僕はそろそろ30歳なのだが、自分が思っていた30歳はもっと立派なものだと思っていた。
未だにちゃんと色んなことにイラつくし、『子どもだから』という理由で、生意気な発言を鷹揚に笑うなんてことも、100%はしきらない。
そうして理想に至らない自分を責める自分も、心の奥底、意識の陰からずっとそうする隙を伺っているようで、不健康な考え方もまだまだコントロールしきらない。
―そんな折、つくづく考えることがある。やはり『講師』は、メンタルを鍛えておかねばならない。しかも、必修レベルで。
今日はそれについて、自分に向けて書くという意識も持ちつつ、まとめておこうと思う。
『教える側』が病んだら終わり。
―まず、『教える側は弱音なんぞ吐かないで、必死こいて頑張るものだ!』と鼻息が荒い方は、是非こちらをご覧いただきたい。
僕でさえ、毎日数十名の生徒と顔を合わせるのだ。それは同時に、数十通りのストレスを受信するというリスクもまた意味する。
優しい人ほどその一つ一つに寄り添おうとして、自分のキャパを超えた結果心を壊す。許容量の数十倍のモノを入れようとすれば、そりゃそうなる。
しかし、生徒の悩み全てをバシバシとカットしたり無視したりすれば、信頼全てを失うことになり、この仕事を続けることは難しい。
ではどうするか?―矛盾するようだが、『受け止めはするが、深刻に捉えない』という意識を持てばいい。
そしてこの域には、『訓練次第』でたどり着くことが恐らく可能だと思う。理由は、修行の果てにそこまでたどり着いた人は何人もいるからだ。
誤解を承知で言えば、それはある種『サイコパス』な思考法であり、訓練でその域を獲得するのを目指せば、マインドは『仏教徒』に近くなるという。
となれば、別に教員とか講師限定ではないが、受動ストレスが強まるとわかる職業の方は、この知識の習得と、その訓練は、絶対にした方がいいという話に至る。
ということでここから、その内容をより具体的に説明していこう。
時間が取れるなら『筆記開示』がオススメ。
まず、10分程度でも席に着いて時間が取れる環境にあるのなら、『自分が何について悩んでいるのか』を紙とかWordに書くべきである。
これは別に文でも箇条書きでも構わないし、最悪ただ感情を書くだけでもいい。10回以上このブログに書いてきた話だが、それはその効果の高さ故、だ。
僕もそうなのだが、脳内だけで不安とかネガティブとかを処理しようとすると、大抵他のネガティブを巻き込んでそれは増大する。
例えば、生徒が模試で落ち込んでいるのを見た後に、過去に受験に失敗した生徒の顔が連想され、そして自分の力量のなさを悔やむ―みたいな。
これは僕らからすれば至極自然な思考プロセスであり、だからこそ知識も訓練もない状態で脳内処理をするのは危険なのだ。
昔僕も、『気にしない』ことばかり意識しすぎて、結果『気にしまくった』時期がある。そんな無駄な時間を、皆さんは過ごさないことを願っている。
脳内処理しないとダメなら、『注意分割』か『AWAREテクニック』。
とはいえ、ストレスを受けて、それを紙に書き出す環境にある方が絶対にレアだ。だからこの項では、正しい脳内処理について考えていく。
まずベースとして知っておきたいのは、『気にしないことは才能がない限り無理』だが、『気にする対象を変えるのは訓練次第』という事実である。
まず一番シンプルなのは、『注意訓練法』というものだ。
仔細はこの記事を読んでいただきたいのだが、ざっくり言えば、意識して『注意を向ける対象を変える』というものである。
例えば、まず何かの音(エアコンでもなんでも)に意識を向ける。
しばらくしたら、違う音に意識を向ける。
そして今度は、交互に意識を向けて、最後は同時に意識を向ける。
てな感じ。『くよくよモード』は、本当に一瞬でもそこから意識を切れたら勝ちなのだ。
あまりにも簡単なので拍子抜けだが、その効果はあまりにも高い。
また、今回は説明を割愛するが、慣れてくれば『AWAREテクニック』も心強いツールとなる。
hitomishiriteki-jinseikun.hatenablog.com
―難しい話が続いたが、とにかく何より『今自分が憑りつかれているネガティブ』から意識を切り離せば勝ちなのだ。
だからこそ、例えば激しめの運動を入れるとかも実は効果的なので、知っておいてはどうだろうか。
終わりに。
ということで、今回は提案というかなんというかという話であった。
職場から帰る際にちらと学校を見たのだが、22:00過ぎてんのに電気が点いていた。なんかこう・・・いたたまれない。本当にいたたまれない。
ご自愛なされよとは言うのだが、『じゃあどうやって?』を伝える人は少ない。
そういう方の負担軽減にお役立ていただければ幸いだ。
では今日はこの辺で。