見ていて不快になるものの一つに、揚げてない揚げ足を取って、著名人の悪口をただ言っているだけのようなゴミ動画がある。
これが何故かYouTubeのホームに流れてきたら、即刻非表示にするし、投稿主を二度と表示しないよう設定もする。それくらい、純度100%で、こういう類のは不愉快だ。
その内、僕の嗜好をAIが学習して、そういう動画を表示しなくなればいいと思う。ただ、履歴に1つでも混ぜたら似たものをオススメしてきやがるので、そこは慎重だ。
他にも、適当なお墨付きを添えたウソ美容品の広告や、わざわざ悲惨・陰湿なストーリーが伺える復讐モノのコミックバナーも嫌いで、見た瞬間に全部ブロックしている。
そのおかげか、勝手に機械が分析してくれて、僕にパーソナライズされた広告が表示される確率は、以前よりマシになってきたように感じる。
そんなわけで、僕はなるべくオンライン・オフライン共に、視界に自分が嫌なものを入れないよう、結構気を付けている。
そして最近、オンライン上でそれを行うことが、とても楽になっているとも感じている。それは言わずもがな、AIが台頭したことが大きい。
結果、実は今、統合ではなく分断が進んでいるんじゃないかと僕は感じているわけで。今日はその一考察を、しれっと言語化してみようと思う。
自分が嫌いな人とは一緒に居たくないので。
自分が嫌いな人とは、一緒に居たくない。それ自体は自然な話だが、これまでの技術だと、それを我慢せざるを得ない事情と限界があった。
しかし今は、自分が嫌だと思うものがあったら、その旨を送信するだけで、勝手にそれをフィルターして除去してくれるようになる。Xのフィードのように。
それでいて、自分が好きだと思うものは、ガンガン優先的に持ってきてくれるため、放っておいても、個人レベルでの好きと嫌いの二極化が深まっていく。
例えば、人の悪口が好きな人がいる。そういう人は、同じように足を引っ張るのが大好きそうな人を、AIが勝手に判断して、優先的に繋げてくれるようになる。
一方、僕はそういう類の人が嫌いなので、そういうコンテンツを徹底的に忌避するようになる。すると、そういった人たちとの接点は、非常に小さくなっていくのが分かる。
そして悪口を言ってくる側のコメントを、ミュートなりなんなりで見えなくしてしまうと、そこには完全に分断が発生する。この流れは、是なのか、非なのか。
これはすごく面白い傾向がある。得てして、分断”される”側とは、大抵人に迷惑をかけまくるタイプの人が多いのだが、「皆で一つの世界を創るべきだ!」と主張する。
一方、システムを駆使して分断”する”側は、「いや、アホが視界に入るだけマジ邪魔だから、お前らこっちこないでよ」と主張する人が多い。
ちなみに僕自身は、そこまで過激な物言いこそしないけど、人間として面倒なヤツが居ない世界って、すごく平和だろうなと思う側である。
だからせっせと、自分にとってゴミのような情報を捨て続けている。お昼の情報番組はストレスばかり溜まるので絶対観ないし、SNSのニュースも基本観ない。
例えば、僕は普段Chromeを使っているのだが、その理由はEdgeだとホーム画面に鬱陶しいニュースがこれでもかと並んでいるからだ。
そして機械的に判断すれば、人間とはネガティブな情報に反応しやすいという特性がある以上、ほっといても不倫・不祥事・悲惨な事故の話ばっかり増えることになる。
そういうのが好きな人がいるというのもにわかには信じがたいし、もしそういう人が目の前に現れたら、僕は露骨にフェードアウトし、二度と会わないようにしたい。
昔はできなかった、嫌な人や情報を徹底的に避けるということが、AIの進歩を境に十分可能になってきているのはとても面白いと思う。
その内、メッセージから意図を自動的に汲み取って、誹謗中傷のメタを感じた瞬間、一定数以上のフォロワーを持つ人には非表示にする機能ができるかもしれない。
最初から送れなくしてしまうと、アンチ側から察されてしまうが、送った後でしれっと消し去る機能が付けば、世の中はもっと穏やかになるように僕は思う。
【悪口を言いたい人は、悪口を言いたい人同士で群がってください。ただしその有様を世間に晒さないでください。】口に出さずとも、段々オンラインがそうなりつつある。
これまでは人力でやっていたフィルタリングが、AIによって、より高速で、より簡易に、そしてより機械的に行われるようになった先に在るのは、多分平和な世界だろう。
ただしそれは全ての個が一つになった唯一の世界ではなく、完全に分断された世界がいくつもあるような、そんなイメージを僕は考えている。
では今日はこの辺で。