録を消し・・・

 

そして本当に必要な情報だけと向き合う。いわばゾーンの世界だ。そのためにメンタルのトレーニングを重ねることも有効だとあった。

 

華やかなスター選手ほど、練習は地味でストイック、試行錯誤の繰り返しというのは、結構多い。成長はその時間に生まれていると思うと、希望が出てくると思わされる。

 

6月28日(水) 孤独を楽しめる人

 

ヨットでの単独世界一周航海チャレンジというものがある。その最年少記録は、非公式ながら、オランダの16歳の少女が打ち立てたものらしい。

www.afpbb.com

 

この子はザ・内向的な性格でありながら、こういう自分にとってドンピシャでハマることに関しては、強い熱意と行動力を呼び起こせるタイプらしい。

 

一応wi-fiなどのツールはあったようだが、彼女はしばしばワザと孤独に自分を浸すといった時間を取っていたという。静かな時間で一人、自分を見つめるという感じか。

 

デッキに止まった海鳥に癒され、周りを泳ぐイルカの群れに心震わせ、時にはアクシデントで、燃料でパスタを茹でて苛立ったり・・・。

 

そういう時間を腹立たしいというか、究極の絶望という風に取る人もいる。だが僕には、そういう完全なる孤独って、結構羨ましい時間だし贅沢だとも思える。

 

近く、どこまでも一人の時間を確保するため、山奥にでも引きこもろうかな。あぁ、羨ましい。

 

6月29日(木) 真に恐怖を克服するということ

 

内向的で消極的な人は恐怖に怖気づくからリーダーに向いてない。よくそう言われる。実際、外向的な人はリスクがあろうとガンガン行くので、リーダーっぽく見える。

 

ただ、登山家の例なのだが、実は性質として内向的である方々の方が、平均的には良い登山をする傾向にあったそうだ。ただし、それには条件がある。

 

それは、リスクを並びたてた上で、感情を排してきちんと回避・対処する術をシミュレートしている、というものだ。

 

いわば、恐怖を自覚しながらも、それにどう立ち向かうか、あるいは回避するか、というところまで考え抜く。これが真の内向性の強みなのかもしれない。

 

怖いから逃げるのではなく、怖いけど立ち向かうしかないという前提に立ち、シミュレーションをする。

 

ナポレオンの逸話にもこんなんあったなと、何かが繋がる感覚があった。

 

6月30日(金) 内向性×冒険

 

チャールズ・ダーウィンも、実は結構な内向的・消極的な人だったという。子供の頃、思索に没頭し過ぎて、散歩中に崖から転落したことさえあるというガチ勢だ。

 

しかしそんな彼も、自分が情熱と興味を持つ対象については内向性を限界突破し、船での長旅に応募するほどであった。

 

その船長はダーウィンの鼻付きという謎の論理で、最初は乗船を渋ったという。いわく、そんな鼻付きのヤツは、航海に耐えられるわけがない!・・・という理屈らしい。

 

すったもんだありながらも彼は船に乗り、旅先で精緻なスケッチと観察を繰り返し、その後は語らなくてもいいだろう。

 

内向性を持った人が冒険に出るとき、世界にとっても、ある意味新しい扉が開けるのかもしれない。胸が躍る話である。

 

7月1日(土) 内向性×没頭

 

内向性を持つ人が没頭できる対象を見つけると、傍から見ると想像もできない程大きなことを成し遂げるケースがある。

 

独り用潜水艦を自作した少年の話もその一例だろう。元々ガラクタを組み合わせて物を作るのが好きだった彼は、いつしかそれが高じていき、潜水艦を作るという夢を抱く。

 

父に頼み込み、頑丈で巨大な素材を発注し、数ヶ月を掛けて誰の手助けも借りず、モニターさえ完備したそれを作り上げて、実際に実家裏の湖にダイブしたそうだ。

 

陸路では両親が心配のあまりうろつくのを、そして湖底では魚が泳ぐのを、彼はオレオを食べながら観察していたという。

 

そんな彼が発した唯一の「困りごと」は、オレオが尽きたこと、それだけだったそうだ。

 

独りで長期間黙々と取り組む時間。それを嫌がらないどころか、楽しめることは、内向性の最たる強みとして考えても、やっぱり良さそうである。

 

7月2日(日) 恐れは泥棒である。

 

人見知りでシャイな女の子が、ふとしたチャンスでエクアドルに留学することがあったのだという。

 

陽気な気候、陽気な人たち、陽気な文化。燦燦と降りそそぐ太陽の光を浴びながら、彼女は心の底からそこの風土と、心を開放した自分を満喫したのだという。

 

そんな経験は稀有なものだ。だから当然頼まれる。「大勢の前で話して欲しい」と。彼女は恐怖に震えながらも、スピーチに備え、練習を積み続けた。

 

そのとき彼女を支えたのは、エクアドルの人たちが彼女に送った言葉の一つである。「恐怖という泥棒に何も盗ませることなかれ」というものだ。

 

嫌われたらどうしようという恐れで、好みの異性に声を掛けられない。メールを送れない。そういう場面がしっくりくるのではないだろうか。

 

恐怖が可能性を阻害することを泥棒に形容する。すごく腑に落ちる比喩表現である。

 

その言葉で勇気を得た彼女は、100人を超える聴衆の前でしっかりとスピーチをやり遂げて、喝采を浴びたそうだ。

 

「そんな私は、シャイのままなんだけどね」という一言が、最高にクールである。

 

―ということで今日はこの辺で。

 

 

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