精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

全ての学びの始まりは【没頭】だが、それの疑似再現でも十分だと思う。

観察力の鍛え方を再読していると、アンドリュー・ワイルズ氏のインタビューや、羽生善治氏の著書と共通する、あるヒントがあることに気が付いた。

 

それは物事に習熟していく段階別の、鍛え方や考え方の話である。仔細が違っていたら恐縮だが、これら三人は、同じことをそれぞれの言葉で言っていると感じている。

r25.jp

 

すごく乱暴に言うが、まず新しい物事に取り組む際は、知識も経験値も皆無であるため、とにかく曖昧だし、拙い真似から全ての学びがスタートとなる。

 

それでもその段階で腐らず、何度も何度も繰り返し挑むことでいずれ対象についての解像度が上がり、気付けば無意識下でもそれを行うことができるようになっている。

 

わかり易い例は、自転車の練習だろう。全く乗れない状態からスタートし、たくさん転んで怪我もしたのに、気付けば特に意識せずとも普通に乗りこなしている。

 

このことを丁寧に書くと、「とにかく問題をたくさん解いて、テストをいっぱい受けること」という感じになる。それ自体はその通りだと、特に疑問を抱かない。

 

ちなみに、このサイクルに熱中し、他の人が真似できない速度と集中力と濃さでこの段階に取り組むことを、【没頭】と呼ぶ。まさに没我、完全に夢中の状態だ。

 

こうなれば指数関数的に成長できるため、誰しもが狙ってこのモードに入ろうとする。全ての学びの始まりは没頭とさえ言える。

 

だが、没頭は高い精神状態を指すため、「おもんないなぁ」といった邪念が混ざれば到底入れないし、シビアな話、ある程度の素質が無いと、その資格すら無いこともある。

 

とはいえ、没頭できない人は総じて学べないというのも暴論だ。それにそもそも、仕組みさえわかれば疑似再現は可能だし、僕はそれでも十分事足りると考えている。

 

今日はそんなお話をば。

 

 

真似て覚えて真似て解く。

 

羽生善治氏も佐渡島庸平氏も、初学者の段階を突破するには、とにかくまとまった量の経験と知識を一気に詰め込むことだと説いていた。僕もそれには強く同意する。

 

インプットの質など二の次であり、とにかく拙くても良いから、トライアンドエラーを何度も繰り返し、経験値を大量に自分の中に蓄積していく。

 

僕が頭に浮かべるイメージとしては、勉強や模倣によって断片的な知識が頭に入って、それらを演習や実践を通じて繋げ、面にする感じだ。

 

その面を重ねていけば、いずれ立体ができる。それの体積が閾値を超えたとき、次のステージに行けるのでは、と考えている。

 

アンドリュー・ワイルズ氏も屋根裏部屋で仕事に取り組んでいた際は、新しい数学的テクニックを得た際、それをひたすら使い、まずは習熟することから始めたという。

 

まとまった時間をインプットと同じくらい演習・実践に充てること。これが最初の段階を超えて、中級者に移るための第一歩として、多くの人が挙げているコツなのだ。

 

これは自分事としても経験がある。英検1級の二次試験にリトライする際、僕が徹底的にやったことは、模範回答集の丸暗記である。愚直にそればかり繰り返した。

 

今でこそ半分くらい忘れてしまったが、イカれるほど鍛えていた頃は、本気でテキストにあるほぼ全ての問いに即答できていたように思う。

 

しかしやっていたことは、つまり丸暗記と、自分でCDの音声を使っての模擬面接の繰り返しなのだ。たまたまではあるが、効果的な学習法を僕はトレースできていた。

 

やはり愚直な模倣と、徹底した演習が、爆発的な成長のカギ。説明書をきちんと熟読してからゲームにハマることが無いのと同じだろう。

 

質のいいインプットや、「わかった!」という感覚ばかり追求していては、永遠に初心者は抜けられない。そういうのが現実ならば、そこそこに怖い話である。

 

逆に言えば、たとえ没頭するほどの熱量が無くても、「毎日教科書を10ページ読んで、出てくる教科書例題を全て解く」といったことをすれば、疑似再現は可能だ。

 

「わかった!」という段階に辿り着かずとも、いいからやってみる。理解できずとも、例題の解答の流れを自分でもなぞってみる。そうした結果、気付けることもある。

 

なにかに入れ込む際は、実際どこかで躓いて、試行錯誤するフェーズが潜んでいるものだ。それもまた必要なスパイスなのだろう。

 

特に僕は、理解を重視しすぎて行動を取らず、結果として量が不足する傾向にある。ここは自分の弱点だとしっかり意識したうえで、敢えて量を取りに行く所存である。

 

ということで今日はこの辺で。

 

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