僕は、勉強量に点数が比例しないとき、その生徒が『演習をぬかっている可能性』をまず考える。
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楽譜が読めて音階を覚えても、それだけで曲を演奏できるほど甘くないのと同じである。練習ありき。反復ありき。綺麗なノートを書くだけでは点は伸びません。
つまり、『知識』は使いまくることで、『反射』に変えねばならないのだ。そして、その『反射』に変わったものがいくつあるかが、実はテストの結果を決める。
もっと言えば、『実力テスト』の結果が決まるといった方が正確かな。今日はそんな啓発である。
時間を掛ければ解ける?だから実力があるとでも?
もう一つ例え話を混ぜておく。このプロセスはスポーツ、例えば野球でも同じである。
今や誰でも変化球の投げ方や、バッティングの方法論などを、プロが解説する動画で学ぶことができる。だがこの段階では、ただの知識。使い物にならない。
腕をどの角度で振り下ろすか。使える場面はどこか。注意点は?自分なりのコツは?
―そう、この辺は実際に練習して試さねばどうにもならない。そして、頭を使いながらじゃないとできない限り、実戦で使うことは不可能だ。
『相手がインコースに投げてきたら足をこっちに出して思いっきり引っ張ろう!』
・・・と意識しないと体がそう動かないのなら、『相手がイ』くらいのタイミングでボールが来ている。綺麗な見逃し。監督がキレますよ。
―これは勉強でもマジで同じだ。『時間を掛ければ解けるんですぅ』という謎の自己弁護をよく聞くが、僕はそこから先は全く聞いていない。
『でも時間が足りないから点になってないんでしょ?』と何度でも引き戻す。現実をまずは知りなさい、と。
実力試験で点になるのは、『反射』レベルに変わった知識と、その応用で出てくる情報だけだ。ここを履き違えてはいけない。
丁寧なインプットは大事だが、夥しいアウトプットを怠ると、100×0みたいな話になってしまう。何をゼロに掛けてもゼロなのだ。
―実際、僕はノートがキタナイことで中学3年間有名だったが、僕より模試で点が取れないヤツはごまんといた。
逆に、ノートすら取ろうとしないヤツなのに、僕より点が高いヤツもいた。そいつはとにかく、『面倒だから』と適当な紙に問題をゴリゴリと解きまくっていたものだ。
ノート絶対主義の功罪は大きい。ノートが綺麗なのに点が伸びないのが悩みだってんなら、問題解いてんのかゴルァ(巻き舌)と、僕は問いたくて仕方がない。
『知識』を『反射』に変えるには?
ここからは具体的なTipsに移る。と言っても、知識を反射に変えるのに必要なのは、『速く』『たくさん』問題を解くという意識である。
僕は高校3年の5月から8月にかけて、センター英語の点が60点くらい伸びたのだが、その時とにかく取り組んだのは『単語アプリ』である。
―ただ、その使い方は特殊だったと思う。僕は、覚えることなど当然で、毎日どれくらいタイムが縮むか、速く解けるかに、何故か凄くハマっていたのだ。
結果、調子が良い時は500単語の確認が10分かからないこともあった。すると、あら不思議。長文が"わかる"ようになり、点が爆増したのである。
当時はそんなことを分かっていたワケではないが、今思えば僕は理にかなった行動をしていたな、と。
そこで覚えたセンター頻出単語は、マジで頭を使わず和訳を引っ張り出すことができる。というか、日本語訳を引っ張り出さなくても意味が分かる。
―ここで伝えたいのは、僕の過ぎたどうでもいい自慢ではなく、『反射』の重要さと『タイムアタック』の効果の高さだ。
2、3回やっても覚えられない?できない?そんなものは当然ですし自然です。あなたはキセキの世代のモデルやってるあの人ですか、っつって。
『反射』に変えるための練習量はナメてはいけないし、避けてもいけない。ってことで、科目別に具体的な方法を書いておこう。
あ、そうそう。数学以外に共通して伝えたいこととして、書かずに読んで解けというのは前置きしておく。
数式以外は書くとそれだけで時間が掛かるため、タイムリミットという負荷が軽くなってしまうからだ。
その上で説明していこう。
まず『社会』の勉強から。とにかく、インプットが済んだ単元から、問題を読んで答えを言う。これが速い。
制限時間内にどれだけ言えたかでも良いし、逆にノルマを言うのにどれだけ時間が掛かったかを記録しても良い。ゲーミフィケーションだ。
もちろん、そういう一方通行な演習に飽きたのなら、例えば答えから問題を言う方にシフトしても良い。
『国語』は具体的な話をするのが難しいのだが、読解問題に対し制限時間をタイトに課すのをオススメする。
センター現代文なら、本番で25分使って良いとされていた。そこをあえて、18分とかにして挑む。それだけで、じぇんじぇん違う。テンパるからミスる。
でも、そうやって負担をバキバキにかけておけば、本番で余裕が生まれる。しんどいってのは大切な経験なのだ。
で、『理科』。これは門外漢だからいい加減なことは言えないのだが、基本は『社会』と同じ演習スタイルで良いと思う。
たまに計算とかはあるが、それも結局はパターンだ。たくさんの種類に触れることで、その内回路が出来上がり、答えが即閃くようになる。
そして『数学』。 そういう作りのテキストがあるかは知らないが、僕は単元がごちゃごちゃになった問題集でタイムアタックをするのが効くと思う。
二次方程式の次は図形、いきなり今度は根号からの素因数分解!!みたいな。まるでアトランダムだらけの試合である。
尚、数式だけは書かねば何もできないので、そこは割り切って考えましょう。
で、『英語』。これは、とにかく、『音読』です。
声に出して読むと、それが脳内和訳を食い止めるため、英語を英語のまま理解しなければいけない状態が自然に作られる。
では、これに慣れて、さらに負荷を掛けたいならどうするか?僕が英検1級二次試験に使った練習法をまたまたまた紹介しよう。
『ひとり面接』である。これは、想定問題集の質問の音声をランダム再生し、流れてきたそれの答えを即答するという勉強だ。勿論、何も見ずに。
言えなかった質問は後でまとめて参考書でチェック。最後の2週間くらいはこれを気が狂うまでやったが、おかげさまで素点8割合格ができました。
ってことで、『反射』レベルにするコツは、負荷と即答。これに尽きます。
たまに授業内でやってみるけど、驚くほどへとへとになるから長時間はできない。だから、習慣に出来ればマジで雲泥の差が付いてしまう。
『わかる!』ことに重きを置く人もいるが、『できるけどなんでかわからん』レベルの方も、それと同等かそれ以上に大切。
実戦!練習!反復!
アツい話ですが、伸び悩む科目があるなら試してみてはどないでしょう。
では今日はこの辺で。