最近、僕は疲れている。このことはきちんと認めようと誓っている。「弱音を吐くな!」という根性論など無視して、「疲れてないわけないじゃん」と考えている。
こう思っている理由は至極単純で、この本を読んだからだ。人間の神経はお節介なことに、些細な疲労はホルモンだなんだによって、覆い隠してしまうのだという。
そうやって肉体的・精神的な疲労を覆い隠し続けて、目の前のピンチや多忙を乗り切ろうとする。いわばドーピングだ。副作用は、安全な環境を得てから、癒せばいい、と。
ところがドーピングが効いている間にケリがつかず、大体3か月程度の期間を過ぎてくると、どうなるか。心身ともに疲弊して、鬱状態真っ逆さまなのである。
こういう最悪なシナリオを防ぐには、どうするか。まず一つは、きちんと休養を取ることだ。だがこれは、実は難度が高いし、ドーピング状態だと、抵抗感も強い。
だから僕は、下園壮太氏も著書に書いていた、もう1つの方法を最近は採用している。それは、ドーピング状態を意識的にある程度解除することである。
今日はそんなお話を書いていこう。
「疲れてるに決まってんじゃん」
脳がホルモンを操作するなどして、心身の疲労を誤魔化す、いわばドーピング状態をどうやって解除するか。先に言うが、完全に解除するのは不可能だ。
部分解除が関の山だし、それで十分だと考えている。ではその具体的方法だが、自分がここ数日~1週間でストレスに感じた出来事を、まずは思い出すことから始める。
僕で言うと、こんな感じになる。
全く宿題をやってこない生徒に対して苛立った講師がおり、そのネガティブな空気を受信してとても疲れた。
目を離すとすぐにふざけて問題に取り組まない子供の相手を数十分して疲れた。ヘルプに来ない別の講師にもちょっと疲れた。
朝の5時に一階の住人の物音で目覚めて、猛烈にイライラしてしまった。しかもそこから1時間くらい寝れず。二度寝したが、スッキリ感は皆無。
―その上で、最近脳が覆い隠し切れていない心身の不調を、これまた具体的に書き並べていく。できれば些細なことでも、盛り倒すくらいが丁度いい。
普段なら定時にすることがなくなるのに、ここ1週間は1時間程度の残業が常態化している。
寝る時間が段々遅くなっている、眠くなるまでが少しずつ伸びている。
朝起きたら無性にイライラすることが増えた。
授業を重ねていると、集中が切れる瞬間が発生するようになった。
喉が疲れて、段々声が出なくなっていった。
こんな風に並べて、改めて自分に問いかける。「お前は疲れていないわけがないんだよ」と。そしてなるべく、「やっぱりなぁ」と、認めるように肯定するのだ。
「そんなことない!」とメタは反発するかもしれないが、それを意識的に止めて、疲れている証拠を探し出す感じだ。すると、バイアスがかかり、それは山ほど見つかる。
ドーピング状態によって疲労が見えない自分に対し、幽体離脱したもう一人の自分が証拠を並べ立てて、冷静さを取り戻してあげる。そんなイメージで、僕に接している。
そうなると、僕は、どうすれば疲れが取れるのかに対して、一生懸命頭を使い始める。試しに今日は、遮光カーテンをギチギチに閉めて、耳栓をして寝ることに決めた。
疲労を脳に「誤魔化させない」。これはこれで結構大事な、自分を労う術に違いないと、僕は強く納得している。
では今日はこの辺で。